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散髪のおもひで。

 年明け早々に散髪して以来、2ヶ月近く放置し続けてボサボサだったので、美容院に行ってサッパリしてきました。

 今でこそ毎回同じ美容院に通っていますが、元々は他人に頭をペタペタ触られるのがすこぶる嫌いなうえに「死ぬまで伸び続ける髪の毛の処理に高い金額は払いたくない」という貧乏性まる出しの強い思いがあったため、10代半ばから20代後半までは10分1,000円のところを愛用していました。

 しかも、その1,000円カットで色々と小生意気な注文をしていたので、よりテクニシャンを求めて店を彷徨い続けていました。とはいえ指名制でもない激安美容院でオキニのテクニシャンを発見したとしても、最終的にはただの運勝負になってしまいます。

 例えば自分の前に2人待ってたら頭の中で「こいつあっち行って、こいつこっち行くから、よし!あのテクニシャンにカットしてもらえる!」などと綿密な計算をしていると、どこかで運命の歯車が少しズレて前の客がテクニシャンに行き、自分は何故かブタゴリラみたいな手荒で下手くそなオッサンにカットされるハメになるナリ。

 リアルブタゴリラも嫌ですが、それ以上に避けたいのが仕事が雑なオッサンです。小学生の頃に通っていた実家近くの理髪店での話ですが、スポーツ刈りにしてもらうときにオッサンの手元が狂ったのか、左耳の付け根を深めに切ったことがありました。

 さすがに「痛っ!」と大きめの声を出したのですが一切謝罪はナシ。それどころか、バレないようにチャチャッと白い薬を塗って、帰り際にサービスで貰えるアメちゃんを多めに渡して「また来てねー」とかぬかす始末……

 いやいやいや、どれだけ手際よく薬を塗って隠蔽してもわかるよ、だってめちゃくちゃ痛ぇんだから。

 成長期のボディを傷つけてアメちゃん3個で解決しようとする腹黒さ、敵ながらアッパレ。帰り道を自転車で走っているときの薬と血が混じった液体がツーッと頬をつたう感覚を今でも忘れない。

 まぁ「なんか左耳がめっちゃ痛いけどアメちゃん多めに貰えたから、結果オーライ!」とか思っていた小学生の頃の自分もアッパレですが。

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