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自己紹介#2 ヒトデの研究をはじめるまで

前回は略歴と、高校生で私が海の生き物に憧れて「生物」を勉強しようと決めたところまでお話しました。#1を読んでない方はこちらからどうぞ。

今回は大学入学からどのように海の生き物と関わってきたかお話したいと思います。

大学時代~公開臨海実習めぐり~

文系クラスに入りながらも、先生の協力も得て「生物」を勉強できる大学へ!と猛勉強した結果、新潟大学理学部生物学科へ入ることができました!!

なぜ新潟大学だったか…それは佐渡島に臨海実験所があったからです!

臨海実験所というのは、"海の近く"にある主に海の生き物を扱う大学の研究施設です。海の生き物というのは、採ってくるのも飼育したりするのも難しいので、海の近くに専用の施設があるほうが都合が良いのですね。水族館が海辺にあるのと同じような理由です。

生物学科にはこの臨海実験所での臨海実習というものが大学3年生でありました。が、待ちきれず1年生の夏には新潟大学生なら誰でも参加できる実習に参加していました。

これが感動の嵐!!!

それこそ今まで写真でしか見たことのない生き物、全く知らなかった生き物を実際に自分の目で見て触る!という胸をわし掴みにされるようなドキドキわくわくを体験して「やっぱりこれだ!!!」と確信したのですね。

結局佐渡の実験所には毎年行っていたのですが、それでは飽き足らず。。。

実は臨海実験所というのは新潟大学だけでなく他の大学にもいくつかあるんです!そして公開臨海実習という名の大学生なら誰でも参加オッケーな素晴らしい実習を毎年行っているんです。

私は熊本大学の合津マリンステーション、京都大学の瀬戸臨海実験所、東京大学の三崎臨海実験所の計3カ所の実習に参加しました。

臨海実習の魅力はここでは語りつくせません!そしてこの公開臨海実習のおかげで海の生き物への愛は増しに増し、各実験所での先生やスタッフ方、他大学の生き物好きなどの人脈もできました。そのおかげで今後を左右する重要なアドバイスをいただくのです!!!

何を専門にどこで勉強するのか?

「生物学」というのは本当に大きなくくりであって、内容は様々です。例えば植物か動物かではまったく内容は異なります。

その中でも、すべての生き物に共通するルール(遺伝の仕組み)などを解明しようとする分野。細胞やたんぱく質など体の中の物質がどのような働きをしているかなどを調べる分野。など本当に細かくすると色々あるのですが、私は臨海実習を通じて個々の生き物そのもの、海にはどんな生き物がいるのかもっともっと知りたい!と思うようになっていました。

そして海の生き物の分類をやろう!と決めました。

実は佐渡の臨海実験所に当時いらっしゃった先生はお魚が専門でした。なので新潟大学に残って海の生き物の研究をやるという選択肢はすでにありませんでした。公開臨海実習への参加は海の生き物の研究ができる研究室を探すという目的を兼ねていたのです。

私は東京大学の三崎臨海実験所での実習で、本当にたくさんの生き物を見ることができたことに感動して、ここで研究したい!と考えていました。

しかしここで実習を担当してくれた先生から「生き物の分類をやりたいならここじゃないほうがいいよ」と言われたのです。そしてのちに所属することになる研究室の存在を教えてもらったのです!

知る人ぞ知る研究室

その教えてもらった研究室というのが、大学の中に研究室がない!先生がいない!大学院からしか入れない!情報がほとんどない!というレアな見つけづらい研究室だったのですね。

私の先生の本職は博物館の研究員です。なので基本的に博物館の自分の研究室でお仕事しています。でも大学教授も兼任していて、大学での講義や私のような海の生き物を研究したいという学生の指導もしている先生だったのです。

私はさっそく先生にメールで連絡をとり、研究室を見学させてもらうことにしました。

研究室=博物館です。しかも日本で一番大きいとも言える博物館。その研究施設には歴代の研究者たちが何年もかけて集めてきた膨大な量の標本が大切に保管されているのですね。

生き物の分類をするにはこの標本というのがものすごく大事!!

標本というのはその生き物の形が分かるように腐らないように保存されたものです。ホルマリン漬けというと何となく分かるでしょうか。(でもホルマリン漬けの標本というのは実際は少ないです!)分類の基本は生き物を採ってきて標本にし、その標本を観察することなんですね。

博物館はこの標本の量が臨海実験所とは比べ物にならないほど多く、国内だけでなく世界中の研究者たちが標本を目当てに日々やってきます。

また、文献(生き物の情報が書かれた論文や資料)の多さもピカイチ。そして色んな生き物の専門家がすぐそこにいます。

こんなに贅沢な環境で学生のうちから研究できるなんて!!!

感動した私はこの研究室に進学することを決意し、東大大学院を受験したのでした。


次回、ついにヒトデの研究を始める。

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