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焦りから踏み出した一歩を進める前に考えておきたいこと

人生で初めて、商工会議所が主催する経営相談というものを利用してみた。

事前アンケートの「相談内容」という欄にはいくつかの項目が並べられていて、どれかに丸をしなければならなかった。

ざっと目を通し、私は『販路拡大』を選んだ。

"インターネット集客以外の道がないものか?" と思ったのだ。

これが、大きな気づきにつながる一歩だった。


経営相談へ足を運んだ理由は「なんとなく」だったのだけれど、人は絶対に「なんとなく」なんて理由で行動はしない。

しかも日曜日の真昼間から相談になんて、「なんとなく」行くわけがない。

さらにいうと『販路拡大』にも「なんとなく」丸を付けたのだけれど、それだった「なんとなく」なわけがない。

その無意識の行動の理由に自分が気づいたとき、なんだか笑えてきた。


経営相談に行った私だが、そういう私も経営コンサルタントだ。

客観的に自分に何が起きているかなんて、主観的ではあるけれどもある程度は分かっている。

だからこそ、相談中もなんだか滑稽だった。

「なんとなく」ここへ足を運び、「なんとなく」の理由で販路拡大の相談項目に丸を付けた。

そして、先ほどまで目の前でコンサルティングをしてもらった。


こうして分かってきた自分の行動のメカニズム。

私は『マーケットの急激な変化』に怖れを抱いていて、焦りから何かその解決策がないか? ということを模索していたのだと思う。

そして経営相談に足を運んだのだが、そこで分かったのは「足元を固めろ」という当たり前な経営の話だった。

直接コンサルタントの方からそう言われたというよりは、暗に仄めかされた、というようにも感じる。


人を焦りを感じると、考えが未成熟な段階で行動や選択をしてしまう。

ここで大事なのは、不安や焦りから踏んだ一歩を前に進めず、それよりもむしろ

「なぜその一歩を踏もうと思ったのか?」

を振り返ること。

結果として私は、「マーケットの変化に対する怖れ」という結論を得た。


マーケットの変化に対し、何か別の角度からのアドバイスを求めに行ったり、販路拡大の手段やノウハウを模索しようとする…。

だが、もしもその「怖れ」自体を解消できるのだとしたら、次に起こることはなんだろうか?

きっと「経営相談」をすることでもなければ「販路拡大」でもないはず。


マーケットの変化にノウハウが追いつかないことに怖れを抱いているのなら、ノウハウの開発スピードを上げることや、対応できる範囲をさらに強化して着実に積み上げるなど、施策はある。

だが、そこに焦りや不安が生まれると、正しき一歩とは別に、焦りや不安からの一歩を生み出し、結果として誤ったルートへの労力を割くことになる。


人というのは何かに動機づけられて行動する生き物だ。

そしてそれは、不安や焦り、痛みを伴うほど、刹那的な行動を取ってしまう。


でも大切なのは、「なぜそれをするのか?」という大目的であり、そのために目の前の超短期ではなく中長期で成功し、自分の信念を成し遂げられる活動を行うということになる。

つまり、ビジネスをする理由、目的、ビジョンのために、できることを確実にコツコツやっていけよ、積み上げろよ、という話。


不安や焦りから踏み出した一歩を、進める前に考えておきたいこと。

それは、「なぜそれを選択し行動したいと思ったのか?」を冷静に分析し行動の源泉を明らかにすること。

そこの解消なり達成に向かわない限り、人は常に焦りや不安から誤った道を選択し続けることになってしまう。


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