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ソウルフルなサックスが印象的 〜 ネイト・スミス『キンフォーク2』

(3 min read)

Nate Smith / Kinfolk 2: See The Birds

ジャズ・ドラマー、ネイト・スミスの最新作『キンフォーク2:シー・ザ・バーズ』(2021)。9月17日リリースでしたが、もたもたしているうちにもういろんなレヴューも出揃って、愛読しているAstralブログもbunboniブログもとりあげたんで、ぼくは書かなくていいなと思い、愛聴すれど放ったらかしでした。

でもちょっと気を取りなおし、やっぱり個人的な感想だけ短め&簡単にメモしておこうという気になりました。ちゃんとした文章を読みたいというかたはぜひ以下をどうぞ↓
(Astralさん)

(bunboniさん)

個人的に強く印象に残ったのはバンドのサックス奏者、ジャリール・ショウ(Jaleel Shaw)です。初耳でしたが、パッショネイトで最高ですね。コカイがラップする2曲目の変拍子ファンク「スクエア・ウィール」後半でのもりあがりかたなんて、もう言うことなしのすばらしさ。

背後でのネイトのドラミングも手数が多くて、爆発的で、それもたまらなく大好き。アルバム中そういうのが数曲ありますが、実に細かく熱く叩き刻みながら、まさにコンテンポラリー・ジャズの新感覚ビートを体現しているなと思えて、快感です。いっぽうノリの深いドラミングを聴かせる曲もあります。

それで、2「スクエア・ウィール」の終わりから次の3曲目「バンド・ルーム・フリースタイル」の導入部へと一続きになっていますが、その部分のサックスを中心とするバンドの決め、ほんとうに気持ちいい。しかも、このアルバムで次に好きな8曲目「ランボー:ザ・ヴィジランティ」(ヴァーノン・リードをフィーチャー)の予告になっていますよね。同じ決めのパターンを使っていますから。

この8曲目もネイトの超速ドラミングが味わえます。そして、ヴァーノン・リードのギターもさることながら、ぼくはやはりジャリールのソウルフルなサックス・プレイに心地よさをおぼえています。フレーズを饒舌に吹きまくる部分もありながら、同時にビートの上に大きくゆったりも乗っていますよね。

ジャリールのソウルフルなサックスは、アルバム・ラスト、ブリタニー・ハワードが歌う「フライ(フォー・マイク)」でも味わえます。ゴスペルもほのかに香るブルージーなR&Bナンバーですが、テイスティーなブリタニーのヴォーカルに続きギター・ソロが出て、次いでジャリールのほんとうに短いサックス・ソロ。短すぎるんでソロとも言えないくらいですが、ソウルフルで味わい深いです。

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Nate Smith / drums, keyboards, percussion
Brad Allen Williams / guitar
Fima Ephron / bass
Jaleel Shaw /saxophone
Jon Cowherd / piano, Rhodes, Hammond B-3 organ

Featuring:
Amma Whatt / vocals on “I Burn For You”
Brittany Howard / vocals on “Fly (for Mike)”
Joel Ross / vibraphone on “Altitude” and “See The Birds”
Kokayi / vocals on “Square Wheel” and “Band Room Freestyle”
Michael Mayo / vocals on “Square Wheel”, “Altitude” and “See The Birds”
Regina Carter / violin on “Collision”
Stokley / vocals on “Don’t Let Me Get Away”
Vernon Reid / guitar on “Rambo: The Vigilante”
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(written 2021.11.14)

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