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なりたい姿になるまで、そのフリを続ける

今日は、なりたい姿になるまでそのフリを続ける、というようなお話しをしたいなと思います。

ボディーランゲージが人を作る
この元ネタは、TEDのスピーチで、「ボディーランゲージが人を作る」というタイトルのもの。これは日本語のタイトルなんですが、英語の方のタイトルだとFake it till you make itっていう、"なりたい姿になるまでそのフリをし続けよう"っていうタイトルなんですよね。

私はこの英語の方のタイトルがすごく自分の心に響きまして、「なりたい姿になれるまではそのフリを続けるっていうのが大事なんだな」っていうのをこのスピーチを聞いて思ったんですよね。

このスピーチで言われていることを短くギュッとまとめると、何か緊張したり自信がないような時に、例えば大事なプレゼンがあるみたいな時の直前に2分間、自信が湧くようなポーズをとり続けると自信が湧く、っていうことを科学的なエビデンスに基づいて紹介するっていうもの。これ、知ってるのと知ってないのとで、重要なシーンで自信がなくなっちゃうみたいなのがなくなりそうですよね。この方法を知っていると、例えば大勢の人の前で喋らないといけないみたいな時に、ちょっとトイレに行って2分間、力が湧くポーズを2分間だけでもいいからやると、いろいろ乗り越えられそうですよね。

さて、話はタイトルに戻りまして、私はこのタイトルの「なりたい姿になり続けられるまでその振りをし続ける」って本当に、自分をなりたい姿に近づけてくれるなということを、自分の経験を通して感じているんですよね。

26歳の時に独立して、ちょうど昨日7月20日、私たちのブランドは8周年を迎
えました。(あたたかいお言葉を下さった皆様ありがとうございます)



8年前、私がブランドをやろうと思い立った時、一つだけ明確に決めていたことがあります。それはなんだか変なこだわりでもあるんですけど、絶対に自分の肩書きを"ハンドメイド作家です"っていう風に言わないように強く決めてたんですよね。それは私の一つの覚悟の表れでもあり、当時、今もそうだと思うんですけど、結構ハンドメイドブームみたいな形で、アクセサリーを趣味で作り始めて販売する、みたいな方がめちゃめちゃ多くて。ハンドメイドブームで市場的にも広がっていってたんですよね。

なのでアクセサリーを販売するブランドをやっている=ハンドメイド作家さん、っていう風に呼ばれてしまうことが多々あったんです。でも私は、その多くの方が趣味で片手間で副業的にやってらっしゃる中で、私はこれを本業として、自分の生きるための糧として、生きていくためのお金を稼ぐ場所として、命がけでやり始めたんですよね。

だからこそ、本当に変なこだわりなんですけど、ハンドメイド作家さんって呼ばれるのが私はすごく悔しくて。どうしたらデザイナーって呼ばれるんだろうってずっと葛藤していました。自分では「コスチュームジェリーブランドです」って、「私はジェリーデザイナーです」って言ってたんですけど、なかなかそれって浸透しないんですよね。もちろんそれを聞いてくださって買ってくださった方とかは、コスチュームジェリーブランドという認識があったかなと思うんですが、とはいえ、「ハンドメイドブランドと何が違うの?」っていう感じだったと思うんですよね。

でも私は絶対にハンドメイドという業界で戦いたくなくて、私はこの事業を一つの会社にもしたかったし、ブランドとして確立させて、ちゃんと人から、趣味の枠ではなく、私自身が作るブランドとして社会に貢献できたり還元できたりする一つの事業を作りたいって思っていたこともあって、甘えが入るような言葉を使いたくなかったっていうのがすごく強くあるんですよね。

これはハンドメイドをされていたり、ハンドメイドアクセサリーブランドですって言っている方とか、ハンドメイド作家ですって言っている方を批判したいわけでも否定したいわけでもなく、これは私の本当に変なこだわりなんです。わたしはデザイナーって呼ばれたいし、コスチュームジェリーブランドって呼ばれたかった。

そんな形で、私は「ブランドをやるんだ」っていうことをずっとずっと言い続けてきたんですよね。

そして、これがまさに、「なりたい姿になるまでその振りを続ける」の、そのものだったなって思うんですよ。

私が多分、「ハンドメイドブランドです」とか「ハンドメイド作家です」って言っちゃってたら、本当にその程度の売り上げとかその程度の規模感でしかお仕事できなかったと思います。やっぱり甘えが出てたりハンドメイドブランドだからこれぐらいしか無理だよね、とか、ハンドメイド作家さんがそのお店を持つとかって無理だよね、みたいに、私は言い訳に使ってしまいそうな気がして。

