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漂着怪獣 ウツローブ(神栖市)


漂着怪獣 ヒョウチャクカイジュウ ウツローブ
身長:55メートル
体重:1万8030トン
生息地:神栖市波崎・舎利浜海岸
必殺技:繭玉モーニングスター
弱点:うつになりがち

かつては美しい砂浜が広がっていた、神栖市の旧波崎町舎利浜海岸。開発によって防波堤とコンビナートで大部分が固められ、もはや昔の面影もないその海岸に、謎の巨大物体が漂着した。それは約200年前に同じく舎利浜海岸に漂着した”虚舟”うつろぶねにそっくりだと話題になり、各界の著名人が集まり調査団が結成された。200年前の虚舟事件を長年調べていたUFOジャーナリスト舟井虚郎は、舎利浜海岸で出会った謎の少女から警告を受ける。
「この浜もすっかり変わってしまった。人間が欲に取り憑かれ、自然への敬意を忘れてしまったから…このまま人間が身勝手に自然を壊し続けるなら、どうなるかわからないわ」
不思議な事に少女の姿は、舟井にしか見えないらしい。ただならぬ気配を感じた舟井は少女の警告を調査団に伝えるが聞き入れられず、調査団が物体に放射線を浴びせたところ、頭と足が生え巨大化、怪獣となって暴れ始めた。自然の怒りを代弁するがごとく工業地帯で破壊の限りを尽くす怪獣であったが、この地に伝わる虚舟と金色姫の伝説からヒントを得た舟井の呼びかけによって人々が蚕霊神社に祈りを捧げた事で、怪獣は怒りを沈め海を渡り異次元へと帰っていった。
結局少女の正体は謎のままであった。舟井は釈然としない気分のまま再び訪れた舎利浜海岸で、海に向かって花を手向ける一人の女性に出会う。
「ずっと昔、娘がここで亡くなったんです。この浜が開発で変わっていくのを悲しんでいました。本当にこの浜が大好きな子でした」
そう言って女性が見せた写真に写っていたのは、あの謎の少女だった。


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