見出し画像

プレイングマネージャーから監督へ ~かの蒼空へ~

1、沈黙の3週間

全国公開の地域おこし協力隊の映画を制作するため、500万円の資金を調達するクラウドファンディングに挑み、見事に達成された山下大裕さん、通称ヤマダイ監督さん

約3週間ほどSNS投稿を空けていたとのことです↓。

何があったのでしょうか? 詳細はこの記事に書いてあります↓。

今回の記事は、このヤマダイ監督さんの話から、色々と考えていきます。

2、緊張と弛緩

ヤマダイ監督さんは、この記事の中で、約3週間ほどSNSへの投稿が空いた理由を、このように書いていました(太字引用者)↓。

クラウドファンディング終了後の私は、達成感よりも何とかスタートラインに立つことができたという気持ちの方が大きく「ああ、やっと映画が撮れる…」と心の中で繰り返し呟いていました。
止まってくれない時間の中で息切れしながら毎日お金と向き合う52日間は本当にきついものがあり日本一周後のそれとはまた違った形で精神を消耗することになりました。そもそも無茶なことをやろうとしている身なので自分自身にある程度の負荷がかかることは承知の上で挑んでいますが、実際困難が目の前に立ちはだかるとやっぱり応える部分はありました。それでもいつか笑って振り返られる日が来るはずだと思いながら自分を奮い立たせ、周りの方からのエールを力に何とか乗り切ることができました。
その反動もあってかクラウドファンディング達成後は穴の開いた風船のように自分の中からシューっと空気が漏れていき、外に向けて発信する気力を失ってしまいました。意識的にSNSから離れたというよりも結果的にそうなってしまったというのが実状です。3週間も更新が滞ったことはSNSを初めて以来一度もなかったので正直自分でも驚いています。

想像してみてください。

オールオアナッシングのクラファン。500万円集まれば達成、しかし集まらなければゼロ。1円でも上回るか上回らないかで、その運命は違ったものになります。緊張の連続。調達額とのにらめっこ。営業活動。神経衰弱。

期間の半ばでは停滞することもある。心無い声を浴びせられることもある。もう駄目なんじゃないかと落ち込まれることもあったのではないか、と推察します。この日々がどれだけ精神を消耗させるか…。そしてそれをストレートに外部に表現してしまうと、資金の動きへの悪影響もあるでしょうから、心の奥底がどうあれ、強気に自分を奮い立たせて最後まで走り抜くことが求められる。これがどれだけきついか…。

その反動もあってかクラウドファンディング達成後は穴の開いた風船のように自分の中からシューっと空気が漏れていき、外に向けて発信する気力を失ってしまいました。

これはもう、心を持つ人間なのですから、必要不可欠な心の動き、防衛本能が働いたのではないか、と思います。

ヤマダイ監督さんは、この3週間を振り返って、このように書きます(太字引用者)↓。

刻一刻と2020年が迫る中でのこの3週間は一見すると無駄だったように思われるかもしれませんが、私にとってはきっと必要な時間だったのではないかと感じています。この間、映画に盛り込みたいいくつものアイデアが舞い降りてきました。
クラウドファンディング期間中は目の前のことに精一杯でこれから作る映画作品としっかり落ち着いて向き合う余裕がなく停滞していましたが今は明らかに流れが変わってきています。映画の命とも言える脚本がまもなく仕上がろうとしています。

「必要な時間」。筋トレと同じで、緊張のあとには、弛緩が必要です。

弛緩というと語弊があるかもしれませんが、筋肉の超回復の原理と同じで、心理的にも緊張のあとには弛緩して、超回復する期間が必要です。資金調達期間にはしっかり向き合えなかった作品に対して、しっかりと向き合う時間。脚本を作り上げる時間。その意味では、資金調達ゾーンではなく、脚本制作ゾーンに対しては、緊張されていたと思います。この3週間は決して空白ではなく、むしろ必要不可欠な時間ではなかったかと思います。

私は、久しぶりにヤマダイ監督のツイートに接して、このように引用リツイートしました↓。

この気持ちを深掘りするべく、このnote記事を書いています。

風船が再び空を飛ぶため、穴を見つけ空気を入れる3週間。

3、プレイングマネージャーの試練

もし、世界的な有名な映画監督であったなら、その協力者は無数に湧いて出るでしょう。スポンサーはすぐにつく。スタッフは集まる。監督は映画を作る事だけに集中し、営業活動は営業のプロ、広告活動は広告のプロに任せられる。全盛期のスタジオジブリで言えば、宮崎駿監督は映画製作に力を注ぎ、鈴木敏夫プロデューサーが他の部分を統括する。

ヤマダイ監督さんは、これからの監督です。

もちろん協力者の方はたくさんいらっしゃるでしょうが、最終的には自分ですべてを統括する、しなくてはいけない。いわゆるプレイングマネージャーである部分がたくさんあるように思います。

