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どこにでもある会議室の折りたたみ机を、自転車用の作業台にDIYする

人と文字の運営会社は、小田原じてんしゃ工房という自転車屋さんです。

そして、店舗をDIYしながら運営しています。

なんと、1942年くらいに店舗を建設してから、一度も立て直しも大規模リフォームも入れていません。

80年くらい、すべてDIYでまかなうという無茶ぶり。

近年はとくによく手を入れています。

誰が手を入れているかって? もちろん、人と文字所属の工作ライター、Mr.Iです。

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つい先日、店内にあるこちらの机でMr.Iと話していました。

よく、会議室や公民館などにある、会議用の折りたたみ机です。

のじ あの〜、自転車用の作業台を買いたいんだけど、高いんだよね。

Mr.I じゃあ、作る?

のじ あんなもん作れるの!? 20万くらいするよ!?

Mr.I できるよ。それと、これ使う。

と、目線が、いままさに喋っている机に。

まさか…。

Mr.I  足の部分が可動するから、結構楽に自転車を上げ下げできるようになると思う。

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なんかよく分からないんですが、天板の中身は空洞だから、これは変えないといけないらしい。

Mr.I ネジ止めだね。これならすぐできるよ。

とのこと。なにがすぐできるのかよく分かりません。スピード感すごすぎぃぃ!!

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天板の高さと幅、長さの3点のサイズを、5分くらいで測ってホームセンターにやってきました。

行動のテンポが速いので、もはやついて行くだけの人間です。

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Mr.I ある程度厚さと堅さがないと自転車の重みと、乾燥による曲がりに耐えられないから、ベニヤみたいな素材はNG。

のじ あ、お任せします。

みたいな会話で天板が決められていく。

天板のサイドに、細かな部品などが落ちないように、木の段差を付けたほうがいいとのこと。

うん、任せます…。

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ちなみに、Mr.Iの話す寸法を僕が書き写した紙。

何度も見返しているから、どうしたのかと思ったら、字が汚くて読めないらしい。

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天板を決めたら、今度は天板固定用のネジを購入します。

突き抜けてはいけないので、実際に使用する天板の厚さを測ってから。

ホームセンターで、おもむろに取り出す小さなメジャー。

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ネジが出っ張ると危ないので、皿ネジ(ネジで回す部分が平たいネジ)の中から探します。

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Mr.I 自転車って、組立のときグリス使うよね?

のじ うん、2〜3種類使う。

Mr.I 天板にグリス塗布したパーツのせると木に染みるから、ステンレスのシート貼ろうか。

のじ ステンレスのシートって売ってるの?

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売ってた。しかも、サイズ、厚さに違いでなかなかの種類が販売されている。

Mr.I 部材全体を覆いたいなら、薄いやつで裁断できるのがいいけれど、一部なら強度のことも考えて厚みがあるものにしよう。アルミもあるけれど、凹むんだよね。

のじ あ、はい。お願いします…。

俺、今日こればっか言っている…。

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続いて塗料。

Mr.I 油汚れは、ホコリなんかで黒く変色するから、ブラックがいいかな。

のじ へぇ、お任せしますだ。

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つーことで、材料がそろいました。

天板と、ネジと、塗料と、ステンレスシート、合わせて6,000円ほど。

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こちらが天板。そもそも、会議室用の机って、よく売っている天板と同じサイズなんですね。

そのため裁断などせず、そのまま使えるそう。安い家具は規格がだいたい同じ。覚えておこう。

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そしてこれが天板の両サイドにパーツなどがこぼれるのをふせぐために取り付ける、棒。

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のじ 俺、なにやれば…

と、話しかけたら、既に既存の天板の取り外しに入っていました。

Mr.I うーん、じゃあ、天板塗っといて。

のじ 頑張ります!

仕事を与えられるとうれしい! 典型的日本人!

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塗り塗り。ハケは以前使用したものがあったので流用。

さあ、3分の1くらい塗り終わったぞ。と、後ろを振り返ると…

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スケルト〜〜ン。

こんな細っこい鉄の土台なんだあ。

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裏面を塗りおえて乾燥したところで、天板を土台に組み付けます。

ちなみになんですが、工具などの準備含めて、ここまで30分くらい。

速いよ! リュック・ベッソンの映画並みに展開が劇的!

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天板を、土台からあえてずらして、片側だけ端がはみでるように設定していました。

のじ これ、なに?

Mr.I 足を折って、スロープみたいに自転車をのせるときに、ここに隙間がないと地面に指挟むから。

そんなこと、思いつかなかった。

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天板の固定は、机の土台にもともと天板固定用に空いている穴からネジを電動ドライバーで挿しこむ。

Mr.I 皿ネジで、先端がとがっているやつでないと、木に入っていかないんだよね。だからさっきネジ探していたんだ。

のじ へ〜〜(よく分かっていない)。

ここまで40分。

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天板の表面に塗料を塗ります。

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続いて、自転車の前輪を固定する金具を組み付け。これ、以前使用していた、自転車展示台から取り外してきたパーツ。

たしかに、作業台にどうやって自転車を固定するか考えていなかった…。

Mr.I あとで金具部分にテープなんかを巻き付けて、傷がつかないようにしよう。

のじ へい! おやびん!

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あと、取っ手を取り付け。

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サイドブロックもネジで固定して…

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最後に塗り残し部分に塗装を施す。

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そしてステンレスシートの裏面に接着剤を塗り…

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天板に貼り付けて保護シートをはがす。

もう、この時点でただ突っ立っているだけの私。口半開きで棒立ちしている私をあわれに思ったのか、

Mr.I 保護シートはがす?

のじ やらいでか!

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のじ ん? ちょっとはがれにくいな。

カリカリ、カリカリ。

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のじ ん〜〜?

カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。

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のじ これ、メーカーがちょっとぴっちり貼り付けすぎているんじゃないの〜?

カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。カリカリ、カリカリ。

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のじ はがれて…。お願い…。

願いが通じました。

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はい、かんせ〜〜い。

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片側の脚をおりたたむと、このようにスロープ状に。

ここに自転車を押して、

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のせて、

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前輪を固定。

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机を持ち上げると、

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重みで自然に脚が下がってくるので、手で軽く引いて固定。

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完了。

すげえ! これ、1時間くらい前までただの机だったのに!

可動式の作業台になった!

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駆動系が手元にくるので、非常に作業しやすい。

最近、中腰になると腰痛がひどくて。

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ステンレスシートは、グリスなどが作業台につかないようにするだけではなく、底面を反射を通して確認できるように。

完璧、マジで。

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のじ これさ、前輪固定の部分が外れたら、自転車大変なことになっちゃいそう。

Mr.I うん、そう思って…

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Mr.I 絶対外れないように、裏面をナットで固定してあるよ。

のじ おお…。

Mr.I 横にしかうごかないようになっているから、天板が割れないかぎり外れないよ。

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ちなみに、稼働させる部分の脚には、後日キャスターをつけて可動性をよくするとのこと。

どこにでもある会議用テーブルが、まさかこんなに便利な作業台になるとは…。

購入すれば数十万円するものも多い。

みんな、作業台が欲しければ…。

Mr.Iに相談しよう。

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