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傑作とされるノベルゲームのデータ分析~客観的評価に主観も交えて~

私は、私の心を揺さぶる作品を求めてノベルゲームをやっています。
そのため、世間的に高く評価されている作品を読むことが多いです。

しかしながら、高く評価されている作品をやってみても、私としてはそうでもなかったなぁ、過大評価じゃね(笑)とか思ってしまうことがよくあるわけです。誰にでもあるよね?ね?
それはもちろん、ただ単に私の好みではなかっただけかもしれない。
一人ひとり感じ方は違いますから当然です。
でも、それだけではないかもしれない。
この感覚は、意外と間違っていないのかも。


……私は自分の感覚と世間(多数)の感覚がどう違うのか気になってきました。
じゃあ調べてみるか!


ということで、普段からやる作品の選定時に参考にしているエロゲー批評空間のデータを私なりの視点から分析・解析することで、全体として、また各作品の評価にはどんな傾向があるのかを客観的に見てみます!
そして私の感想や経験を含めた主観要素も交えていろいろと考えてみたいなと思います。

これは軽い気持ちでデータ分析的なことを雑にやってみただけの(といっても大したことは全くしていない)エンタメ記事なので、ふーん、へー、そういう考え方もあるかもねと、草むらでくんくん匂いを嗅いでる子犬を見るときのような優しい気持ちを持って読んでください。
ほんと結構適当ですので、マジレスはやめてくださいおねがいします(笑)
感想や意見は嬉しいので遠慮なくください!この記事に限らずですがね!!



それでは。



ErogameScape -エロゲー批評空間-様の統計表にて、
・ゲーム性が低く、読むことを主体としたノベルゲームに分類されるであろう作品
・平均値85以上かつ中央値87以上
・シリーズものやリメイク等は平均値のより高い作品を代表とする
・2000年以降に発売され、データ数が500以上

という基準を全て満たすもの(これをここでは傑作とする)を抜き出し、平均値の高い順で表にまとめてみました。
そして、100点、90点以上(100点含む)、80点未満の全データ数に対する割合とその平均を求めました。
結果(該当するのは全25作品)がこちらです↓クリックorタップで拡大して見れるよ!

90点以上は平均より高いものに、80点未満は平均より低いものに色をつけた
(全て2024年3月27日時点のデータです)


平均が50ということは、プレイした2人に1人が高評価(90点以上)にしてる作品だということを意味しています。
これらは現時点で世間的に特に高く評価されている、傑作といっても過言ではないノベルゲーム作品Top25✨
どれもあなたにとっての魂の作品になるポテンシャルを持った作品です!


個人的に気になった部分を補足したり、少し考えたことを述べていきます。



100点について

100点ってそう気軽につけられる点ではないです。
(ちなみに私はまだ100点をつけたことがない。)
今後それを超える作品に出逢えるかもしれないのに。
それでも100点をつけるっていうのは、そもそも甘く採点をしている(そして後で点数を変えていくスタイル)か、その人にとってよっぽどその作品に心を揺さぶられた、これ以上はありえない、最高の出逢いであると断言できるほどに優れた作品であると認めたということだと思います。

平均(約12%)よりもかなり離れている作品をいくつか挙げると、高い順でこのようになります。
・WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION(31%)
・マブラヴ オルタネイティヴ(18%)
・サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-(18%)
・CLANNAD(16%)
・天ノ少女《PREMIUM EDITION》(15%)
・さくら、もゆ。 -as the Night's, Reincarnation-(15%)

うん。めっちゃわかるなぁ……。
良くも悪くも心をえぐってくる作品群です。
好き嫌いを考慮しなければ、いや、好き嫌いがどうとかっていう議論が起こるくらい、いろんな意味で破壊力のあるシナリオが特徴。
納得できる人も多いでしょう。
プレイした5人~7人に1人が100点をつけているということですからね。
世間で呼ばれる傑作、いやそれよりも上の神ゲーというものがあるのならば、これらこそがその呼び名に最もふさわしいといえるのではないでしょうか。

WHITE ALBUM2の値が異常なほど高いところにはいろいろとツッコミを入れたいですが、やめておきます。(笑)
ちなみにclosing chapterだけだと(31%→)22%になります。この方がより正確かも。

私の最推し、さくらもゆに関しては結果の表を見てのとおり、80点未満(をここでは低評価としています)の割合も25作品中で3番目に高い。人を選ぶ作品なのは間違いない(詳しくは私の記事←を読んでね笑)ですが、ぜひみなさんにもやっていただきたい。刺さる人には深く突き刺さること間違いなし。これは、あなたの人生のための~(以下略)



90点以上について

私のプレイ経験上にはなりますが、平均より下(橙色がついていない)の作品の多くは世間的にも過大評価されてるかなという気がしていたので納得です。えぇ、あくまで私の意見ですが(強調)。

高評価率(90点以上の割合)が低い順にこうなります。
・さくらの雲*スカアレットの恋(37%)
・穢翼のユースティア(41%)
・ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-(42%)
・Phantom ~Phantom of inferno~(43%)
・車輪の国、向日葵の少女(46%)


どれもとても面白いです。
本当に。
それは大前提として、でも高評価率の高い作品たちと一緒に並べて同じように語れるほどかというと、それは……う~ん。
私には難しいですね。

