アーティストユニット「ワダノヒト」、人の顔が魅える“デザイン事例と背景ストーリー”


“音楽と高円寺を通し 人の心を動かしたい”

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◎ デザイン解説のようなストーリー

ワダノヒトは、杉並区和田(ワダ)出身、高円寺を軸に活動する二人組ユニット。アーティスト。ぐるぐるとしたロゴは、よーく見ると、中央から外周にかけて、「ワ・ダ・ノ・人(ヒト)」と描いてある。楽曲は爽やか。しかし、形を見ると、ヌルっと人間くさい。それは、「ロゴに、“高円寺”っぽさを出してほしい」というオーダーが入ったからだ。

月一回は必ず高円寺でライブをする。ライブの後は、高円寺で飲む。一緒に出演した人と、お客さんと、地元の人と。「“高円寺”っぽい形」を考える前に、「高円寺」という場を掘りさげなければならない。古着屋、飲み屋。地元を愛する人。いかつさ。阿波踊り。

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昔、私の中で「黄金コース@高円寺」が存在した。

沖縄居酒屋「抱瓶(だちびん)」で、愛想よくない本場っぽいサービス、美味いチャンプルと泡盛を吸収した後、酔いざましに、「四丁目カフェ」でホットコーヒーを飲み、駅を見下ろしながら、行き交う人々を眺める。そんなコース。

当時、気になっていたバイト先の女子を誘う。コースラストで、その子が言う。「なんかさー、高円寺って、『夢追いかけてるけど、なかなか叶わなくて、でもそんな感じ嫌いじゃないって人の集まり』だよね」。あれ? ひょっとして、ディスってる? ってか、全然このコース響いてなくね?

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……はっ。回想終了。とまぁ、高円寺を考えた時、「人・匂い」なわけです。でもって、自分と地元を愛する。そういった人たちが、飲み語らう。つまり、“和”。歌声の和。つながった! 「人・匂い」。ワダノヒト。ぐるぐる。今を全力で楽しむ。そこが魅力だ。

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◎ デザインから派生したエッセイ

メインポスターの歌詞を見てほしい。「太陽系思い出して涙した」。過去を振り返り、将来を考えた時。人の本質ってのを考えてしまう。

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ワダノヒトの箱守くんとは、私と高校生バイトの同期。セブンイレブン中野本町店。笑いのツボがあい、バイト終わり、よく朝まで駄弁っていた。お互い、バイトを辞めた後も年に数回は会って、近況を語り合っている。語りの中、私企画の「人の顔が魅えるデザイン展」をやるにあたって、「テーマ曲をつくってほしい!」という無茶ぶりをしたんです。

もう一人の赤司さん。赤司さんは、箱守くんと同じ杉並区和田出身。高校時代はバンド活動を意欲的に活動、メジャーデビューにもさしかかっていた実力だ。だが、「ビジネス」姿勢につかり始めた時、純粋に音楽を楽しめなくなっていた。バンドは活動休止、音楽から離れる。

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現在。箱守くんは、赤司さんに声をかける。

「30歳超えた今だけど、一緒に音楽やらない?」と。仕事が終わった後、練習・ライブを繰り返す。別軸で「仕事」があるから、無理しすぎず、純粋に「音楽」を楽しめている。彼ら「らしい生き様」だろう。

言葉にすると、ちょっと照れる「らしい生き様」。彼らが愛す高円寺人は、恥じらいもせず、我が侭に生きている。飲み会で騒ぎ語らう姿を見て、あぁいう生き方もいいな、なんて思いながら、私は高円寺駅の改札を抜けるのであった。

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・クライアント:ギター・ボーカル 箱守啓介 / キーボード・ボーカル 赤司渉
・デザインと文章:永井弘人

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