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嗅ぐ力が低いと死亡率が上がる

ふだん、「今日はにおいがよくわかるぞ」「今日はわかりにくいな」と意識してにおいを感じる感度をチェックしたことありますか?
たとえば視覚。「最近見えづらくなったなぁ」「今日は見えにくいなぁ」と感じることありませんか?
嗅覚はどうでしょう?最近、「嗅ぐ力が弱くなったなぁ」と自覚している方がどれだけいるでしょうか?
においがわかりにくくなったと感じたころには嗅ぐ力はかなり低下しています。
私は調香師という仕事柄、自分の嗅ぐ力をチェックしています。すると今日はいつもよりやや香りがわかりにくいなと感じることがあります。よくよく気にしてみると、日々嗅ぐ力は変化しているのです。意識的にチェックしないと気がつかない嗅ぐ力ですが、それほど気にしなくても害はないと思いがちです。

しかし、寿命に影響するとしたらどうでしょう。あなたの健康寿命が短くなるのを未然に防ぐ事ができると聞いたらどうでしょう。
ちょっと気になる研究結果があります。においを識別する能力、嗅ぐ力と死亡率が関連するという研究結果です。
ストックホルム大学から、嗅覚機能低下と死亡リスク研究の発表がありました。発表によると40歳から90歳の被験者1774名に対して、10年間の追跡調査を行っています。10年の間に411名、23.2%の当時被験者だった方が亡くなっていました。
嗅覚テストの結果がよいと死亡率は低いということが有意に関連するという結果でした。[i]

認知症と嗅ぐ力の低下が関連することはメディアで取り上げられ知られてきました。
しかし、認知症でない人の嗅ぐ力の低下もまた、死亡率が上がる要因とわかったのです。
この報告で嗅覚障害は、認知症とは無関係に健康を悪化させる可能性があるとしています。
どうやら嗅ぐ力の低下は、健康寿命を脅かす要因となりそうです。
嗅ぐ力をチェックして、認知症の初期を確認すると同時に、健康寿命を意識した方が良さそうです。
では、嗅ぐ力が低下しないようにするにはどうすれば良いでしょうか。

そんな、嗅ぐ力を鍛えるトレーニング法つくれないかな?と考え、つくってみました。あくまでトレーニングなので問題ない方はそのまま嗅ぐ力を維持、下がってきた人は嗅ぐ力アップ!
そんなトレーニング法アップしていこうと思っています。

[i] Ekström I., Sjölund S., Nordin S., Nordin Adolfsson A., Adolfsson R., Nilsson L.-G., . . . Olofsson J. K. (2017). Smell loss predicts mortality risk regardless of dementia conversion. Journal of the American Geriatrics Society.

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