Netscape3.0
私の父は新しい物に次々手を出す質で
当事高価であったパソコンも、OSが新しくなる度にどこかから手に入れてきて家に置いてあった。
高校生の時に自宅で音楽を楽しむためWindows3.1が使えるPCを購入してもらった。
私の希望はまったく無視されたので使いたいソフトもそのままでは動かず、後にノートPCを買い直す羽目になり、本来の目的はまったく果たせなかった。
その代わりモデムを接続してくれたのでパソコン通信にのめり込んだ。
掲示板は私の想像を越えた知識の宝庫だった。
プログラミング、フロッピーディスク意外の記録媒体、ハードディスクの仕組み、自作PCなど、ワクワクする単語が溢れていた。
その中に「自宅でインターネットに接続してみた」と話題にしている人がおり、紆余曲折あってご自宅で画面を見せて貰える事になった。
モニターには粗いドットのNetscapeが立ち上がっていて、プリンターが少しずつ印刷していくように英語のホームページを描き出していく。
「Zモデムだけど読みこみが遅くて。」
「56kでこれぐらいかぁ。」
「やっぱ専用線引かないとダメかな?」
「みかか代どのぐらいいく?」
そんな会話が周りで交わされる中、一人だけその凄さをわからないままボーッと画面を眺める私。
それがインターネットとの出会いだった。
当事はまだインターネットはマイナーな存在で、ニュースで少し取り上げられWWWがどうとか言っていたのを微かに覚えている。
あれから20年以上、こんなに身近な存在となり、生活の一部になるほど浸透するとは思っていなかった。
そんなに便利で強大な仕組みであっても、ある日突然に終焉を迎えるのが技術の宿命。
インターネットの次はどんなネットワークが構築されるのか?
未来が楽しみである。
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