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第4期SAKURA LEAGUE決勝戦レポート

まずは選手紹介から。

1位通過 金平裕樹プロ  
日本プロ麻雀連盟 中部本部所属

今期成績 24半荘 10-5-5-4 
総合得点+188.0 素点合計+134.0 
平均素点+5.58 
通算成績 56半荘 20-15-12-9 
総合得点+336.8 素点合計+225.8 
平均素点+4.03

安定感抜群の成績で2期連続の決勝進出。

2位通過 藤川裕介さん

今期成績 20半荘 7-7-4-2 総合得点+142.5 素点合計+93.5 平均素点+4.68通算成績 96半荘 28-31-23-14 総合得点+440.9 素点合計+266.9 平均素点+2.78

第4期にして3回目の決勝進出。
SAKURA LEAGUEを代表する強豪アマ選手。

3位通過 若林貴博さん

今期成績 18半荘 5-7-3-3 
総合得点+117.4 素点合計+82.4 
平均素点+4.58
通算成績 58半荘 13-13-20-12 
総合得点+105.4 素点合計+78.4 平均素点+1.35

3節連続四暗刻アガリという記録保持者(笑)
爆発力を武器に初の決勝進出。

4位通過 グッチさん


今期成績 24半荘7-7-8-2 
総合得点+109.3 素点合計+72.8 平均素点+3.03
通算成績 90半荘 28-18-22-22 
総合得点+96.9 素点合計+51.4 平均素点+0.57

第3期優勝者。
連覇なるか??
今期はポイントを上手にまとめての決勝進出となった。

各選手、かなり早くに会場入り。
私も余裕を持ってきたが、グッチさん・金平プロ・若林さんはスタンバイしてくれていた。

金平プロとグッチさんは落ち着いていて、若林さんと藤川さんからは良い緊張感を感じた。

1回戦 起家から グッチさん・藤川さん・金平P・若林さん)

東1局 ドラ⑦
グッチさんが積極的にホンイツに向かう。
好配牌をもらった藤川さん、グッチさんの欲しい,【中】をテンパイまで引っ張る。
リーチかと思われたが、ここは慎重にヤミテンを選択。
ドラの【⑦】をツモってツモ・タンピンドラ1の1,300・2,600.
ちょっと固くなってるのかな?とこの時は思った。

東2局 ドラ9
藤川さんが中盤にチートイドラ2のテンパイを入れる。
西待ち、ヤミテンを選択。
ここで藤川さんの今回の決勝のプランが垣間見える。
中打点のヤミテンを確実に決めて、リードを築こうというもの。

若林さんから狙い通り9,600をアガる。

続く1本場は金平プロがグッチさんから2,000点のピンフドラ1。
決勝戦ということでリーチしたいところだが、藤川さんの好きにはさせないぞ、という意志を感じた。

東3局 ドラ6 
若林さんにドラ3のチャンス手到来。
ここは全員がしっかり受け切って流局。

南入 
グッチさん 22,500 藤川さん 46,400 金平P 30,000 若林さん 21,100

ここまでは一見慎重に見えた藤川さんがうまく主導権を握ったように見える。

南2局 親 藤川さん 
ここはこれ以上やらせれないと、グッチさんがタンヤオドラ1で仕掛ける。

ところが、それによって藤川さんに567の三色ドラ1の勝負テンパイが入る。
ここも打点十分のヤミテンの構え。

グッチさんがタンヤオテンパイ濃厚のところに引いたのはドラの四。
三色は崩れるが、【七】と【四】を振り替えてリーチ。

これを一発でツモり上げて、3,900オール。
結果は打【四】でも打【七】でも一緒かもしれないが、非常に手ごたえのある局だったのではないだろうか。
藤川さんの出来の良さを感じる1局となった。

南2局1本場 
金平Pがピンフドラ1をリーチ。
しっかりツモりあげて、1,300・2,600。
金平Pはリーチ判断が秀逸で、脱落しないようにしている印象。
試合巧者と言われる所以か。

