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【産業】経営・まちづくり・組織づくり、あらゆる分野に必要な考え「エフェクチュエーション」とは

夜でもヒルタです。私は、「しあわせな+1時間を 岡崎市」をキーメッセージに、岡崎市を「子育て・福祉・産業・まちづくり」において「日本全国のモデルになるまち」目指して活動しています。

家族との時間・学び直し・まちづくり活動・趣味や休息等……つまり、自分自身が本当にやりたいことができる時間が、「しあわせ」につながると信じています。積極的に「未来への投資」をし、20年、30年先の岡崎市も豊かで選ばれるまちへ、そんな未来をともにつくる。

ともにつくる岡崎市の未来!

私、ひるた浩一郎は、「エフェクチュエーション | effectuation」の考え方に強く共感しています。チャレンジしている人たちの勇気になる、そんな考え方やアプローチでもあります。

※今日の記事はカタカナ語ばかりです、ご承知おきください※


◯ エフェクチュエーションとは?

「熟達した起業家から発見された、“予測”ではなく“コントロール”によって不確実性に対処する思考様式」

エフェクチュエーションとは

神戸大学の吉田満梨さんから直接「エフェクチュエーション」について理解を深める機会をいただきました。私は、大田区 PiO PARKのアンバサダーを拝命しており、そのご縁でした。第1期、第2期のアンバサダーとともにお話を伺うとても貴重な機会をありがとうございます!(この事業も、ご縁もエフェクチュエーションだなと書いていて気が付きました)

最近、吉田満梨さんのインタビュー記事が公開されました。エフェクチュエーションについての解説がわかりやすいので、ぜひ、ご一読ください。

変化が激しい時代の必修科目?起業家的アプローチ「エフェクチュエーション」に学ぶ

学生・若手社会人が最初の一歩を踏み出すための、エフェクチュエーション入門

さらに理解を深めたい方はエフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」もオススメです。

エフェクチュエーションは、特に新しい市場や技術が関わる起業の文脈で、予測が難しく計画に基づく従来のアプローチが適用しにくい場合に有効な戦略とされています。

◯ Causeではなく、Effectuation

インタビュー記事を読まれた前提で、感想や私が感じたことを書いていきます

今までは、Cause・因果性として「最適解の追求」こそが重要だと考えられてきました。

エフェクチュエーション | Effectuationの場合は実効性として「持っている手段からはじめる」ことが重要で許容可能性の範囲でどんどんとアクションすることが重要だと。

 -ここやるとエフェクチュエーション

私は岡崎市役所の公務員時代に、プライベートで仲間とともに空き店舗を借り「ここやる」としてまちづくり活動を実施してきています。

「私は誰か、何を知っているか、誰をしっているか」、として「手中の鳥」からはじめていきました。岡崎市役所の公務員が、プライベートで空き店舗を借りてまちづくり活動をする。塩尻市(長野県)の山田崇さんといった前例は知っている。岡崎市で空き店舗を貸してくれる方は知らない。

そんな状態からのスタートです。空き店舗を借りられた経緯等はForbes JAPANの記事を参照してもらいたいんですが、「楽しみながら、まず、やってみる!」といった精神はまさにエフェクチュエーションだなと振り返って感じました。

◯ 「許容可能な損失」は人によって異なる

私は公務員が空き店舗を借りることに対する「許容可能な損失」と岡崎市役所で働く先輩たちの「許容可能な損失」は大きく異なっていました。

私は公務員がプライベートで空き店舗を借りてまちづくり活動をして、「失敗」したとしても損失として多少のお金と自分の時間だと考えていました。

しかし、先輩の中には「歩く行政リスク」や「余計なことをして、なんかあっても知らんからな」という先輩もいました。また「もう家族もいて、役職もある。本当はこういう取り組みをしたいけど、金銭的な部分で応援する」といった人もいました。

実は、エフェクチュエーションも考えを知るまでは「なんでやらないんだ、リスクばっかり考えて…」と思っている私もいました。しかし、エフェクチュエーションの考え方を知り、『「許容可能な損失」の原則』の話を聞いた時にすごく理解と納得ができました。

悪いわけではなく「失敗してもいい範囲の捉え方」が異なっているんだと気がつけたんです。諦めや怒りではなく、「こわい」と思う人がいることを受け止められた瞬間でした。

だからこそ、許容可能な損失が異なる人と組むことが大事。私が「怖くてできない」とおもうことを、「それくらい大丈夫!」といえる方と組む、パートナー・仲間になっていくことでプロジェクトを進めていけるからです。

