見出し画像

6月17日。 出門英「ロザンナ。おまえひとりで子供たちを育てていかなくちゃならないかもしれないから、大人になれよ」

出門 英(でもん ひで、1942年12月15日 - 1990年6月17日)は、日本の歌手、作曲家、俳優。

ロザンナ『天国の夫へ 13年目のラブレター』を読んで、ロザンナからみたヒデという男のことがよくわかった。ロザンナのヒデ観は「夢があって、気風がよくて、情にもろくて、家庭的」だ。

1968年のヒデとロザンナのデビュー曲「愛の奇跡」のサビの部分に「アモーレ、アモーレ ミーオ」とロザンナに叫ばせたのはヒデの発案だった。この歌のサビはよく覚えている。

ヒデには作曲の才能もあった。小柳ルミ子「星の砂」(作詞は関口宏)「ないてないて まぶしい サンゴの島が にじんでおちて 星の砂」、森昌子「彼岸花」(作詞は阿久悠)「嫁入り話の 出る秋には 女は顔を 女は顏を そむけます」、などはヒデ作曲の作品だ。また俳優としての仕事も「必殺!仕事人シリーズ。映画「東京上空いらっしゃいませ」「光る女」などでも活躍していた。ヒデは多方面に才能があった。

この本ではヒデが8つ年下のロザンナに語った言葉が散りばめられている。「いいかロザンナ。人間、大事なのは夢を持つこと。しかも一つじゃだめなんだ。必ず二つ」「俺たち、上がっていくだけじゃないか。幸せなことだよ」「チャンスはその時を逃したた最後、二度とはやってこない」、、、、。

親友をガンで亡くし、ガン撲滅のためにチャリティのゴルフコンペを意欲的に続けていたヒデは、奇しくも結腸ガンで1990年に死去する。享年47。貯金もない、収入もない、保険の給付金もない。そして3人の子供たちが残った。ロザンナは、テレビ朝日「モーニングショー」のキャスターで芸能界に復帰し、子供たちを育て上げる。14歳だった長男は音楽家・画家の士門(しもん)。12歳だった次男はミュージシャンの来門(らいもん)。8歳だった長女はモデルの万梨音(まりおん)。

「ロザンナ。おまえひとりで子供たちを育てていかなくちゃならないかもしれないから、大人になれよ」は、ガン告知をせずに、知らなかったはずのヒデがロザンナに語った言葉だ。ヒデは知っていたのだ。二人の生涯はまさに「愛の奇跡」の物語だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?