みかぐらうた私解~第二節~


地歌

ちょとはなし かみのいふこと きいてくれ
あしきのことは いはんでな
このよの ぢいとてんとを かたどりて
ふうふをこしらへ きたるでな
これハこのよの はじめだし
なむてんりわうのみこと (よしよし)


漢訳

一寸咄(話) 神の言う事 聞いてくれ

悪しき(気)の事は 言わんでな

この世の 地と天とを 象(形取)(型取)りて

夫婦を拵え来たるでな

これはこの世の 始(創)め出し

南無天理王命(良し良し)


意訳

ちょっと話がある。親神の言うことを聞いてほしい。何もお前たち人間にとって悪いようなことは言わないのでな。親神はこの世界の地面と天空という二つで一つの働き(それは同時に火と水であり、太陽と月であり、くにとこたちのみこととをもたりのみことであり、すなわち親神様である)を象って、つまりその働きをお手本にして、夫婦というものを作った。この夫婦が人間関係の最小単位であり、この夫婦から、人間がまた生まれ出して殖えていく。つまり、この夫婦の創造が、この人間世界の始まり出しである。

また、この二つ一つの働きは、元々は未分化なものであったが、この原初創造の時から、分化が始まった。つまり天と地が分かれ、日月が分かれ、泥海に高低が生まれた。そのように、天地の形を取ることで、この自然世界を創造し、人間の夫婦も拵え、また動物・植物などというものを創造して、ここまでの九億九千九百九十九年の間、それらを守護して来たのだ。

そしてこの話こそが、この世界の始まり出しの話、元始まりの理話である。 

(それを聞いて人間の方から)天理王命様に帰依します。

(それに対して親神が) よしよし。


私解

第二節「ちょとはなし」は、明治3年に明かされています。

十二下りが明かされたのは慶応3年ですから、順番から言えば3番目、もしくは「ちょとはなし」と「よろづよ八首」はほぼ同時に明かされているから、3番目群としても良いかもしれません。

この、「よろずよ八首」とほぼ同時に作られた、というところが大切で、「ちょとはなし」は、かぐらづとめの”だし”、「よろづよ八首」は「十二下り」の”だし”として、それぞれの前に付け加えられたものだと教えられています。

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