見出し画像

典型的トゥアレグ・ギターで、こっちもけっこう聴けるティスダス『Amanar』

(3 min read)

TisDass / Amanar

bunboniさんの記事でこのバンドを思い出しました。

そういえばティスダス、最新作『Amanar』(2019)のことは以前どこかで見かけたことがあって、ちょっと聴いたりもしたんじゃないかと思いますが、そのまますっかり忘れちゃっていました。ジャケットに見憶えがあります。

そのときがこのニジェールのトゥアレグ・ギター・バンド(いはゆる砂漠のブルーズ)をぼくが知った最初だったはず。記事にせずそのままになっていましたから、2015年にデビュー作『Yamedan』を出していたとは気づかず。

上にリンクしたbunboniさんの記事では「聴き劣りした」『Amanar』より『Yamedan』のほうが断然いいって書いてあるんですが、ぼくのなかで <bunboniさん低評価 = 実は良作> という法則ができあがっているので、予断なく自分の耳で『Amanar』もしっかり聴きなおしましたね〜。

そうしたら、こっちもけっこういいじゃんって、そう思えたんです。もちろん『Yamedan』のほうはもっと聴けるんですけど、『Amanar』だってぼくは好き。なかでも2、3、5曲目あたり、特にギターが熱いしグルーヴィで聴けます。じわじわ低温やけどみたいに迫ってくる8曲目もいいし、ラスト10曲目だって後半のもりあがりには興奮します。

要はリーダー・ギターリスト(ってかワン・マン・バンドなんだけど)であるキルジャテ・ムサ・アルバデのプレイがみごとだってことで、デビュー作でもそうでしたけど、その一箇所でグルグル回転するような典型的砂漠のブルーズ・ギターが『Amanar』でもしっかり聴けると思うんですよね。

たしかにリズムは整理されおらずバタバタしている感じ(ドラマーの叩きかたが原因)ではありますが、キルジャテのギター・スタイルは不変。ここまで弾ければね、おおよそ帳消しにできるだけのパフォーマンスだとぼくは感じます。ロック色もあって、ブルーズ・ロックのファンなんかにはいけるはず。

なにより2、3曲目あたりで聴けるギター熱演には胸躍るものがあるように聴こえました。ほかにいくらだってある典型的トゥアレグ・ギターですけどね。

(written 2022.9.27)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?