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政府登録國際観光旅館 1週目⑴

10月17日から20日まで神戸三宮シアター・エートーにて上演します新作舞台「政府登録國際観光旅館」の舞台稽古、1週目が終わりました。

物語には3つの時代(1945年8月、1960年、2019年)が関わっていますが、主な舞台展開は1960年10月12日土曜日の出来事を見ていただきます。

この日の午後3時5分頃、東京・日比谷公会堂で浅沼稲次郎日本社会党委員長が17歳の右翼少年・山口二矢に聴衆の面前で刺殺されるという事件が起きました。

ある温泉地の「政府登録國際観光旅館 ホテル極楽園」に、小さな電気機器メーカー 「捨鉢電気工業株式会社」一行が慰安旅行に訪れるのが幕開きシーンです。

旅館の番頭(岩佐好益)、捨鉢社長(竹下ポップ)、古株の社員(村上泰児)、新入社員(岡野圭吾)がホテルにチェックインし、すでにまあまあ酔っ払った一行がハイテンションで「おけさ数え歌」を歌って浮かれるシーンから稽古を始めました。

「おけさ数え歌」は1960年発売の、小林旭とこまどり姉妹の歌で、当然、出演者誰も知りません。

聞いたこともない歌を歌って浮かれる芝居でいきなりつまづいております。

ちなみに一行は「浅沼稲次郎暗殺事件」のニュースを温泉に来るバスの中のラジオニュースで聞いたことになっています。

この頃発売された「缶ビール」は、缶切りで穴をあけて飲むものだったそうで、捨鉢社長は何本も買い込んだ缶ビールを次々と缶切りで開け、5分に一回トイレ休憩を取ったため、一行のホテル到着は大幅に遅れました。せっかくきめ細かく旅行の予定を組み、手製で旅のしおりまで用意した経理担当の女性社員(片山音嶺)はイライラしています。ちなみにこのイライラ気味の女性社員がのちに物語を大きく動かすことになります。

女性社員の注意も聞かず浮かれまくりの男性社員たちは、ホテルに着いた早々ロビーで歌って踊り出し、もはや収拾がつきません。

そこまでテンション高くなる浮かれ方を作るのはとても難しいことがわかりました。

1週目の稽古で、とにかくわからないことが多すぎると判明しました。

時代は、1945年8月の終戦から15年後です。
中卒で奉公に来ている仲居(占部叶乃香)以外は全員、戦前、戦中生まれです。

旅館に来た男客相手に野球拳を一回500円(現在ならだいたい2,000円)で持ちかけてくる温泉芸者(宇野結菜)。バカみたいに浮かれてる社長はホイホイと野球拳をしてお金をバンバン払います。
番頭はやたらと男性客に射的だの温泉ストリップだのを勧めてきます。客を遊興に連れ出して店からマージン取るのが番頭の狙いです。

一行の中で唯一、他の社員たちのノリについていけない新入社員。彼は京大卒なのになぜかこの名もない会社に就職しました。

青年は、ホテルのロビーに貼ってある広告ポスターに写った女優(伊勢美琴)に目を奪われ、一瞬で一目惚れ。

ポスターから突然浮き出てきた女優は、青年に「どうして私を見た?」と問いかけます。
あなたが素敵だったからと答えた青年に、女優はムチャな約束をするよう迫ります。

「朝まで愛しぬけ、わたしのこと」。

以下、次回。

「政府登録國際観光旅館」
ご予約は
https://stage.corich.jp/stage_main/82447

公演詳細&グッズ付き前売り券購入方法は
こちら

https://note.mu/hishida_company/n/nf350b0dd464f

【前売券 ご購入お申込み】
●hishidas/✉  
doragon_0526@yahoo.co.jp

➡お名前、ご住所、ご連絡先、公演日、枚数をお知らせくださいませ(個人情報は厳格に管理いたします)。追ってご入金、チケットお引替え方法を返信いたします。

#政府登録國際観光旅館
#神戸三宮
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