南3局 
今度は若林さんに高めチャンタの三色確定リーチ。
手の進んだグッチさんからのアガリ。

グッチさんはかなり厳しい展開。

1回戦はそのまま藤川さんトップで終了。
かなり感触の良い半荘だったはずだ。

1回戦終了時
藤川さん +34.4 金平P +5.6 若林さん ▲11.2 グッチさん ▲28.8

2回戦 起家から 若林さん・藤川さん・金平P・グッチさん

2回戦も藤川さんが魅せる。

東1局0本場ではグッチさんに役役ドラ2のイーシャンテンが入るも、鳴きたい牌を藤川さんが下ろさない。

手牌がイマイチだったと言えば、それまでだが、こういった時にしっかり受けれるのも技術の一つ。
結果、若林さんが1500をアガる。

そして同1本場、もう一度ここで藤川さんがチートイドラ2をグッチさんからアガる。

ここまでは完璧の出来と言っても良いだろう。

東3局・東4局は若林さんが連続でアガって、南入。

南1局開始時 
若林さん34,800 藤川さん34,500 金平P28,700 グッチさん22,000

0本場は若林さんの1人テンパイ。

1本場 ドラ1
グッチさんに勝負手のイーシャンテン。
七八九①①⑦⑨12789北 

ラス牌の【⑧】をチーすることができて、テンパイ。

若林さんはカン【⑦】の役なしテンパイから、【①】を引いて、しばらく後、リーチ。
一二三①③④⑤⑥34566 リーチ

グッチさんがドラの【1】を引いて長考。
打【1】でペン【3】で続行、これがなんと2ヤマ。
シャンポンはヤマにいなかっただけに凄い選択となった。

だが、結果は次巡ツモったのは【②】。
グッチさんから若林さんに2,000は2,300の放銃となった。
結果は伴わなかったが、良い選択を見せてもらった。

続く南1局1本場。
今度は若林さんのエンジンがかかる。ピンフドラ1、3面チャンをリーチ。
これをツモりあげて2,600は2,800オール。

同3本場。
ここまで我慢の展開の金平Pに初の勝負リーチ。
リーチタンドラ1の【三六】待ち。

若林さんもマンズのホンイツで応戦。
一二二三四五五NNN チー七八九

ここは金平Pに軍配。
1回戦トップの藤川さんが沈みに。

南2局0本場。
金平Pの連続攻撃。
リーチピンフドラ1をツモアガリ、1,300・2,600。
藤川さんをさらに沈める。

そしてオーラス、持ち点は
若林さん 45,000 藤川さん 24,500 金平P 38,500 グッチさん 12,000

金平Pがトイトイ役役めがけて積極的に仕掛ける。
これがハマって2,000・4,000

66NN ポン白 ポン西 ポン② ツモN

2回戦終了時
金平P +24.5 若林さん +17.0 藤川さん +22.9 グッチさん ▲30.0
トータル
金平P +30.1 藤川さん +22.9 若林さん +5.8 グッチさん ▲58.8