私は、このような記事を以前に書きました↓。

このプレイングマネージャーについては、他の方も多数書いています。

田辺輝恭さんの記事を紹介・引用します↓。

プレイングマネージャーが時間を作るには「時間で区切るしかない」と田辺さんは主張されています↓。

なので、今すぐプレイヤー業務を減らしてマネージャー業務を増やすためには、時間で区切るしかないんですね。
例えば、18時以降は絶対プレイヤー業務をやらないとか、9〜11時まではマネージャー業務に固定とか、他にも1週間のスケジュールをあらかじめ組んで、各曜日毎のマネージャー業務時間をあらかじめ部下に伝えておくというのもいいでしょう。
このようにやり方はいっぱいあるんですが、とにかく大切なのはプレイヤー業務請負とマネージャー業務を時間で区切るということです。

そこで大事なのは、「自分自身との約束を守る」ことだとも↓。

ですが不思議なことに、自分との約束事となると人はアッサリと裏切ることができます。「まあ、困るのは自分だけだし」って感じで。
なんですが自分との約束も、れっきとした約束です。なので、納期を守るのと同じように何が何でもまもる意思をもたないといけません。それに、マネージャー業務でおこなう仕事は会社に大きく関係するものばかりです。
たしかに、触接的そして即時的に影響を受けるか?というと、そんなことはありません。ですがこの変動の激しい世の中だと、長期で見るとマネージャー業務をおろそかにしてしまった方が、圧倒的にダメージは大きいです。
自分自身との約束を守る。マネージャー業務を優先する。

ヤマダイ監督さんは、自分自身との約束を守ることに関しては、定評のある方です。なぜなら「2020年までに全国公開の映画を作る」という自分自身との約束を果たすべく、ずっと行動されてきたのですから。

しかし、実際の映画作製へと突き進むこれからのステージでは、プレイングマネージャーとして自分自身中心に動くステージから、徐々に、権限委譲してチームをマネジメント、統括していくステージへと動いていくことと思います。

織田信長が、自分自身が先頭に立って動いた「桶狭間の戦い」から、天下布武への過程で、柴田勝家や明智光秀、秀吉たちなどの各地方方面の司令官へと権限移譲していったように…。

4、Team2020と権限移譲

ただ、ヤマダイ監督さんはここまでの映画作製のご経験から、そのようなことはとっくに認識済みかと思います。

事実、これからの広報担当に関しては「稲盛くん」さんが更新するFacebookへと一本化する旨、記事に書いてありました(太字引用者)↓。

私個人のFacebook,Twitter,Instagram等は順次再開していきますがこちらでは個人的な発信のみとし、映画プロジェクトの公式情報や制作の進捗状況などは基本的にTeam2020広報担当の稲森くんが更新している「映画監督山下大裕の2020年全国公開への道」Facebookページに一本化させていただきます。
また2019年7月より発信を控えてきたTV・新聞・ラジオ等のメディア情報やその他のコアな情報など映画プロジェクトを制作段階からより一層お楽しみいただけるコンテンツにつきましては2020映画プロジェクトの公式ホームページのみでの発信とさせていただきます。映画に関する全ての情報を得たいという方はFacebookページと公式ホームページを追っていただければ幸いです。

Facebookページはこちらから↓。

公式ホームページはこちらから↓。

映画は1人では作れません。

チームを作り、任せるべきところは任せ、責任は自分がとり、いま自分がすべきことに注力する。それが名監督への道だとすれば、ヤマダイ監督さんは着実に一歩ずつその歩みを進めています。

そのために必要な、この3週間ではなかったかと思います。

変わらず応援します。

5、そういう自分も一歩ずつ

いかがでしたでしょうか? 今回はヤマダイ監督さんの現在の歩みについて紹介し、プレイングマネージャーから監督への動きを考察しました。

このように偉そうに色々と書いてしまった実用地歴提案会ヒストジオも、現在では完全に一人親方の「プレイングマネージャー」なのですが、ゲームテスターさんたちのご協力もいただきながら、茨城県市町村擬人化×ゲームブックの「イバーランドの県道」note記事公開までたどりつきました。この過程で、協力者さんのありがたさが、本当に身に沁みました↓。

タイトルの「プレイングマネージャーから監督へ」は、私というプレイングマネージャーからヤマダイ監督さんへメッセージ、という意味と、プレイングマネージャーから監督へ変わらないと大きい仕事はできない、という自戒を含めた提案を重ねています。

全国各地で頑張っているフリーランスの皆様、1人で全部しょいこみ、頑張らなければならないと思い込んでいる皆様へ。

プレイングマネージャーには限界があります。その限界を見据えて、協力者を集め、チームを組んで「監督」へとなる必要が、どこかの時点で必ず訪れるように思います。そうしないと、かの蒼空へと高く飛ぶことはできません。

最後に、詩人、石川啄木の『飛行機』という詩を貼り付けます。heinrichさんのブログ記事の引用です↓。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!