会食のアレンジについて

秘書の仕事の中で従事割合を多く占めるものの一つとして、「会食アレンジ」が挙げられます。

「会食」には、①先方にご招待頂く受け接待 ②当方主催の接待 ③懇親会に近い接待(この場合は費用が折半となる場合が多いです)の大きく3パターンに分けられますが、今回は①の受け接待について、説明したいと思います。

【受け接待】

まず、情報が入ってくる入口は、パターンが大きく分けて3つあります。それは、a.社内の営業担当者 b.先方秘書 c.お相手ご本人 です。

a.社内の営業担当者から連絡が入る場合

これは営業色が強い会食で、お互い社長以下、役員が数名ずつ参加することになるケースが多いです(まるで合コンのように、先方/当方の頭数はぴったり揃えます)。当方の営業担当者→私たち秘書に連絡が入るということは、先方・当方の営業担当者同士がしっかりと関係を作っておりアレンジルートが確保されていて、且つ、営業が背広幹事のような役割を担ってくれるので、秘書としては一番楽な会食アレンジなります。

営業から入ってくる会食は、毎年恒例で実施している会食と、今年から新たに設営されるものの2種類があります。毎年恒例のものは、大体幹事が先方・当方と輪番制で、場所もお決まりのお店が決まっていることが多いのでスムーズに進みます。

一方で、今年から新たに設営されるものについては、会食をお受けすることでどの程度関係強化に繋がるか・他のお客様との優先順位・役員はどのレベルの役職まで出陣すべきか(大体先方のトップと当方のトップの役職は揃えます)・そのお客様の同業他社と比べて接待回数がtoo muchになっていないか・今まで会食が設営されていなかったのに何故今年から新たに開催することになったのか、その経緯や背景・先方の直近の業績や出席者の略歴、トピックス、、、等々の情報を秘書が収集し、一次判断を下した後に、要すれば役員に判断を仰ぎます。

社長・会長はだいたい週に3~4回は会食が予定されており、且つ1年先まで日中も夜も予定がほぼ決まっているので、突発的なお誘いについてはお受け出来ないことが多いのですが(先方も同じ状態なので突然お誘いを頂くことはほぼ無く、逆に失礼にあたります)、その時の社の状況に応じて先約を調整することや、代理の人をお送りすることはあります。

b.先方秘書から連絡が入る場合

これは営業を通さず、秘書to秘書でお誘いの連絡が入るケースを指します。この手の会食は会社としてというより、個人がピンポイントでお誘いを頂いている為、お願いごとや頼まれごとをもらってくることが多いです。先日も、私が担当している社長宛に突然他社の社長から会食のお誘いがあったのですが、なかなかスケジュールが合わずランチ接待のアレンジに変更させていただきました。結果、その会食では社外団体の次期評議員長と、社外役員を頼まれていました。二つ返事で回答は出来かねるので社長は一旦そのお話を持ち帰り、帰社後すぐに秘書にフィードバック→秘書から然るべき社内担当者へ話を繋ぎ、是非を話し合い、結果お受けすることになりました。

c.お相手ご本人から連絡が入る場合

これが一番厄介です(汗)突然会社の大代表電話から秘書室に電話が転送され、受けたところ名字しか名乗らない、、、このおじいちゃん誰!!と思いながら、必死に頭の中の記憶をフル回転します。このケースはだいたい、昔の学生時代の繋がりであったり、何かの記事を読んで感銘を受けたので会いたいというオファーだったり、海外赴任の際に一緒だったり、、、様々です。このパターンは相手の確認が取りづらく、例えば万が一相手が嘘をついていた場合その会食で社長を身の危険にさらしてしまう為、相当に慎重な判断が必要となります。あらゆる手段を尽くして裏を取りますが、どうしても信用出来ない場合や目的が不明の場合は、一度日中の面談をオファーし、会社にいらしていただいて様子を見ます(その場合は男性秘書も同席し、SPの役目も担ってもらいます)。「スケジュール管理」「会食アレンジ」と言っても、実は「危機管理」「健康管理」の要素もその中に含まれているのです。

社長の時間を有効に使い、最大限有益な効果を得る為に、秘書は裏でこんなことをしております。この情報収集や社内外とのやりとりは、きっと、どの会社でも同じように発生しているのではないかと思っています。会食については奥が深いので、また改めて触れる機会を設けます。

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