◯ 行き当たりばったりではなく、事後合理性

エフェクチュエーションは、「まず、やってみよう!」といった解釈から行き当たりばったりや他人任せだと思われる方もいるかもしれません。

しかし、「予言の自己成就」といった考え方にもあるように、あとから振り返ったら合理的だったなと思えるものでもあります。

「予言の自己成就」とは、根拠のない噂や思い込みであっても、人々がその状況が起こりそうだと考えて行動することで、事実ではなかったはずの状況が本当に実現してしまうこと。アメリカの社会学者ロバート・K・マートンが提唱しました。同じくアメリカの社会学者W・I・トマスが説いた「もし人がその状況を真実と決めれば、その状況は結果において真実である」という定理を基に展開された理論です。

予言の自己成就

行動していくことで、新たな人との出会いや出来事がおこって、さらにそこで行動選択肢が増え行動することで、さらに新たな人との出会いや出来事がおこっていく……

そんな行動、アクションすることで眼の前が広がっていくような感じだとおもいます。

私も、「ここやる」をスタートして、たまたま出会った人たちとCode for AICHIを立ち上げシビックテック活動を推進し、乙川河川敷で音楽フェス「みらおと!」を実施し、岡崎公園で野外シネマ上映も実施する……

たまたま空き店舗を借りる、といった行動がすべてにつながっていった。偶然の出会いや出来事は「良い」も「悪い」も自分自身の捉え方と行動の仕方次第でもあります。

◯ セレンディピティの幸運さだけではない偶然の出来事

私は、「セレンディピティ」を信じていますし大事だと考えています。

ざっくりいうと…「偶然の産物」「幸運な偶然を手に入れる力」を意味する言葉でもあります。

まちづくり活動を実施する上でも、ビジネスでも、セレンディピティをどう活かしていくか。岡崎市もセレンディピティ シティとして、偶然の良い出会いがたくさん起こるまちにしていきたいです。

エフェクチュエーションはセレンディピティのような「幸運」だけではなく、行動した結果生まれた「予期しなかった出来事」をどう活用していくか、「これって何かに使えないかなー」とアイデアを出すか、でもあります。

幸運かどうかは、その人次第。良い、悪いではなくただ事実があるだけ。

「失敗」を世紀の大発見にするか、ただの失敗にするかは、捉え方次第。こうした事例はたくさんあります。ポストイットが生まれた事例はまさにです。

◯ 「挑戦するリスク」と「挑戦しないリスク」

愛知県を、日本を代表する企業…トヨタ自動車をつくった豊田喜一郎さんの言葉にもあります。

「伸るか反るかの勝負を独断で仕掛けて失敗したところで、それが日本のためになる発明や新分野への挑戦なら、後ろ指を指されることはない。むしろ、守りに入って何も挑戦しないほうが(明治国家の発展のために自動織機の発明に邁進した父)佐吉の精神に悖るわけだ。」

(野口均 『カイゼン魂―トヨタを創った男 豊田喜一郎』 WAC文庫、2016年、p.147)

トヨタ自動車をつくったまち愛知県だからこそ、こうした精神がもっと脈々と受け継がれていてもおかしくない。

ビジネスだけではなく、人生もそうだと考えています。死ぬ間際に「あのとき、こうしておいたら良かったな……」と後悔して死にたくない。実際に、死ぬ間際の後悔のランキングに入っています。

一か八かの人生や社運を賭けた取り組みではなく、許容可能な損失の範囲でやる。小さくはじめることが重要。

◯ 自分の生き方をエフェクチュエーションで捉えてみる

2016年1月10日に岡崎市の康生通商店街の空き店舗を借り「ここやる」を開始したこが社会人として私の大きな転機でした。エフェクチュエーションで振り返ってみます。

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・手中の鳥【手持ちの手段の活用】
私は誰か:岡崎市役所の公務員として勤務。商工労政課で商店街支援を実施。
【予期せぬ事態を活用】
・塩尻市(長野県)の山田崇さんに出会い「どうせやらないんでしょ?」と言われる。とても悔しい、ムカつくって感じる。※詳細はコチラ
【許容可能な行動】
・『挑戦しないリスク』山田崇さんに言われたままにしておくことは、とても悔しいし、何もしないほうがリスク。
・岡崎市内にある空き店舗を借りる。
・塩尻市役所の公務員の山田崇さんも空き店舗を借りた活動をしているんだから、岡崎市役所の公務員のひるた浩一郎もできるはず。
【何を知っているか拡張】
・「山田崇さんという前例があること」「空き店舗を借りたいけど、ツテも人脈もないこと」を知っていた。
【何ができるか】
・岡崎市役所の職員やまわりに「空き店舗を借りてまちを盛り上げたいんです! 仲間になってください!」と宣言しまくった。
・市内外問わず、様々なコミュニティに参加し「空き店舗を借りて、まちを盛り上げたいんです!」と宣言しまくった。
【自発的参加者とパートナーシップ構築】
・岡崎市 商工労政課で一緒だった中川光、野澤成裕、小川貴之の3人が「やろう!」といって一緒に活動開始。
・商店街の人達とのつながりやまちづくりを実施している人たちとの出会い機会が増加
【許容可能な損失の範囲で行動】
・業務時間外での打ち合わせ
・業務時間終了後、有給休暇取得、休日のプライベートの時間と自分たちのお金を利用して「空き店舗を借り、シャッターを開ける」
・まちの人たちへの説明と共感
【何ができるか】
・2016年1月10日 空き店舗を借り「ここやる」の活動スタート。
・まずは、空き店舗にあった荷物や廃棄/整理のため大掃除
【自発的参加者とのパートナーシップ】
・Facebook等のSNSで利用や利用シーンを発信。参加者も自発的に発信
・市内外のコミュニティや団体との連携イベント実施しパートナー拡大
・自発的に参加者が自らイベント実施し多様な人達とコラボレーション