1回戦終了時と違い、勝負に入ってきたのか?
2回戦終了時は誰もしゃべる事なく、各々が休憩していたのが印象的だった。

3回戦 起家から 金平P・藤川さん・グッチさん・若林さん

東1局 ドラ⑤
金平Pにタンピンドラ2のイーシャンテン。
グッチさんもピンフドラ2のイーシャンテン。

先にテンパイを入れたのはグッチさん、【58】待ち。
だが、【4】のくっつきからの変化で【8】がフリテンに。

金平Pが二五で追いついてリーチ。
グッチさんが一発で放銃の憂き目に。

東2局0本場 ドラ3
3者がぶつかる。

金平Pが【R】をポンして、マンズのホンイツイーシャンテン。

親の藤川さんに456の三色テンパイ。
四五六②③④④⑤⑥2456

これを金平Pから狙う。
藤川さんは【⑦】を引いて【①④⑦】待ちに。
グッチさんも同じ待ちのテンパイを入れる。

全員に力の入る場面だったけど、流局。

東3局0本場 ドラ2
親の金平Pが一気にたたみかける。
一二三五六④⑤⑥123TT リーチ

グッチさんが、(金平Pがリーチ後に引いた)ドラの2をポン。
さらに仕掛けを入れて最後は四五六七のノベタンテンパイ。

藤川さん・若林さんは金平Pの放銃を願うが、奇しくも同テン。
ここはグッチさんのツモアガリ。
金平Pもツモられたとは言え、ホッとした感じか。

東4局0本場 ドラ②
藤川さんの積極的な仕掛け。
四五六七③⑦⑧ チー867 チー③②④

親の若林さんからリーチ。
五六七②③⑥⑦⑧567TT

藤川さんピンチも最後は粘りに粘ってこのテンパイ。
四四四五六七④ 
打点も組めるが、こういうところの粘り強さも藤川さんの持ち味。

3回戦南入時 
金平P 32,200 藤川さん 39,200 グッチさん 26,400 若林さん 22,200

南2局0本場 
金平Pが藤川さんの親をおとしにかかる仕掛け。
そして、親の藤川さんからリーチ。

金平Pは藤川さんのアタリ牌でギブアップ。
このあたりの押し引きは本当に正確だ。

南2局1本場 ドラ5
藤川さんが【四七】待ちのピンフテンパイ。
さらにイーペーコーがついてリーチ。

仕掛けた若林さんがドラの【5】と【七】のシャンポンテンパイ。
ツモ【5】で食らいつく。

これは金平Pにとっても嬉しいアガリか。

南3局0本場 
後が無いグッチさんの親番。
しかし、6巡目にして若林さんと金平Pがそれぞれイーシャンテン。

そして金平Pに高め三色の勝負リーチが入る。
五六七⑤⑥1235567 ドラ1
高め安め2枚ずつの4枚ヤマ。

藤川さんがテンパイも形が悪いため、【二】のアンコ落としで、受けに回る。
しぶとくカン【⑦】のテンパイを入れて、これをツモアガリ。
金平Pはやられたなという感じであろう。

3回戦オーラス
金平P 33,300 藤川さん 34,700 グッチさん 27,500 若林さん24,500

追い込まれたグッチさんはフリテンリーチを敢行。
ドラ⑤ 二二①②③④⑤34567 打2 リーチ

若林さん、リーチを受けた後、15巡目。
三四八八④⑤445789中中  打4
現状ラス目で後が無いだけに、打【八】もあるかなと見ていたが・・・
ツモ【③】【3】と引いて、最高形でリーチ。
またしても、グッチさんが無情の一発放銃でグッチさんから若林さんに5,800の放銃となった。

流局を一回挟んで南4局2本場 供託1
金平P 32,300 藤川さん 33,700 グッチさん19,700 若林さん33,100 

ドラ⑤
まずは金平Pが動く。
三三八八234556 ポン③ 打⑤
勝負どころと見て、ドラも切り出し、仕掛ける。

グッチさんがドラ単騎の七対子で追いつく。
なんとこれはツモるとトップ、まだ諦めない。

金平Pは安パイが無くなり苦しいが、受けつつもテンパイを入れる。
これがリーチの現物の【47】待ち。
藤川さんから打ち取って2,000のアガリとなった。

決して多くはないチャンスをロス無く、加点してきた金平Pの真骨頂のようなアガリであった。

3回戦終了時
金平P +14.9 若林さん +6.3 藤川さん +2.1 グッチさん ▲82.1
トータル
金平P +45.0 藤川さん +25.0 若林さん +12.1 グッチさん ▲82.1

1位と2位で20ポイントの差があるので、金平Pは浮けば、相当有利。
藤川さんは金平Pを沈めて、自身がトップもしくは大きめの2着なら、といったところか。
若林さんは金平Pをとらえるためにはトップラスを決めて、15000点差くらいのイメージか。

最終戦 プロ連盟の規定にならい、
起家から 藤川さん・若林さん・グッチさん・金平P

東1局 
まずは藤川さんの先制リーチ。
若林さんにも高め567のヤミテン。


ツモり三暗刻を一発でツモりあげて4,000オール。
一気にトータルトップ目に。

東3局1本場 親グッチさん
若林さんのリーチ攻勢。
ドラ八 三三三七九④⑤⑥678NN リーチ
金平Pは②アンカンの4センチ
⑦⑦23 ②アンカン チー四五六 ポンT

ここにグッチさんが追いつきリーチ。
待ちは【三六九】の11,600リーチ。

若林さん・金平Pは絶対絶命。
金平Pはツモ【③】(グッチさんの入り目)で受けに回る。
もう一回踏ん張れば、ツモ【4】でアガリがあったが、常人には切れない牌。

結果は若林さんのツモ【八】。
これには金平Pも胸をなでおろす。
どこまでもグッチさんには辛い展開が続く。

東4局0本場
若林さんが高めタンピンイーペーコーをヤミテンに構える。
金平Pから高めが出て3,900のアガリ。

金平Pは最終戦かなり厳しい展開。
南入時
藤川さん 43,300 若林さん 34,700 グッチさん 20,200 金平P 21,800
トータル(順位点込み)
藤川さん +46.3 金平P +32.8 若林さん +20.8 グッチさん ▲99.9

