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三浦大知『LIVETOUR2023OVER』に見る歌唱力の進化

三浦大知の「LIVETOUR2023OVER」の東京公演が国際フォーラムで開催されたのを鑑賞してきました。
彼のライブに2018年から参加していますが、いつも思うのは、「完成度の高さ」です。
高度なダンスパフォーマンスに裏付けられたライブは、非常にスピード感に溢れ、観ているものを飽きさせません。
1曲目からトップギアに入ってくる展開は、彼ならではのライブ展開で、そのエネルギッシュなパフォーマンスに引きづられ、会場を巻き込んでいくパワーはさすがとしか言いようがないのです。
それでも私が最初に彼のパフォーマンスを拝見した『朝日ドリームフェスティバル』の頃と比べると、年々、彼がダンスだけではなく、ボーカリストとしての力が確実に進化、向上していることを感じさせます。
特に今回のライブでは、非常に歌唱力が安定していることを感じました。
ダンスパフォーマンスの圧倒的実力から彼の歌手としての魅力は隠れがちですが、私の特技である歌声鑑定という視点から、今回は、ボーカリスト三浦大知の魅力という点に於いて、その進化がどのようなものなのか、彼の歌声の音質が明らかに変化していることなどを含めて、記事にしました。

なお、私が青春出版社で連載している「人生を変えるJ-POP」では、第2回と第3回に彼を扱っています。
まだお読み出ない方は、下記から記事全文が読めますので、どうぞ。



会場を巻き込んでいく三浦大知の手腕

私はダンスの専門家ではないですから、いつも彼のステージの最初の曲からのエネルギッシュなダンスパフォーマンスを単なる観客の1人として楽しんでいます。
私は前置きでも少し書きましたが、彼のパフォーマンスを初めて観たのが2017年の「朝日ドリームフェスティバル」でした。
たまたま私の最推しの出演日と同じだったからです。
その日は、彼と最推しと、1つのグループが出演することになっていて、三浦大知がトップバッターでした。
私は、それまで「三浦大知」という人の存在を息子から聞いていました。「ダンスがめっちゃ上手くて、日本よりも海外で実力が認められてるんやで」と。
その時、スマホの小さな画面で彼の動画を見せられた記憶だけはありますが、何の曲だったか、さっぱり覚えていません。
とにかくそんな感じで名前だけはインプットされていました。
そして、その日、彼がステージに現れて30分以上のステージを私は本当に楽しんだのです。1曲も知らなかったのに…です。
そう言えば、なんとなく『ふれあうだけで』は、聞いたことがあったのを覚えています。
ですが、その曲よりも何よりも、それ以外の曲が楽しかったのです。
会場全体を巻き込んで、簡単に一緒に歌えるフレーズを教えてくれて、客席を2つに分けて、掛け合いのようにして歌わせていく。
「曲を知らない人もいると思うので、一緒に歌いましょう」と言って、簡単なフレーズを伝授していく。
何度もライブに参加している今なら慣れっこになっている彼の手法。
ですが、初めての体験だった私は、見事にその1回で彼のファンになりました。
「こんなに音楽って楽しいんだ」
ということをあらためて、思い出させてくれたからです。

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