見出し画像

黒翡翠

みたび、パワーストーンネタを。
わたし、黒翡翠という石のブレスレットを持っています。

翡翠って、ちょっと畏れ多いというか、なんだか近寄り難いイメージがありました。

祭祀や呪(まじな)いに用いられていたとか、やんごとなき権力者や王侯貴族の棺桶に収められていたとか、勾玉みたいなかたちに研磨されてお守りとして使われていたとか、いろんな話を聞きます。

昔、メキシコ・ユカタン半島のチチェンイッツァ訪れた際、埋葬品の一つとして作られたという翡翠製の緑のマスクが展示されていたのを見たことがあります。マヤ文明では、宝石こそが天国へのパスポート。死者の口元に小さな翡翠の玉を置き、亡き人の幸福、再生、復活を祈ったといいます。

そういうこまごまとした記憶の堆積がパッチワークとなって、なんとなく怖いという印象が刷り込まれていったのかもしれません。わりかしスピリチュアル臭が強めで、それなりの覚悟や構えがないと手にしちゃいけない気がしてたんです。

ちなみに中国では、翡翠は「五徳の石」とされているそうで。五徳とは人々を束ね導く王が携えておくべき人徳。仁、義、礼、智、信ですね。人間性を高いレベルに引き上げ、持ち主に魔を退ける力や威厳を与えてくれるのだそうです。

で、わたしがブレスレットとして愛用している黒翡翠は、この破邪のパワーがかなり強めらしく。黒い石は、総じて魔除けや邪気払いの性質を持つものが多いのですが、なんとなく体感的には以下のような違いがあると感じます。

【モリオン(黒水晶)】
ONE PIECEのバルトロメオ並に頑強なザ・キング・オブ・バリア。負のエネルギーに侵されそうになっても、本人が気づかないうちに跳ね返してしまうほど強力だといわれます。また、浄化や鎮静にも優れているそうで。個人的には、そういう鎮めるパワーが凄いゆえ、よい気も悪い気も中和し、せっかく湧いてきたワクワクも失せてしまう気がしてまして。お外に出かけなければクルマに轢かれる心配はありませんし、冒険をしなければ怪我をしませんよね。たぶんそういう「君子、危うきに近寄らず」的な作用が強く現れ、魔や不運を寄せ付けないことにつながっているのでしょう。

【オニキス(黒瑪瑙)】
これも強力な魔除けの効果で知られる漆黒の石。透明感はまったくなく真っ黒クロスケ。その分、邪気を打ち消すパワーは強いんでしょうが、大盾や鉄鎧で反射するというより、持ち主にバフをかけて守ったり、受け流したりするイメージが近いんじゃないかと思います。いろんな人の話を聞くと、邪を跳ね返すんじゃなく石がじんわり絡め取る感じ? 着弾到達点をわずかにズラし、致命的な直撃被弾を回避するみたいな? 心の軸をどっしりと作り、自らの内に芽吹く邪念、外からの誘惑を跳ね除けるという内面的サポートも期待できそうです。

【オブシディアン(黒曜石)】
黒曜石は、古くはヤジリに加工され武器として使われていました。パキッと割れた鋭利な断面を見ると、まさに天然の硬化ガラス。生半な邪気ならパキッと鏡のように跳ね返してしまうでしょう。それだけにやや攻撃的といえます。防御が得意な黒石なのに攻撃的なんです。着けていると弱気な心を戒めてくれるんですが、結構イライラが募って感情が露わになりがち。議論相手をとことん追い詰めがち。全方位喧嘩外交で孤立してしまいがち。かつては呪術にも用いられていたというので、魔除けと同時に悪縁をバッサリと断つパワーが強いんでしょうね。わたしは強い力に取り込まれてしまいそうで、ちょっと苦手です。

して、肝心の黒翡翠。洋名ではブラックジェダイドと呼ばれますが。。
前述した人徳を高める効果とは別に、邪気を祓い、悪縁を切るそうです。一説には、持ち主に敵対感情を持っていたり、苦しめようとしたりする者を、絶望の淵に追いやり、奈落の底に突き落とすほどの強さがあるんだとか。どこかのブログか何かで読んだことがありますが、オニキスと違って、飛んできた邪気を叩き落とし、邪気を放ってきたところにまで斬撃を飛ばす(ゾロか!)みたいな。嗚呼、恐ろしや。。

でも、実際に着けてみた限りでは、オブシディアンほど「取扱注意な危険物」とは感じず、モリオンの「チャンスまでをも跳ね返してないか?」感にグルグルさせられることもなく、オニキス以上に「守られてますオーラ」を纏っているような気になります(個人的感想)。背筋がシャンとするばかりでなく、明るさもほどよく含んでて、背中をあずけていられる安心感があります。

ただ、パワーストーンって、わたしは人に都合よく摩訶不可思議な力を授けるんではなく、その人自身のポテンシャルを引き出すトランジスタやエフェクターのようなものだと思っています。主体はあくまで使う人。その人を積極性や自己浄化力、回復力を引き出し増幅させるとでもいいましょうか。

石なんて、ただの自己暗示じゃんと身も蓋もない言い方をされる方がいます。持ち主の精気をたっぷりと奪い、働かせるだけ働かせて、その結果、利益や幸運が舞い込んだように見えるだけなんて、コワーイ言い方をされる方もいます。石に対する考え方は人それぞれで別にいいんですが、わたしは、あと一息の頑張りや、最後の踏ん張りを後押ししてくれるお助けアイテムとして信頼しています。

とはいえ、持ち主の気を喰らって頑張らせるという説にはちょいと頷かざるを得ない心当たりがあったりもします。強い石といわれるほどその傾向が顕著で、強い石ほど着けていると疲れます。よってウチの黒翡翠は、ここ数日、ヒマラヤ水晶のさざれを敷き詰めた小瓶の中で眠ってもらっています。気合いを入れなきゃならん大事な場面が出番の時。傍らで見守ってもらう最強のタリスマンです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?