南1局 親藤川さん
加点したい藤川さんだが、ここは牌がついて来ない。
グッチさんと若林さんの二人テンパイで親落ち。

南2局1本場 ドラ六
若林さんはまだまだ加点が必要。

藤川さんが勝負を決めに行く仕掛け。
3巡目テンパイ。
二三四⑤⑤⑧⑨ チー789 ポン白
【⑦】待ちの形は悪いが、場況は比較的よく見える。


何よりもここで若林さんの親を落とせば、あとは金平Pとのほぼ一騎打ち。

若林さんが追いつく。
六六七七①②③TTT チー④⑤⑥

これに藤川さんが打【六】で飛び込んでしまう。
11,600は11,900(供託2)。

ちょっと勝ちを焦ったかにも見えるが、この選択は十分に分かる。
アガリをとれれば優勝に近づく。
切る牌がドラとはいえ、テンパイかどうかも分からない仕掛け、仮にテンパイでも打点は2,900でもおかしくない場面。
巡目も浅いことから勝負する価値ありとの判断であろう。

南2局2本場 
藤川さん 29,900 若林さん 49,100 グッチさん 20,700 金平P 20,300
この瞬間、初めて若林さんがトータルトップに。
ただ、金平Pや藤川さんのひとアガリで一気に捲られてしまう。

それを分かっている若林さんは更なる加点を目指す。
ドラ含みのカンチャンから仕掛けてNバックの仕掛け。
ドラ4 九九②②②⑦⑧ ポンN チー324

【中】三暗刻ドラ2のテンパイが入ったグッチさんから⑥が出てアガリ。
2,900は3,500。

南2局3本場は追いかける藤川さんが456の三色の勝負リーチ。
グッチさんから出て7,700は8,600。

南3局0本場 
藤川さん 38,500 若林さん 52,600 グッチさん 8,600 金平P 20,300
勝負を決定づけるアガリが出る。

若林さんが国士のようなすごい河。
藤川さんが16巡目のリーチ。
ドラ二 二三四五五六六六12456 リーチ

ここで、安パイの白を切った若林さんにホンローチートイのテンパイ。
これをテンパイを組んでいた金平Pが放銃。
6,400。

南4局は藤川さんにハネツモマン直の条件が残っていたが、条件を満たすテンパイは入らず。
金平Pも0本場はテンパイで親権を続行するも、最後は若林さんがアガって優勝を決めた。

最終戦成績
若林さん +32.2 藤川さん +5.9 金平P ▲15.2 グッチさん ▲23.0
トータル
若林さん +52.4 藤川さん +34.9 金平P +25.8 グッチさん ▲113.1

前期優勝のグッチさんは本当に厳しい対局となった。
それでも最後まで姿勢を崩すことなく、ベストと思える打牌を一生懸命している姿はプロでもなかなかできないことだと思った。
本人は申し訳なさそうにしていたが、胸を張ってほしい内容だったと思う。

金平Pは終始、試合巧者ぶりを見せてくれた。
SAKURA LEAGUEの総合成績では断トツの成績を残しているのも頷ける。
次も決勝進出候補筆頭なのは間違いない。

藤川さんは本当に惜しかった。
あと一歩で届きかけた優勝は無情にも、その手からこぼれてしまった。
だが、勝ちに行く姿勢を貫いてのこと。
その方法論は誰にも否定できるものではないだろう。

そして優勝の若林さん。
最終戦の条件は決して楽なものではなかった。
だが、掴んだチャンスをしっかりモノにして、最後はダメ押しで条件を突き付けての優勝。
見事としか言いようのないものだったと思う。

立ち上げて2年経ったSAKURA LEAGUE。
これだけ面白い決勝戦を作ってくれた参加者に改めて感謝したいと思う。

本当にありがとうございました。
次にこの舞台に立つのは最後まで読んでいただいた貴方かもしれない。

優勝は若林貴博さん


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