天守のジョウソウ_完成イラスト

1、自立

5回目。世代考察、25歳から30歳までの6年です。

前回の19歳~24歳までの世代の記事は、こちらから↓。

早速キーワードを出します。「自立」。自分で立つ。

…成人しているから自立しているのは当たり前でじゃないですかと、きっぱり言い切れる人は強い。正直、ここまでの世代は自立していると言っても「なんちゃって自立」のケースの方が多いと思うんです。空想で空を飛んでいる。理想を追ってイカロスのように太陽に向かって飛んでいる。もちろんそれでそのまま太陽に到着してしまうレアケースもありますが、多数の人はろうの羽根が溶けていったんは地に落ちてしまう↓。

いま、私の脳内には「勇気一つを共にして」の歌のメロディが流れています。四番まであるんですよね。四番の歌詞を引用します↓。

だけどぼくらはイカロスの
鉄の勇気をうけついで
明日(あした)へ向かい飛びたった
ぼくらは強く生きて行く
勇気一つを友にして

いったん地に落ちた人は強い。それを受け継いで強く生きていく。自分の足で立って、今度は「計画的に」飛び立つ。自立とはそのイメージです。

タイトルについてはこちらを。「けいこうぎゅうご」と読みます。牛のバックよりも、鶏のトップのほうがいい↓。

2、転職と結婚と出産と

具体的にテーマを挙げましょう。

25歳ともなれば、それなりに「仕事」の経験も積んでいる人が多い。19歳で就職したのなら社会人7年目。23歳で就職したのなら社会人3年目。大学院修士課程に行って就職しても社会人。就職できなかった、バイト生活だ、といっても、同世代の人から話を漏れ聞くことができる。

そのような中で、「転職」を考える人も多いのです。

えっ、いったん新卒で苦労して就職したんだから、ずっと勤めますよね?と思われた方は強い人です。もしくは就職前にしっかり思い悩んで、試行錯誤の末に職を決めた方です。多数の人は、「俺がやりたかったのは本当にこれなのか?」「もっと他に自分を活かせるところがあるんでは?」と思い悩むと思います。で、実際、飛び立つ人も多い↓。

これは、ミスマッチングと言うよりも、「3年で自分が成長して認識が変わった」と言った方がいいと思うんです。1年目は暗中模索、2年目は試行錯誤、それで3年目は自分が納得するまでやって、納得したら転職、納得しなくても転職、に向かう人も多い。

そこにからんでくるケースが多いのが「結婚」「出産」です。

いまや「死語」と言ってもいいかもしれない「クリスマスケーキ」理論をご存知でしょうか?

25歳=12月25日になぞらえて、26歳以上だとクリスマスケーキ=結婚相手としての価格が安くなるという説。でもいまは、むしろ26歳で結婚でも早いというイメージがあります。そこで「年越しそば」理論。つまり31歳。最近では「おせち」理論、つまり正月の3が日、32歳・33歳・34歳まで延長した理論もあるそうです。とはいえ、最近では40歳超えての初婚も珍しくはありませんので、結婚観は時代によって変化するというところです。

ただし。

ここで考える。上の世代の方はどうなのか? ここでは、いわゆる「団塊の世代」あたり、2019年現在40歳くらいの方の親世代の皆さん、を想定します。高度経済成長を経験し、終身雇用で、20歳代で結婚をし、子どもを産み育て、核家族化と専業主婦とワンオペ育児というワンセットを疑わなかったあのあたり、SNSで育児の愚痴を言ったりママ友を探したりできなかったあのあたりです。その方たちは、自分の経験を踏まえて、なかなか結婚しない自分の子どもを見てどう思うでしょうか?

「相手も必要だし、時代もあるしね…。あんまり言い過ぎると反発するのはわかっているわ。でも、結婚はいいものよ(ドヤ顔)

いわゆる親からの「結婚プレッシャー」です。

婚活業者さんたちも、最近では子どもだけでなく親向けにアタックすることも多いらしいですからね。でもそれを受ける子どもたちは、結婚適齢期がのびにのびている状況。赤信号もみんなで渡れば怖くない。というかむしろ、結婚や出産や育児の大変さがSNSなどで知れ渡っているので、結婚自体が赤信号じゃない?と開き直り生きていくケースも多い。

女性ですと、ここに「出産プレッシャー」が加わるのでは。「卵子の老化」についての知識が広まっている現在では、20歳代のうちに出産を、と考える人も増えています。しかし実際に出産しない男性には、まだそこまで浸透していないように思えます。ましてや、転職などで仕事が不安定ならば…。

早めに結婚や出産をする同期を見て、自分はどうなんだろう、どうするんだろう。そもそも相手はいるのか? 見つけられるのか? そもそも見つけるべきなのか? そういうことを考えざるを得ない世代かなと思います。

3、働くあすなろマン

いかがでしたでしょうか? 

仕事と結婚について、参考になりそうな漫画を2つ挙げて締めにします。

安野モヨコさんの『働きマン』です。

ちなみに私が一番好きなシーンは、修羅場でバッくれた契約社員が、罪悪感で会社に戻ってきて、「手伝いますか」と言ったときに、主人公が尋常ならざる鬼の形相で追いかけるシーンです。

「手伝う」じゃねーよ!!  てめーの仕事だよ ↓

何度読んでも刺さります。私だけじゃないですよ。吉木りささんも、このシーンが心に刺さったそうです。働く男性女性、結婚について考えるすべての男性女性に、ぜひ読んでいただきたい漫画です。

もう一つはこちら↓。

柴門ふみさんの『あすなろ白書』です。これの「社会人編」のほう。

私の中では、社会人編のほうが面白いです。その前の学生編はキラキラしすぎてるんですよね…(取手とか)。

社会人編は、秋庭社長のキャラ設定のラスボス感が凄すぎる。ハグのシーンとか鳥肌立ちました(大人かよ!)。園田もちゃんと仕事はしているんですが、テーマが結婚とか不倫とか出産とかなので、掛井の青臭さも手伝って、秋庭社長が際立っているように思います。そこから逆説で、25~30歳あたりの心理が(多少、時代が昔ですが)読み取れる名作です。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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