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天国からの手紙

あっ、天国から手紙が届いてる。

 ハロー、ヒロト、元気でやってるか。ジョン・ウィンストン・オノ・レノンだ。
 それにしても、オレがガキ向けの伝記、それもベートーヴェンと同じシリーズに載るなんて、笑っちまうぜ。何しろ、ガキの頃のオレは、酔っぱらってケンカばかりで、クォーリー・バンクのセンコーには「反抗的で、将来どうにもならない生徒」ってレッテルを貼られていたんだからなぁ。

 ああ、こっちに来た時は、ベートーヴェンのオッサンには、イイ顔はされなかった。「ベートーヴェンをぶっとばせ」って曲をやっていたこと、オッサン、知っていたんだ。でもな、今じゃ、オレたちはダチなんだ。少し遅れて、ジョージがこっちに来た時は、三人で「ベートーヴェンをぶっとばせ」を演奏した。一曲終えてから、オッサン、「私にもヴォーカルをさせて欲しい」って言うんだ。もちろんオレもジョージも喜んださ。ベートーヴェンの歌なんてなかなか聴けないからな。すると、オッサン、歌詞を変えて歌うんだ。「ベートーヴェン」のところを「ビートルズ」に。やってくれるじゃないか。
 さて、この伝記だが、子ども達がオレのことを知ってくれるのはいいが、神格化されるのは、まっぴらだ。この本を読んだ後、大人向けの本も読んで欲しい。そして自分の頭で考えるんだ。自分の生き方を。なあ、そうだろ。

 わが街の図書館で、敬愛するレノン先生の伝記を見つけました。そこで、A・O・Rの月曜日、ロックバー・ラインハート風に書き綴りました。
 放送作家のお仕事、お引き受けいたします。ご連絡ください😆


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