私たちって本当に、言葉で思考は作られていくので、使う言葉で本当にそうなっていたかもしれないんですよね。でも私は、明確に自分のお店を持つという夢もありましたし、自分がやっていることで社会に1ミリでもいいからプラスのことをしたいって思っていたので、ブランドをやりたいっていうことを頑なに言ってやってきた。ひょっとすると、ある時まではその中身って、もしかしたらハンドメイドでやられているブランドさんと何ら変わりない時期って全然あったと思うんですよ。それでもすごく意識して私はコスチュームジュエリーブランドになる、って言い切って走ってきた。

たくさんの方を巻き込んで会社にするとか、一つの事業にするんだというこだわり。新しいものを生み出さなくても、世の中に既にある美しいものたちを作って、今の私たちの感覚に馴染むものを作ること。それらを私の中ですごく大事にしていて、それを実現するブランドをやりたい。

本当に。すごく私よがりなものですが、これを長く長くずっと続けてきたからこそ、たくさんの方に、本当に少なくない数の方々に選んでいただけて。

10年続く会社やブランドは少ない、と言われる中で、9年目を迎えられたのは支えてくださる皆様のおかげです。そして、本当にすごいことだなって思んです。

ここまで続けてこられたのも、皆様がいてくださったからだし、そして、その要因の中には、ちっぽけな、私の変なこだわりである「ジュエリーブランドの振りをする」「デザイナーのふりをする」ことも、関与していると思うんですよね。

自分で「ハンドメイド」という枠で収まるような言葉を使うんじゃなくて、私はジュエリーブランドの代表ですとかコスチュームジュエリーブランドをやってますっていうのを言い続けてきたことが、なんか今の現状の姿に繋がった部分があるのかなと思っているんです。

そんなことのつながりで、今まで私で完結していたものづくりを作っていたところから、少しずつ関わってくださる方が増えて、今では企業さんと協業してオリジナルの金具を作ったり、完全にmaruoだけのデザインを作ったり。そんなことが実現するようになってきました。

フランスのヴィンテージのシャンデリアで使われる予定だったものを、アップサイクル(リメイク+付加価値をつける=アップサイクル)して、イヤリングとかピアスとかリングに生まれ変わらせ、maruoの新しいコスチュームジュエリーとして提案するっていうことが実現したんですよね。


今までは私の手の中で完結していたものづくりが、私だけで完結しないものづくりに拡張したっていうのは、なんだか本当の意味でハンドメイドっていう部分をようやく一つ超えられたっていう気持ちがあって。

やっと超えられた・・・。そんな感じがして、ああ、私はずっと、ここに来たかったな、来たかったんだよな、と。それを実現することができて、作りたいものが作れるようになったり、やりたいことがやりたいようにできるようになってきたのは、やっぱりこれまでずっとmaruoを支えてきてくださった方々がいらっしゃったからこそ。maruoのものづくりに共感してくださったり、maruoのものづくりをいいなって、いろんな方に勧めてくれたりした方々のおかげで、今まで続けてくることができました。

ブランドのものづくりも少しずつ少しずつ、クオリティーがアップしていって、なんだかこういう新しいオリジナル金具を作って、私の手では生み出せない、私の手だけでは完結しないものができたっていうのがもう。ハンドメイドの枠ちゃんと超えてるじゃん、っていうのを自分ですごく強く感じて。

本当に、やっとやっと、やっと。コスチュームジェリーブランドというものに、本当の意味でなれたような気がしていて、ようやく入り口に立てたなという感じがしてるんですよね。

よかったら、どんなものづくりをしてるんだろう、ってちょっと興味が湧いてくださったら、ちらっとオンラインショップや代官山のお店など、覗いてみていただけると嬉しいです。


こんな形で、ちょっとずつできることを増やしていきたいと思っています。今はヨーロッパなど先進国の美しいものを使って美しいものづくりをする、みたいな、いわばそんなに難しくない事業をやってしまっているなって思っていて。だからこそ、途上国でのものづくりも今後、増やしていきたいと思っています。

できることがどんどん増えていっているからこそ、maruoというブランドが存在する以上、社会や社会問題を、ちょっとでも何かプラスになるようなものづくりがしたいなと思っています。それは会社が存在する上での前提条件のような、当たり前のことだとも感じております。

ということで、そんな決意表明も込めて今日はお話ししてみました。お読みくださって本当にありがとうございます。

いつもmaruoを応援してくださって、皆さん本当にありがとうございます。これからも意味がある、と思えることをやっていきたいなと思っています。

皆さん素敵な週末をお過ごしください。

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