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5月11日。三木たかし「さゆり、君の歌はウソをついてるよ。 理路整然とした うまい歌は感動しないんだよ」

三木 たかし(みき たかし、1945年1月12日 - 2009年5月11日) は、日本の作曲家。

最初は船村徹に弟子入りするが、「君は作曲家の方が向いているよ」と言われる。1967年、なかにし礼の薦めで「恋はハートで」で作曲家としてデビュー。翌年、実の妹である黛ジュンに「夕月」を提供して大ヒットとなる。これ以後売れっ子作曲家として活躍する。代表作には石川さゆり「津軽海峡冬景色」、わらべ「もしも明日が、、」、テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」などがある。

「自分は偉大なる素人で、好奇心を持って何か空から自分の体に降ってくるものを僕は書きたいと語っていた三木たかし。シングル総売上枚数は2000万枚、オリコンランキングにランクインした作品数は188作。2005年に紫綬褒章受章。日本作曲家協会理事長を務めた。

作詞家の阿久悠、なかにし礼と組んで多くのヒット曲を飛ばしている。作詞は阿久悠で作曲が三木たかし、という豪華コンビで作ってもらったのが、多摩大学を擁する田村学園の学園歌「この輝ける日々よ」だ。毎年大学や大学院の入学式や卒業式、中高校の卒業式などに参列するときに歌うが、その度に「いい歌だなあ」と感心する。

心に翼を見つけた日から 明日はまぶしい光にあふれ 翔び立つ夢を語るのも 彼方の世界を想うのも 今 あればこそ 今 生きてこそ この輝ける日々よ いつまでも 今 あればこそ 今 生きてこそ この輝ける日々よ いつまでも

瞳に希望を映した日から 時代は魅惑の友だちとなり 流れる風に急ぐのも 移ろう季節に迷うのも 青春 あればこそ 青春 生きてこそ この輝ける日々よ いつまでも 青春 あればこそ 青春 生きてこそ この輝ける日々よ いつまでも

ユーチューブで「三木たかし先生模範歌唱」で三木が歌う「別れの予感」を聴いてみた。そして「やわらかさをだすには、息をたっぷり吸ってたっぷりと吐き出していく。母音を強すぎず歌う」など非常に実践的な指導をしている。それをテレサ・テンが取り入れると、やさしさとかわいらしさがでる絶唱となり、感動的だ。

「さゆり、君の歌はウソをついてるよ。理路整然とした うまい歌は感動しないんだよ」の後には、「人の喜怒哀楽って、もっと呼吸が乱れたりとかもっと違うものがあるよ」と続いている。さゆり、とは石川さゆりである。第19回日本レコード大賞・中山晋平賞を受賞した「津軽海峡・冬景色」の歌唱指導の際に語った言葉だ。スナックでカラオケで歌って点数がでるのがはやりになっている。私も点数をあげとうとして何度も挑戦している。歌には感動しないが点数は高いというケースによく出くわすことがある。逆に本当にうまく感動させる人の歌には点数が辛くなる。機械の方がまだ未熟なのだ。三木たかしが石川さゆりを諭したように、楽譜に沿って正しくなぞるのではなく、人間の喜怒哀楽を表現するのが歌なのである。

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