スポケーンぶらり(5)テレビ小僧編

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昨年のロンドン編でも書きましたが、わが家にはテレビ小僧がいるもんで(約2名)、今回のスポケーンでも、ホテルの部屋に滞在中はテレビが消える時間がありませんでした、寝てる間以外は。

さすがはテレビ大国アメリカ。今回のホテルは、衛星放送のディレクTVが入っていたせいで、なんと視聴可能なチャンネル数は50以上。これは見ごたえ充分。

と思ったんですが、チャンネルが多すぎるのと、放送ガイドがないせいで、何を見たらいいのかさっぱり。

なにしろ部屋に装備されていたのは、チャンネル名がずらりと書かれたカード一枚きり。それも放送局名の略号が書かれているだけ。ABCとかCBSとかFOXとかCNNとかESPNとかならばわかるんですが、KSPNとかKLMとか書いてあっても、それがどんな局だかわからないし、だいたい今は何の番組を放送中なんだかが、ぜんぜんわからない。

そこで、テレビを見るときには、まずはザッピング。次から次へと50からのチャンネルを渡り歩いて、なんとなく面白そうなものを探す旅に出るのです。

そうしていて気づかされたのが、アメリカのテレビでのコマーシャルの多さ。ザッピングしていても、3局に1局以上が、CM放送中な感じ。とくに4大ネットワーク(地上波)では、しょっちゅうコマーシャル。映画放送など見ていると、中断の多さに、さすがにイラッときます。日本のテレビなんて、ことCMに関しては控えめなほうですよ。

そして、そのコマーシャルで圧倒的に多く感じたのが、健康関連産業。医薬品、健康食品、健康器具から医療保険まで。いまやアメリカのテレビは、こうした医療健康サービス業に支配されているのではないかと思うくらい。それもテレビを見るのは年寄りが多いせいなのか、中高年以上向けが多い印象です。ああ、日本のテレビもそのうちにこうなるのかな。

ただ、番組自体の面白さは、まだまだアメリカのほうが日本よりも上な感じ。ことに、息子も私も大好きなゲームやクイズショウでのスケールの大きさは、やはりアメリカだなぁ……と思って「アメリカン・ニンジャ・ウォリアー(American Ninja Warrior)」なる体力勝負のゲームショウ(一般視聴者参加型。これも今の日本ではほとんどないな)を見ていたら、これは日本のTBSの人気番組「SASUKE」の移植版でした。ちゃんと番組の最後にクレジットが出ましたね。

もっとも、この回の「アメリカン・ニンジャ・ウォリアー」は「ミリタリー大会」で、出場者は現役と退役の軍隊経験者ばかりという大会で、これは日本ではできないよなぁ。

そういえば、スポーツ専門局ESPNでやっていた大学対抗ブートキャンプ大会みたいな体力勝負のゲームショウでも、全米の並みいる大学チームを倒して優勝したのは陸軍士官学校のウェストポイント。そりゃ勝ってあたりまえでしょうが。

日本のこうしたゲーム番組に、いや普通のテレビ番組でも、現役の自衛隊員が出演したら、まあ非難ゴウゴウでしょうね。このへんがお国柄ってやつでしょうか。

それにしても、帰りの飛行機の中でも、昔の人気番組「筋肉番付」のアメリカ放送バージョンを見ましたし、かつて「料理の鉄人」がリメイクされて高視聴率を稼いだとか、「風雲たけし城」がヨーロッパで大人気だったとか、日本のテレビ番組も捨てたもんじゃないはず。これもクールジャパンですかね。

芸人やタレントを集めてだらだらと笑っている番組ばかり作ってないで、番組開発にもっと情熱を注げば、まだまだ日本のテレビもイケるはず。もっと頑張ってください!

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