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サビ抜きお寿司が既得権益から抜け出していた!

気が付けばいつの頃からか、わさび抜きのお寿司が多くなったように思える。
いわゆる『サビ抜き』だ。

子どもの頃、親戚と集まりご飯を食べるときは、お寿司を頼んでみんなで楽しむことが多かった。いとこの成長やおじさんおばさん達の最近のグチや楽しい話等、お酒も入っているし、オヤジギャグたっぷりのパーティーみたいだった。

お手伝いでお店に取りに行く時は、フタの上に『サビ抜き』シールが貼ってあったのを覚えている。

フタを取ってしまうと、どれがサビ抜きなのか分からないため、適当に取ってしまうと、あのワサビ特有の鼻が壊れる感覚になってしまうのだ。

大人の味、と言ってしまえばそれまでだが、お寿司の味というより、ワサビの味しか覚えていないのだ。

周りの大人達は、「当たった、当たった」と言って笑っていたが、こちらとしてはテンションだだ下がりだ。

まぁ、大人になって居酒屋のメニューに、ネギトロの中に1個だけ、ワサビが大盛りになって隠れている「寿司アンルーレット」なるものを頼み、「当たった当たった」と言って盛り上がっているのだから、大人ってそんなもんかもしれない。

それが、今やどうだ。

回転寿司では、サビ抜きがほとんどで、自分でワサビを盛り付けるスタイルになっているし、スーパーに並んでいるお寿司も、ほとんどサビ抜き派が多い様に感じる。

私にはワサビ入りの既得権益から抜け出していた様におもえるのだ。

そのおかげか、成長して舌で味わう感覚が発達したのか分からないが、お寿司の味、ネタの味が以前に比べてはっきりした様にも感じる。

こうやってネタを味わうことができたし、ワサビを味わいたいなら、自分でつけて食べればいい。

食文化はひそかに変わっているが、食べる私たちにも、選べる楽しさができたのだろう。

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