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最初はソ🏝💛

私の好きな季節は夏だ。好きな色は緑を挿した水色、オーキド博士に貰うポケモンはいつも水タイプである。海の季節で海の色で、海は水でできているからだ。

 こんなにも海に惹かれるのは、ディスティニーアイランドの海が綺麗だったゆえである。スクウェア・エニックス社の代表作、キングダムハーツの最初のステージであるその島は、当時小学1年生であった私にとって最も綺麗な景色をしていた。初めて買ってもらったPS2のソフトで、いつも父の後にゲームをプレイしていた私にとってそれは初めて自分で封を切る特別なゲームだった。
ゲームの腕前は今にも増して下手の横好きであったが、それでも十分に楽しめたのは、元々好きなディズニーキャラクターやスクエニ(当時スクエア)のハイセンスなCGモデルのおかげだ。それどころか私はすっかりKHのキャラクターの虜になってしまい、以後10年程ディレクター及びキャラクターデザインを手掛けた野村哲也氏を崇め奉るようになる。

 魅了されたのは視覚のみならず、そのbgmが奏でる世界観たるや、ロマンチックでアツく、聞けばいつでも目頭が熱くなってしまうのだ。KHの曲はどれも大好きで、ピアノの練習にとり入れたり、友人達とアカペラで歌ったり(別に担当を決めている訳では無いのに、1人適当に歌い出すと他の友人が綺麗にパート分けして入ってくるので、未だにメンバーが集まるとハロウィンタウンを合唱しだしてしまう悲しいオタクの末路である)、分厚い9枚組のCDをお金を貯めて買ったのが懐かしい。
そういった思い出効果も相乗し、つい先日KHのコンサートで拝聴した作曲家下村陽子氏の生ピアノ演奏は、せっかくのオーケストラにもかかわらずしゃくりあげる程オタク泣きしてしまった。己をサイレントモードにする為の努力で、少し気が反れてしまった気もしなくないという無念が残ったが、それも後々には素晴らしい思い出となるだろう。

 さて、ストーリーだが、やはりゲーマーとしては是非プレイしてみて欲しい。私はKHについては思い入れが他のゲームと比べ特に強く、開発知識の収集や萌えに理解はあるものの、子供の頃のプレーンな状態で楽しみたいという気持ちがあり、制作事情を深く探ったり、二次創作の類はあまり見ないようにしている。それでも10年以上の時を、公式の提供してくれるエンターテインメントのみで楽しみ続け、感動し、心の宝として大事にしてきた。抽象的な表現ばかりで申し訳ないが、今回は販促でなく、完全にオタクが己のKH愛を確認しているだけなので御容赦いただきたい。


 夏休みにはあのセリフ、ガリガリ君に塩をかけて食べ、黒いフードの服をやたらと好み、スケッチブックに螺旋階段を描いたりした。これからもずっとリクが好きで、カイリが好きで、そして何より最初はソ、次はラ、である。

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