メディアとしての「紙」の価値。人の感情に直結させる。想い出になる。

パントン・メタリックのやわらかい輝き。ビックリマンシールのホログラムでもないし、折紙についている金銀でもない。上品な煌めき。キラッ。ギラッ。ギラギラ。きらり。感じてほしい度合いによって、見せる表現も変わってまいります。輝けばいいってもんじゃない。大事なのは、その輝き方だ。なんつて。

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メディアとして見た「紙」。今後は一体、どうなるであろう? 僕はグラフィックデザイナーだし、もちろん、紙が好きだ。本も好きだ。Kindle や iPad も持っているが、やはり、紙の本が “読んでいる感” があるし “身になっている感” がある。

◎ 物が見えるメカニズムは2つ。

01. 光が物に当たり、反射された光(=反射光)が目に入って見える。:屋外に貼ってあるポスターなど

02. 物自体が発光して、その光(=透過光)がそのまま目に入って見える。:今、みなさんが見ているモニタなど

脳科学的に、反射光だと「分析モード」、透過光だと「くつろぎモード」になる、なんてことも言われたり。だからかな。

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紙の商社、平和紙業の営業さんと話した。デジタルメディア、めちゃくちゃ加速していますよね。実際、紙業界ってどうですか? ふむふむ……えっ? 近年、大幅に紙の売り上げが減っている、ということはなく、実は平行線。その中でも、広告媒体でよく使われる、文字を読みやすく、情報を伝えやすい青白い紙は減り、“手触り感のある紙” がより売れている。

掘りさげて考えてみる。紙から「情報を広げる価値、情報を読み取る価値」は下がった。逆に、紙の「情報に触れる価値、情報に触れられる価値」が、ぐんぐん上がってきている、と感じた。

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デジタルメディアに「触れられる」のは、ガラス面。それに比べ、紙種がもつ「触感」、そして、物自体としての「視覚的な味わい」は実に様々である。

ツルツルした、写真キレイな “グロス紙”。ほっこり、やさしさのある “マット紙”。カッチリ、シャープな “スムース”。高級感、重厚感をもつ “ラフ”。クールで、パキッと爽快な “ホワイト系”。あたたか〜い、 “ナチュラル系” もあるよね。

そう、この「紙」というメディアは、「刷り込まれた(表示される)情報」をすっとばして、「人の感情に直結させる」ことができるのだ。

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で、ですね。さらにいうと、「情報を伝える」という面でも、「紙」が「デジタルメディア」を上回るシーンがあるんです。なにか? それは、“ライブ” だ。今、まさに、自分がそこに立ち、目の前で起きていること。例えば。興味を持った対象の本人がいる場で、その人から、一言、説明をうけながら、渡される紙(に書いてある情報)。

これはもう、単純な情報としてインプットされるのではなく、「情緒的な記憶」になるでしょう。つまり、「想い出」。「想い出」は、一生ものだ。簡単に手に入るものは、スルスルと簡単に手から離れていく。すこしめんどいけど、山を乗り越えた後、手に入れたものってのは、簡単には忘れない。脳裏に焼きつく。アチチ。

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……以上を踏まえまして、「紙」というメディア。今後の生かし方をお伝えして、締めたいと思います!

◎ 先を見据えた、「紙」メディアの生かし方!

01. 伝えたいコンテンツのタネ、ネタのアイデア出しは、「紙」に書く。分析モードでいいアイデア、ざくざく。
02. ネタ=コンテンツができたら、「デジタルメディア」を通して、ばびゅーんと遠くまで情報を飛ばす。
03. ある程度、情報が認知されたら、「人が集う」イベントなど、リアルな場を設ける。または、参加する。お持ち帰りの「紙」を用意する。一言そえて渡す。「想い出」と一緒に、「心を込めた、情報記載メディア=紙」を持ち帰ってもらう。

04. そのイベントレポートを「デジタルメディア」で紹介。またまた、情報をかっ飛ばす。

05. 「01〜04」まで振り返って、気づいたことや改善点を「紙」に書き出す。分析モードでいいアイデア、ざくざく。……はたまた「02.」に続く、ループの巻。

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時代が動けば、「シーンで求められる、メディアの重要度が変わってくる」ということよ。改めていうと、より多くの人に届ける入口は、やはり、デジタルメディア。「オレがお前に」というシーンでは、あえて、ではなく、むしろ、「紙」を選ぶんだ。人の感情、想いに触れることができる。奇跡のメディア。

デジタルを愛そう。紙を愛そう。遠くまで。近くまで。まだ知らない、あなたを知りたい。知って、好きになったら、直接、触れてみたい。認知。印象。記憶。そして、想い出。シーンに合わせた、最適なメディアを召し上がれ。カミー!!


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コメント12件

はじめまして。私も学生時代、王子製紙の方に紙の需要は横ばいと聞きました。でも新たにその丈夫さや柔軟性から、傘やテント、ガラスに変わるディスプレイを紙で作れることをインターンで提案したことが以前ありました。笑。しかし文字といったら紙が私の中はベースにあります。デジタルの恩恵は受けていますが、取って代われない部分、たくさんありますよね!匂いとか手触りとかも。それが書き手の物語と相まって作品にもなるんじゃないかって個人的に思っております^^
Chihiroさん、ありがとうございます! 「匂いとか手触り。書き手の物語と相まって作品にもなる」。まさに、同感です。レコードやカセットテープの別軸の価値が高まるように、時代とともに動く背景、ストーリーがあってこその作品。そして、メディア。価値の広げ方と高め方を意識しながら、今ある状況と先を見据え、ポジティブに捉えたいですね! あと、提案された「人が考える発想転換」こそ、様々な可能性が凝縮されていると感じます。どう捉えるか、どう動くかも、人次第!
日頃から、映画館のスクリーンに投影された映像と、テレビで観る映像の感じ方の違いを常々感じていたのですが、こちらのノートを読み(文章が伝えたかったメッセージとはずれてきてしまいますが)、答えを見つけられたように思います。私もアナログな仕事をしているので、共感し、また勇気付けられました。
八潮七瀬さん、ありがとうございます。場の空気や世界観を体感する場合、今の時代、アナログの方が一つ上手なのかもしれませんね。デジタルが普及した日常から、少しはなれた、特別感……双方の味、良さをかみしめていきたいですね。コメントいただき、私も勇気付けられました。ありがとうございます!
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