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未発売映画劇場「夜空の大空港」

「夜空の大空港」(原題THE DOOMSDAY FLIGHT)は、1966年に作られた、TVムービー初期の傑作のひとつ。数ある航空パニックものの中でも、最初期のものだろう。

一人の男が旅客機に爆弾を仕掛ける。爆弾には高度計が仕込まれており、いったん上昇した機が、ふたたび高度を一定高度以下に下げると(5000フィートだったかな)爆発する仕掛け。飛び立った機は、着陸することができなくなったのだ。爆弾の存在に気づいた乗員と地上の人々の必死の戦いが展開する。

あれ、どっかで聞いたことがあるような話だなと思った人は、正解。

その後多くの航空パニックものだけでなく、「新幹線大爆破」や「スピード」などの地上戦でもパクられまくった「一定以下になると爆発する爆弾モノ」の、元祖ともいうべき作品なのだ。

この仕掛けを考えつき、脚本を手がけたのは「ミステリーゾーン」の仕掛け人ロッド・サーリング。さすがだねえ。

この「一定以下になると爆発する爆弾モノ」のキモは、いかにして爆発が回避されるか(爆発しちゃあ身もフタもないからね)だが、この「夜空の大空港」の解決策は、また見事なもの。

いや、それでいいのかという気もするが……

日本では何度かテレビの洋画劇場で放送されたものの、国内では未ソフト化。アメリカでも大昔にVHSで出ただけのようです。ソフト化熱望!

同じジャンルのもう一本の傑作として記憶しているものに、「大空の恐怖」がある。

これは名作「大空港」の原作者でもあるアーサー・ヘイリーの小説『0-8滑走路』を映像化したTVムービー。「恐怖のエアポート」というタイトルで放送されたこともあります。原題「Terror in the Sky」1971年の作品。

飛行中の旅客機で機内食から集団食中毒が発生し、多くの乗客が昏倒するばかりでなく、機長以下の操縦クルーも全員人事不省に陥るというパニック状況。なにしろ自動着陸装置なんてない時代なので、乗客でヘリコプターの操縦経験しか無い男が操縦する羽目になるというスリリングな展開です。

このシチュエーションも、のちに「フライング・ハイ」でパロディ化されたりしてますね。でも、国内ソフトは未発売。

この2本、私は相前後してみたせいか、記憶の中でごっちゃになっています。なので、一度見直してみたいんですが、なかなか機会がありませんね。

それにしても、アカデミー賞を受けた名作「大空港」から、500円クラスのへっぽこパニック映画まで、航空パニック映画は数多くつくられてきましたが、その元祖ともいうべき傑作2作品が(TVムービーとはいえ)未ソフト化で見ることが難しいのは、なんとも残念。

ぜひともソフト化を実現してください!

  未発売映画劇場 目次

【追記 2017年7月】

この2本の名作のうち、「大空の恐怖」のほうが、復刻シネマライブラリーさんから発売されました。タイトルは「恐怖のエアポート」のほうを採用。待望久しいソフト化に拍手。

【画像のリンク先はamazon.co.jp】

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