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1月1日。西川俊男「今日からスタート 過去を切り捨てよ」

西川 俊男(にしかわ としお、1925年(大正14年)10月7日 - 2015年(平成27年)1月1日)は、日本の実業家。ユニー創業者。

「西川屋」の創業者、西川長十の三男。日本薬化学勤務を経て、家業の衣料品店西川屋の経営に参加。伊勢湾台風(1959年)で壊滅的な打撃を受けたが、立ちすくむ家族や従業員に「今日からスタート」という言葉を繰り返し短期間で復興させた。1963年「西川屋チェン」を設立し、取締役に就任。兄である社長の西川義雄と共に店舗のチェーン化をすすめる。規模の大きなほていやと合併し「ユニー」となる。「ユニーク」「ユナイト」「ユニバーサル」「ユニティ」「ユニファイ」の語感を反映させた造語として社名としたものだ。この合併は、小が大を飲み込んだと言われた。

1976年の社長就任後、「ユニーの森」を提唱し、食品スーパー(ユーストア)、専門店(さが美)や外食産業やサービス業への多角化を進めた。香港への進出やコンビニエンスストアのサークルKを日本に持ち込みチェーン展開に成功し、業界屈指の大企業に育て上げた。「今日からスタート」が口癖で、太陽を模した会社のマークも「スタート」を表す日の出をイメージしたものだ。1980年5月から1984年5月まで日本チェーンストア協会会長を務めた。

1993年、バブル崩壊で業績悪化の引責を理由に代表権を返上。子会社社長からユニー社長に就任した家田美智雄社長は当時、「あの潔さのおかげで再生が短期間でできた」と語り、出処進退に感謝している。その後取締役を退任し、名誉会長に就任。経営の第一線から退いている。イオンの岡田卓也、イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊、ライフコーポレーションの清水信次、渥美俊一も同世代のスーパー創業第1世代だ。西川が亡くなったとき、岡田卓也は「日本小売業の近代化を目指して、合併により全国規模のチェーンストア作りを目指したライバルであり、同志だった」と追悼している。

進取の気性に富んだ、新しがり屋の西川俊男は、過去の経験にとらわれない自由な発想を心がけ、常に「今日からスタート」を信条として新しい産業のスタートに命を燃焼したのである。西川俊男に倣って、何をやるにも「今日からスタート」を心掛けたい。そういえば今日から新年だ。


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