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3.11東日本大震災 福島県の被災地の子どもたちと出会って #52

何年かぶりにmixiにログインできました。
大学時代の僕はほとんど毎日、mixiでブログを書いていました。

当時の自分のブログを読んでいると
懐かしかったり、なんだかくすぐったく感じたり
恥ずかしくなったり
良くも悪くもキラキラした時間だったなと思いました。

そんな黒歴史とも呼べる大学時代のブログを読み返していると、今の僕には欠けてしまった何かがそこにはあると気づかされました。


当時の自分が何を見て何を感じたのか
大人になった僕はすっかり忘れてしまっていました。

今の僕を見たら、当時の僕はどう思うだろうか。

僕は大学の4年間、ボランティア活動に勤しんでいました。
そんな活動の中で縁あって、僕は大学四年生の冬に3.11東日本大震災の被災地の子どもたちと出会いました。

そのときの体験を書いたブログを紹介させてください。


2012年1月7日 21時38分


12月25日~1月6日まで福島県から、子どもたちが僕の地元に遊びにきてくれていました^^

福島県の子どもたちは
放射能の影響で、いまも安心して外で遊んだり普通に生活を送ったりできていません。
毎日毎日、我慢をいっぱいして
生活を送っています。

今、小学校は冬休みです。
この冬休みを放射能のない地域ですごしてもらい

思いっきり遊んでもらおうじゃないか。
マスクをせず、放射能を気にせず外でめいっぱい遊んでもらおう!


というのが今回の企画でした。



僕は、12月25日~1月6日まで
全日ボランティアとして参加する予定でしたが
途中で体調を崩してしまい
一度帰宅してから
再度合流して参加しました。


二週間のうち僕が参加できたのは約一週間でしたが
本当にたくさんのことを考える一週間になりました。


参加するまでも
参加してからも
不安な気持ちでいっぱいでした。


福島のこどもたちってどんな感じなんだろうか

どんなつらい経験をして
どれだけ我慢を強いられていて
どれだけ心の傷を負っているのだろうか


僕は本当にこの子たちと関わっていいのかな
関われるのかな

なにか言ったらいけないことってあるのかな?
したらいけないことってあるのかな?


傷つけてしまったらどうしよう。


こんな気持ちでした。


けど、実際に会ってみたら

地元にいる子どもたちとなんら
かわらないなあ^^


みんなかあいいいいいいいいい><////


って思いました。

最初は


けど、かかわっていく中で

過ごす時間が長くなる中で



子どもたちの素が見えてきて

12月25日初日と1月6日最終日では
僕の瞳に映る子どもたちの印象は
まったく異なるものでした。



「ひろトくんのケータイはスマートフォンじゃないの?」

「そうなんよー。でも3月にはスマートフォンに変えるんで!」



3月にスマートフォンに変えるんで!



この一言で
何気ないこの一言で空気が一瞬にして変わったのを感じました。


楽しい空気が一瞬にして
悲しく重たく苦しい空気に変わりました。


なんで?


さっきまで楽しく笑顔でおしゃべりしてたのに。


なんでそんな悲しそうな顔するんだよ。
どうしたの?



「俺ね。3月が大っ嫌いなんよ。」


えっ、いきなりどうしたんやろ。
なんで?


「なんで3月が嫌いなん?」





「東日本大震災があったから。だから大っ嫌い」










僕は、その言葉を聞いてなにも言ってあげられなかった。

何を言ったらいいのか、わからなかった。




「だからね。ひろトくん、スマートフォン買うのは2月にしてや」



この言葉で自分の中でなにかが変わりました。
この一言でいろんなことに気づきました。



この子たちの心の傷は計り知れないんだ。
そしてこれからもこの傷は消えることはなくって

いつまでもこの傷を背負って
この子たちは大人になっていくんだろうな。

大人になる過程でたくさんの困難がこれから
彼らに待ち受けているだろう。

理不尽なことや
納得いかないこと
自分の力ではどうにもならないことが

いっぱい

今もこれからも
ずっと、そういった環境の中で生きていくんだろうな。



そうやって思うと
悔しい気持ちでいっぱいになりました。


あー。
自分って本当に無力なんだな。
こうやってわかっていてもなにもできない。
なにもしてやれない。


だけど、僕にはなんにもできんかもしれんけど


僕はこの子たちを守りたい
この子たちの笑顔を守りたい

この子たちが一日でもはやく
安心して生活できる福島を
安心して生活できる日本を
作りたい


今の時点ではなにができるかもわからんし
なにもできんかもしれん


けど、できること一生懸命探して
この子たちの笑顔のために
この子たちの未来のために
精一杯できることこれからしていきます。



それがきっと
大人の責任だから。

この子たちの未来を守っていくことが
大人の果たすべき責務だから。


僕は、今年の4月から社会人になります。
大人になります。



けど、それがすごく怖いです。
大人になりたくない。
社会にでたくない。
誰かにいつまでも甘えていたい。
いつまでも守ってもらっていたい。

自信なんてない。
僕になんかできないよ。




そんな自分と決別できました。


今までは、学生で
甘えてばかりだったけど
誰かの意思で行動することが多かったけど

これからは自分の意思で
自分の力で

強く前に進んでいきます。



自分にできることって本当に微々たることかもしれません。
自分の力では大きな変化をもたらすことはきっとできません。

でも、小さな変化はいっぱい作っていけます。




僕はあれから11年。
何かできたのかな。

何かをがんばれているだろうか。
大学四年間、がむしゃらに何かを夢中になって追いかけていたあの頃みたいに
今は何かに一生懸命なれているだろうか。

毎日仕事をして寝て起きて
休みの日は友人や恋人と会って

それはそれで毎日充実していて
僕はとても幸せです。

だけど僕がやりたかったことってこういうことじゃなかった気がする。

漠然とだけど
今の自分は当時の僕がなりたかった自分ではないような気がする。

34歳。

今からでもきっと遅くない

何か自分にもできるんじゃないか。

昔の自分と出会い、そんなふうに感じました。

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