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ヒトミの雑文帳(1)

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ヒトミ✩クバーナの考えたこと、個人的な体験、ときに創作を詰め込んだ雑文帳です。1000円分の雑文が読めます。月1~2回の不定期更新。
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記事一覧

今の世の中にカリスマが足りない

今の世の中にカリスマが足りない

昔、ネットがなかった時代、憧れの俳優やミュージシャンの素顔を知る機会はそうそうなかった。

B’zがMステに出ると聞いては録画待機し、氷室京介がラジオに出るというとラジカセの前で緊張しながら待った。

HEY!HEY!HEY!やうたばんが始まるまでは、ミュージシャンが気さくにトークする映像を見たこともなかった。

だから、めっちゃ想像した。「どんな人なんだろう?」「あんなにかっこよくて才能ある人が

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外ばかり見ていると自分の内側をのぞくことを忘れてしまう

外ばかり見ていると自分の内側をのぞくことを忘れてしまう

ありがたいことに、忙しかったんです、最近。

今年に入って、まず福岡でセミナーして、2月は確定申告に追われつつカナダ行き、3月にキューバから帰ってきて、4月にまた韓国。

帰ったら当然お金がないので、仕事を詰め込む日々。

7月は過去最多の取材も経験し、バッタバタでした。

去年よりも好きな仕事ばかりやるようになり、楽しくて、あっという間に過ぎる日々。

でも最近、ふとこう思う時が。

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夫婦の会話

夫婦の会話

部屋の中で聞く雨の音が好きだ。

途切れずに波打つカーテンのように優しく、穏やかで、自分は安全な場所にいるのだと感じさせてくれる。

私は、深夜の散らかったリビングで、小さくジャズを流しながら寝転がって文庫本を読んでいる。

夫は私の足元で、買ってきたジャンクフードを食べながら、だらだらしている。

まるで、こんな毎日がずっと続くのだと錯覚する瞬間。

この前、バーで日本酒を飲んでいるとき、夫が言

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グレイのスーツが似合う男

グレイのスーツが似合う男

きんとした真冬の空気の中で私は歩くただ歩く、あてなんてないでもこのピンクと茶色にいろどられたきらきらした街の中で立ち止まるなんてできない、そんなこわいこと。

(そんな怖いこと)

ねえあなたは言ったよね、言いましたよねがんばるあたしが好きだって夢に向かってがんばる姿をずっと応援したいって一番近くで見ててくれると言ったのがあれはそうまだ先週の話でほんとこんなことになってちゃんちゃらおかしいわ。

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大人になっても、数字が苦手。

大人になっても、数字が苦手。

家の中を行進しながら、リズムに合わせて大きな声で九九を覚えていた、あの頃。

「数のおけいこ」の中にはたしかに、色とりどりの磁石棒やおはじきが、たのしい世界を描いていたのに。

いつからか、数字を見ると頭が灰色に染まるようになった。

貯金箱の中身を数えているときは楽しいけれど、どうしてそれがみるみる減っていくのか、私には計算できないみたい。

それなのに、大人になるにつれて、数字はどんどん世界を

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アメリカ帰りのイケメンは日本で引きこもりになった~自分の居場所の話

アメリカ帰りのイケメンは日本で引きこもりになった~自分の居場所の話

20代のころ、朝まで営業しているカジュアルなバーで働いていた。

お盆休みになると、常連以外のお客さんがふらりと入ってくる。

そのイケメンも、友人と連れ立ってやってきた、1回限りのお客さんだった。

ひと目でハーフとわかる、浅黒い肌に彫りの深い顔立ち。

黒くカールした髪に、濃いまつげが目立つ。

タイトなジーンズに包まれた足は、信じられないぐらい長かった。

友達の横で、静かにお酒を飲んでいる

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1年ぶりに夫とケンカした。

1年ぶりに夫とケンカした。

1年ぶりに夫とケンカした。

原因は、ささいなことだ。

仕事のストレスMAXで病み上がりの夫と、風邪をひきかけた私のイライラが、タイミング悪くぶつかっただけ。

こういうときに、日頃の不満をぶつけ合ったりするんだろうけど、あいにく私には、夫にぶつけたい不満など何もなかった。

でもこのまま口を開けば、不毛な傷つけ合いになる。

そう思って、とっさにパジャマの上にコートを羽織って、家を出た。

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