……それぞれに違う良さがありますし、こんな比較は無意味だという意見もあるのはもちろん承知の上でやってますからね?(笑)

表を見て、これって知名度のわりに実は評価が(この中では比較的)低い作品なんだなぁなどと思った人も多いのではないでしょうか。
どの界隈でもですが知名度の高さと作品の面白さ・良さは比例しませんよね。その傾向はあれど。


私の感覚と照らし合わせると、平均値や中央値より、100点の割合や90点以上の割合の方がより正確で信頼できそうだなぁと思ったのでした。
(作品の面白さ、良さの客観的な目安として)

追記
今回は2000年以降発売の作品を対象としていますが、2000年以前も含めると、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』も表に入ってきます。
ちなみに100点は19%、高評価率(90点以上)は67%です。
WHITE ALBUM2の次に高いことになります(笑)



80点未満について

低評価率が低い(緑色をつけている)のはどれも平均値や中央値が特に高い作品です。
これらの作品をプレイして、評価のため点を決める時に、あまりにも高くなってる平均値や中央値を先に見てしまうことでバイアスがかかってしまい、点数を低くする人が少なくなってしまうからなんじゃないかな~と思いました。
(まぁこれは高得点をつける時でも同じようなことが言えますが)
だからこれだけを見てどうこうはあんまり言えないですね。わからない。なんにも。


高評価率はそれなりで、低評価率が低い3作品
・Summer Pockets REFLECTION BLUE
・白昼夢の青写真
・抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 2
に関しては、文章が読みやすい、物語がシンプルでわかりやすい、理解しやすいという印象が私にはありますね。
(あと音楽が良い。人気。この下にある表を参考に。)
そのため非常にウケがよい作品といえるでしょう。

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次に、別の視点から見てみます。

作品ごとのプレイ時間中央値、作品の傾向、歌曲のデータ数(つまり投票数)の平均、歌曲数(※正確ではないです)、そして2023年のmokumokuさんによる集計、みんなのギャルゲ/エロゲ音楽R TOP300で100位以内にランクインした歌曲の順位を表にまとめました。

データ数が少なめなので参考程度に。

プレイ時間中央値と作品の傾向

これには大きな差がありました。
特に高く評価される作品は、決まって”長い”。
がちの傑作、神ゲーにしようとすると40時間程度は必要ってことですよ(謎のノベルゲーム制作側目線)。
一般的な名作、傑作にするためには基本的に30時間はあったほうがよい。
それくらいの長さがないと描けない、表現できないもの(それは多くの場合大きな感動)があるわけです。

感動っていうのは心を動かすということです。
家族愛や鬱(これはある意味負の感情に全振り)っぽい要素を効果的にシナリオに取り入れることが重要になってくるのかもしれませんね(謎のノベルゲーム制作側目線その2)。

高評価率(90点以上)が低く、低評価率(80点未満)が高い作品の傾向に多く見られるのが”初心者向け”。
”初心者向け”ってなんだろうと考えたときに、プレイ時間が短い(30時間以内)ことやストーリーが1本道であること、キャラゲー要素も比較的大きいことなどが挙げられます。
シナリオゲー好き人口よりキャラゲー好き人口の方が圧倒的に多いのがノベルゲーム界だと思ってるので、(場合によってはシナリオの流れを無視して)キャラの魅力もしっかり描いた、キャラゲー好きの人にとって手を出しやすい作品の方が好かれるのだと思います。

他にはなにがあるかなぁ?
思いつくものがあれば教えてください。


歌曲について

歌曲はとても大事だと考えています。
プレイ中のモチベ、物語の盛り上げ、感情の揺さぶりに大きく貢献し、読後感などにもろに影響を与えます。

表を見てわかるとおり、OP曲、ED曲、挿入歌の3曲は最低限必要であり、2nd(グランド)OP曲、2nd(グランド)ED曲を加えて全部で5~7曲あるのが理想です。私の(笑)

曲の好みは個人差が大きいとはいえ、とにかくどの曲も質が良いものであることを前提とし、曲数が多いほど評価は上がりやすいのかなと思いました。

なぜなら曲数の多さはその作品制作への熱量の高さに比例し、熱量の高さが結果として全体のクオリティの高さに直結しているような気がするからです。



その他に気づいたこと・思ったこと


シリーズ(続編やリメイクも含む)ものや、固定ファンが多くついているブランドは評価がより高くなりやすいという傾向はありそうです。

また、総データ数がまだ500~800の作品はこの先評価が良くも悪くも変わっていく可能性がありますが、それら以外(特に総データ数1000以上)の作品はもうほとんど変わらないだろうなぁと思っています。


終わりに

どうでしたか?

俺の好きな作品の評価、結構低くね?!ありえん!?と思ったそこのあなた。私も同じ気持ちです。
ただ、これが今の世間との感じ方の違い、客観的な評価と主観的な評価の差なんですよ。きっと。(適当)

ふ~ん。なるほどね。へぇ。面白いなぁ。
そう思ってくれてたら嬉しいです。

私から最後に言いたいことは、さくらもゆは良いぞ!どれも面白いからやろうぜ!!ということと、今回傑作として表になかった作品でもあなたに刺さる作品は必ずあるので興味を持った作品はなんでもどんどんやろうぜ!ってことです。

素晴らしい作品の誕生と出逢いに感謝を!

以上!!!!!

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