見出し画像

【ご意見まとめ】著作権法改正、納得いくまで審議を

予想以上に多くのご意見をいただき本当にありがとうございます。皆さま、ご存知かとは思いますが、著作権法の改正は今回の通常国会には提出されないことになりました。
ここへ書き込まれた意見を読めば読むほど、今回の法改正案が我々メディアの仕事にも大きく関係し、他人事ではないと認識を深めました。

違法化に反対の意見からご紹介します。KSGさんは「根本的な部分からですがダウンロード違法化事態に反対です」とのご意見を寄せてもらいました。①音楽や動画のダウンロード違法化当時から言われていた海賊版対策としての効果に疑問
②実際に逮捕者も出ておらず、音楽などの売上の改善もなかった
③静止画ダウンロード違法化検討の会議の場でのP2Pでのデータ減少も
ニコニコ動画やyoutube、iTunesなどの音楽や動画配信サイトの利用により
減っただけではないかと思えるから

という理由を列挙していただきました。

「ぐっさん」さんからは「年間4000億円を超える被害への対策の一つとしての厳罰化は止む無しと考えますが、施行と前後しすべきことがあります。刑事罰化に伴い、子どもたちのインターネットリテラシーを高める教育や活動を強化する必要がある」との意見をいただきました。

kazutomiさんは経済的な観点からご意見を寄せました。以下は抜粋です。

・「被害額」とされているのは無料でDLされた数量×通常販売される価格
・経済学によれば無料でDLされた数量とは価格が0円の場合に売れる数量のことなので、価格が上がれば需要が減るような普通の財については、無料で売れる数と通常価格で売れる数は全く違う
・無料DLを効果的に禁止できたとしても、その「被害額」が権利者などの手に入ることはない
・出版売上推移を見るとピークは1997年で、平均給与や給与総額の推移もピークは1997年
・本やマンガはある意味贅沢品ですから、所得が減れば真っ先に削られるから、出版売上の推移が給与よりもきつい山になっているのも納得
・無料DLを禁止しても、消費者の所得が増えない限り、売上は多分伸びないだろうと推測される
・著作者に利益を回すためには、国民の所得を増やす必要があり、DL禁止は多分ほとんど効果がない


エラント_アンバードさんからは「コンテンツ全消費量を数値化して全国民に等分なコンテンツ消費税として給与から天引きする目的税とし、オールジャンルのコンテンツ・アーカイブを利用し放題で税収運用する、社会インフラとして全国民へ提供する」という提案をいただきました。

取材していた記者としては、政府の説明責任が足りなかったという部分もあるように感じますが、これだけ意見が分かれているのにもかかわらず、なぜ強引に改正を目指したかという疑問を最後まで拭えませんでした。
レクター取締役の広木大地さんは「行政としてはグレーゾーンが広ければ広いほど裁量権が増えるのでよいのでしょうが、国内のリスクが取れない企業を萎縮させます。グレーゾーンの解消こそが重要で、今回のDL違法化はグレーゾーンを拡大する動きに見えてしまいます」と指摘しています。
次回の臨時国会で審議されるのかはわかりませんが、もう一度政府は関係者と国民に耳を傾けて納得いくまで議論することが必要になります。

皆様、多数のご意見やご提案、本当にありがとうございました。今後の取材活動のヒントにもさせていただきます。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?