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バリ島の夏休み vol.11

さて、こうして振り返ると楽しかったことも多かった、というか、楽しかったことばかりが強調されて思いだされるのだけど、今回は荷物が届かず、盗難に遭い、それなりに振り回されてかなりグッタリした。

盗難にあった荷物の件では、滞在中もシンガポール航空とずっとメールでやり取りをしていた。インドネシアのオフィスでは埒があかないので、日本のオフィスにメールをしたのだが、日本からは迅速に返事をもらい、その後の対応も丁寧にしてもらったのだけど、交渉や細かに必要なことがあり、先方も私の話を受けてインドネシアとやり取りをしているらしく、時間がかかったり色々と面倒ではあった。
後日談だが、この時の担当の方が素晴らしく、帰国後も何度もメールのやり取りをするうち友情のようなものが芽生え、いつか必ずお会いしましょうとなった。出会いって分からない。

そんなトラブルが沢山の旅ではあったけど、いよいよおしまい。出発は夕方なので、それまでゆっくりホテルで過ごすことにした。常宿にはチェックアウトした客用のシャワールームがあり、ビーチタオル等も貸してくれるのでありがたい。荷物を預かってもらい出発ギリギリまでゆっくりできるのだ。早速子どもは水着に着替えていざ海へ!

ビーチでゴロゴロしていたら、ウブドの友人から「空港が閉鎖されてるよ~」とメッセージが来た。私たちが行く2週間ほど前から、インドネシアでは火山が噴火しており、空港が度々閉鎖されていた。ここのところ落ち着いてるし…と思っていたのだけど、何かある時はとことんあるものだ。心配ではあるができることもないので、空港の情報をチェックしつつビーチで過ごした。ホテルを出ようと思っていた時間のちょっと前に閉鎖が解除されたとのニュースが入ったので、まずは予定通り空港に行ってみることにした。

確かに閉鎖は解除されており、飛行機も飛び始めているよう。自分達が乗る予定の飛行機も、遅れそうだけど飛ぶようなので一安心。到着時に空港でゆっくりすることはないので、しばし新空港を楽しむべく、ビンタンバーへ行ってみることにした。ビンタンはバリ島を代表するビールでなかなか美味しいのだけど、そのビンタンの生ビールが飲めるバーが新空港にできていた。ここで飲み納めして帰るのはなかなか良いアイデアかもしれない。雰囲気は羽田の国際線という感じだけど。最近の空港はどこもこんな感じだな。

ビンタンも飲んだし手続きするか~とカウンターに向かったが…飛行機は飛ぶけどまだ飛ばないという。遅れてて何時になるか分からないと。そのため、シンガポールまでは行かれるが、シンガポールから東京までの飛行機に乗り継げませんと告げられ白目。えーっと、つまりは帰れないということよね?

白目にはなったが、帰国して休息日を1日設けていたのでセーフ。しかし翌日に仕事を入れていた父はプチパニック。ものっすごい慌てて気の毒だけど、帰れないものは仕方ない。先方の話では、宿泊等は用意しているからとにかくシンガポールに行ってくれとのこと。とりあえず指定された搭乗口に向かった。

旧空港は、お土産屋だけは沢山あったけど、イスがほとんどなくて暗い雰囲気だった。ガルーダに乗ると待たされたり搭乗口が変るのはしょっちゅうで、あの空港で長時間待つのは非常に苦痛だった。新空港の出発ロビーは椅子も沢山あるし、以前の空港に比べたらはるかに快適。インドネシアらしさは少ないけど、イスが沢山あってトイレがキレイな方が快適です。
搭乗口ではお弁当と水を配り始めている。これは時間がかかるということか?中国人のグループが来て次々に弁当や水に手をつけようとし、ここはシンガポール航空のお客様だけです!と怒られている。それでもさっと水を持って行く中国人。

結局、3時間くらいロビーで待っただろうか。ようやく飛び立ったけど、シンガポールに着いたのは真夜中だった。到着すると係の人が待ち構えており、我々の書類をチェックしてタクシーに乗せてくれた。明日の夜空港に来ればいいからと言われ、よく分からないまま流れに身を任せて到着したホテルのフロントに行く。乗り継げなかった人たちが、さらに続々と大勢ホテルに到着し、あっという間に長蛇の列ができた。このホテルとシンガポール航空は提携していて、このような場合に宿泊できるようになっているのだろう。提供された部屋は眺めが良く、今やシンガポールの新たなシンボルになったマリーナベイサンズが遠くに見える。広々としたとても良い部屋で、バスルームも広くてゴージャス。ツインルームだったのでエキストラベッドを一つ入れてもらい、せっかく豪華なバスルームなのにシャワーも浴びられず倒れるように寝た。長い1日だった。