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iSCSIを設定する

こんにちは、辻村です。今回は iSCSI を設定する際のお話です。この記事は過去の記事のアンコールです。人気があったというよりは自分の備忘録として使っていた物がなくなって意外と不便なので再度投稿することにしました。記事の中では、Solarisで設定しています。

設定の順序

iSCSI の設定をおこなうには以下の順序で設定をしていきます。
今回は、iSCSIのターゲットは準備されているものとします。

(1) iSCSIのターゲットを準備
(2) ホスト側で iSCSI のサービスを立ち上げる
(3) ホスト側で iSCSI イニシエータを設定する
(4) ホスト側で iSCSI ターゲットを探す先を設定する
(5) ホスト側で iSCSI ターゲットを探す方法を設定する
(6) ホスト側で iSCSI ターゲットが認識されたことを確認する

なお、コマンドは違うものの、Linux でも基本の流れは同じです。コマンドを知りたいかたは例えば、Oracle Linux®管理者ガイド, リリース 7 19.7.3 iSCSIイニシエータの構成 を参考にしてください。

(1) iSCSIのターゲットを準備

iSCSIターゲットを準備するには、NASやターゲットとなる OSでターゲットを作る必要があります。今回はこの部分は説明しませんが、今回使う用語の整理をしておきます。ほとんどの用語は SCSI と共通のものです。

ターゲット:iSCSIでコマンドを受け取り、データを返す側
イニシエーター:iSCSIコマンドを送信する側

その他の用語は今回は出てきませんが、気になる方は、120秒で読めるiSCSIの命名規則の記事も参考にしてください。

(2) ホスト側で iSCSI のサービスを立ち上げる

Solarisの場合は、iSCSIのイニシエーターとして利用するには、サービスを SMF で起動する必要があります。rootで以下のコマンドを実行することで、サービスが立ち上がります。

# svcadm enable iscsi/initiator


(3) ホスト側で iSCSI イニシエータを設定する。

初めて利用するときには、iSCSIのイニシエーターを作成する必要があります。

iscsiadm add initiator-node

既に追加されているときはエラーになります。


(4) ホスト側で iSCSI ターゲットを探す先を設定する。

iSCSIのターゲットを探すために、探す先のアドレスを以下のように追加します。この例では2つ設定していますが、ターゲットが1つであれば1つだけ設定すれば十分です。なお、iSCSI のポート番号は、3260ですが、指定しなければ自動的に 3260が選択されます。

solaris# iscsiadm add discovery-address 192.168.101.11
solaris# iscsiadm add discovery-address 192.168.56.11
solaris# iscsiadm list discovery-address
Discovery Address: 192.168.101.11:3260
Discovery Address: 192.168.56.11:3260


(5) ホスト側で iSCSI ターゲットを探す方法を設定する。

iSCSIのターゲットを探索するには、iSNSとよばれる IQNのサーバーを使う方法もありますが、ほとんど使われていません。ここではターゲットのアドレスから見つける方法を選択しています。

solaris# iscsiadm list discovery
Discovery:
        Static: disabled
        Send Targets: disabled
        iSNS: disabled
solaris# iscsiadm modify discovery --sendtargets enable
solaris# iscsiadm list discovery
Discovery:
        Static: disabled
        Send Targets: enabled
        iSNS: disabled
(6) ホスト側で iSCSI ターゲットが認識されたことを確認する。

(6) ホスト側で iSCSI ターゲットが認識されたことを確認する

最後にホスト側でディスクとして認識されたことを確認すれば終わりです。

solaris10# echo '' | format 
Searching for disks...done
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
       0. c1t0d0 <DEFAULT cyl 8351 alt 2 hd 255 sec 63>
          /pci@0,0/pci8086,2829@d/disk@0,0
       1. c3t600144F08ADE767F00004DDB81270001d0 <DEFAULT cyl 1021 alt 2 hd 64 sec 32>
          /scsi_vhci/disk@g600144f08ade767f00004ddb81270001
Specify disk (enter its number): Specify disk (enter its number):


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