カスタマーサクセスってなんだ?
今まで"カスタマーサクセスとは?" にまつわる持論を話したり書いたりしてきましたが、こちらの本を読まずにアウトプットしていました。みっともないですね。
まだ読みかけにつき中途半端な内容かもしれませんが、改めて"カスタマーサクセスとは?"に触れたいと思います。
カスタマーサクセスとは、顧客の成功を支援することだと、私は捉えています。ふわっとしていますね。
人は誰しも成功したいと思っているはずです。顧客も大なり小なり人の集団です。成功したいと思っているはずですね。
ところで、"成功"とはいったいどのように定義することができるのでしょうか?
経営層であれば、ROx x%以上や売上x兆円達成などの、定量的な経営指標を達成することが成功と定義できるかと思います。
現場よりになると課題や悩みは様々で、一概にx%以上やx円達成といった定量的な指標に落とし込むことは骨が折れるかと。
ただし、特定のテクノロジ領域に対象を絞ることで、ある程度現実的な成功基準を設けることができるかもしれません。以下は三菱UFJ銀行の2023年3月期の有価証券報告書からの抜粋です。
銀行のようなお金を取り扱う業態は常にサイバー攻撃の的になっていて、悪質な攻撃がいつ何時も発生していることは想像に難くないかと思います。
上記の内容から、例えば、"月x件以上の不正アクセスの兆候を発見して、x件以上の対策を施す"を成功基準とすることもできるかもしれません。こじつけですが。
成功基準を定義したら、自社のSaaSが提供できるユースケースと紐づけて、それらのユースケースを確実に実装して運用するために必要な支援内容・人・お金・時間を定義して管理することが、カスタマーサクセスに求めれれていることと、私は理解しています。
ここで改めて、なぜ顧客の成功にこだわるのかを整理してみます。
最も大きな要因に、SaaSはいつでも解約できることがあるかと思います。2000年代中盤までの売り切りモデルでは、顧客は3−5年程度の契約を締結して、その期間はサービスの解約はできず、仮にサービスに不満があったとしても使い続ける必要がありました。
SaaSのようなサブスクリプションビジネスでは、年次で契約して、仮にSaaSで自社の課題が解決できなかった場合は解約することができます。顧客にとっては不要な投資を最小化できますね。
SaaSベンダーにとっては、単年で解約されてしまっては、顧客の獲得に費やしたコストを回収できず赤字になってしまします。死活問題です。
このサブスクリプションビジネスの特性から、カスタマーサクセスのような部門が誕生したのですね。
でも、全ての顧客の成功を支援することって可能なのでしょうか? 仮に顧客が数千社になったとしたら、数千社の成功を定義して管理し続けることになります。非現実的ですね。
顧客もベンダもお互いが複数の選択肢を持っているはずです。顧客が、同一の技術領域にある複数のSaaSから自社に最適なSaaSを選択できることと同じで、ベンダは複数の顧客から適切な取引先を選択することができます。
社会との接点が極端に少ない(売上が小さい)。資金の流動性が低い(流動比率が小さい)。自社のSaaSが提供するユースケースと課題の結びつきが弱い。このような見込み顧客とは、営業の段階から取引するかどうかを慎重に見極めるべきかと思います。
このような見込み顧客にSaaSを販売してしまうと、顧客もベンダもお互いが不幸になるだけですね。カスタマーサクセスは、営業が売った後のアフターサービス部門ではなく、顧客の成功を支援する部門です。成功を支援できないのであれば、初めから関係を持たいないことが得策かと。
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