【結果】
・年間200回以上シャッターを開けるイベントを実施。コロナ前の6年間で延7000人超、市内循環金700万円超、空き店舗が3つ埋まる、様々な団体が創出し活動……等。
・本業の商工労政課の仕事においても、日本で初めて自治体がスポンサードしたStartup Weekendを実施(Startup Weekend OKAZAKI)等、新規事業創出支援につながる取組事業を創出

・ひるた浩一郎自身でいえば、「スーパー公務員」と評され数々の賞を受賞し、2020年に岡崎市役所を辞めて、株式会社官民連携事業研究所にて民間の立場から「全国の市長の右腕」として官民連携、共創を促進
2023年10月6日に記者会見を実施し「岡崎市の若きリーダーになること」を宣言

「空き店舗」を借りる、といった許容可能な損失からスタート。まさか転職するとは、まさか記者会見を実施するとは最初は考えもしませんでした。全く想像しない成果にいたった。

振り返ってみると、まさに、私の社会人としての動き方は「エフェクチュエーション」といった言葉は知らなかったですが、エフェクチュエーションの動き方そのものでした。

Startup Weekendでも大事にされている言葉「No talk, All Action !」やバブソン大学で大事にされている言葉「Action Trumps Everything!」といったことからも「行動」しないと未来は変わらない。行動を通じて、予期せぬ出来事を活かし、学び、サイクルをまわしていく。

◯ エフェクチュエーションは勇気をもらえる

エフェクチュエーションの考え方や取り組みをしっかりと学べたこともあり、自分自身の人生のあり方や生き方に勇気をもらえました。一歩踏み出して活動している方、挑戦しようとしている方の後押ししてくれます。

エフェクチュエーションは、挑戦する人をエンカレッジとエンパワーメントしてくれる考え方だと強く感じました。

自治体の行政政策や取り組みにおいても「100点じゃないと政策を実施できない」と考える方や「市民からクレームがきたらどうするんだ!」と考えて何もやらないことが最善手だと考えてしまう方も多いです。

しかし、エフェクチュエーションの考え方やアプローチ方法が自治体組織運営にも活かしていければ、「まず、小さくはじめる。余剰資源からはじめて、アップデートし続ける」ことで本当に市民一人ひとりに合致した政策やまちづくり運営につながっていくと感じました。

Cause…実効性の考え方が「悪い」わけではありません。フェーズによって、CauseとEffectuationを使い分けていくことが大事です。モデル化して、展開していく段階ではCauseの考え方で進めたほうが効率的かつ広がります。

しかし、新規事業をはじめとする新しい取り組みをするときにはエフェクチュエーション| Effectuationの考え方で進めることで、心理的にも、成果としても良いものができやすいように感じました。

手持ちの手段で許容可能な損失な範囲で、何度も何度も行動をして、仲間をみつけ、「何ができるか」を問いかけ続け、アップデートし続ける。

新しい物事を生み出し、不確定な未来・VUCAな未来だからこそ自分たちで共創しようとする考え方がエフェクチュエーション。

これからのまちや自治体においてもエフェクチュエーションの考え方を活かした組織風土づくりが重要だと強く感じます。

ナッジ| nudge」と同じくらいの衝撃を「エフェクチュエーション」には感じています。自分の生き方や大事にしたい考え方はエフェクチュエーションだなと感じたからかもしれません。

さぁ、共創だ!


◯ 【岡崎市政への挑戦】ひるた浩一郎が岡崎市の新しい若きリーダーへ、意向表明の記者会見を実施(2023年10月6日)

岡崎市の新しい若きリーダーとして、岡崎市政へ挑戦します。

岡崎市長選に35歳元市職員、昼田さん出馬へ デジタル化に意欲‐中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/774644

過去か、未来か、どちらをあなたは選びますか。

市長が変われば、市役所が変わる。
市役所が変われば、まちが変わる。
まちが変われば、未来が変わる。

岡崎市の未来をともにつくっていきましょう!

記者会見の動画や想いをまとめています。ぜひ、ご覧いただき、あなたの声を聴かせてください。


サポートありがとうございます! プレッシャーいただけたと感じてがんばっていきます!!