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CURVE TOURを終えて(3/4)

ツアー3公演目は9月27日。地元大阪。
名古屋公演から10日ほど空いたのと、セットリストも違うので色々とイメージしながらモチベーションを保とうと必死だった。

福岡、名古屋を終え自分の中でツアーというものの面白さと、難しさをゆっくり考えることができた。回を重ねるごとに育っていく楽曲たちと、メンバーとの結束。改めて自分だけのツアーではない、みんなも自分と同じ方向を見て真剣に向き合って楽しんでくれているんだと思うと胸が熱くなった。

コーラスの話。

大藪良多 , Aill
Photo by Eny


当初、大阪公演のコーラスはAill一人の予定だったのだが、名古屋公演の打ち上げで良ちゃんが「みんながいいなら俺大阪もやらせてほしい。ファイナルに向けてAillちゃんと2人でやっておきたい。」と言ってくれた。嬉しかった。ただ、Aillの熱量と努力がツアーのリハの時点から半端じゃなかったので、ふたつ返事はせずAillに電話で確認した。2人は大阪、名古屋で住んでる場所も違うし、自分は東京。3人でしっかり合わせる時間もなかなか取れず、任せたところもたくさんあった。だから、2人とも不安だったと思う。申し訳なく思っている。
でも2人の思いをしっかり受けて、それをちゃんと伝えて自分がいないところでも2人で時間を取って練習してきてくれた。本当に感謝しかない。
本番のリハで、2人の声が重なった瞬間、思わずニヤけた。

そして大阪には“憑依”という曲で唯一アルバムに客演参加してくれたNF Zesshoをゲストとして呼んだ。

NF Zessho
Photo by Eny


ファイナルは予定が合わず呼べなかったのだが、NF Zesshoなしでツアーを終えるなんて考えられなかった。

彼はまさに天性のラッパーであり、代弁者だとつくづく思う。だけれど、哀愁や孤独、苦悩や痛みを身に纏って身体全体でパフォーマンスする姿には、心を抉り取られるような感覚さえ覚える。
“台詞じみた言葉に、演技じみた行動じゃ何も信じれはしない”

憑依以外に、Aru-2くんとのAll Friendsという曲もやってくれた。贅沢だぜ大阪。言葉がこんなにも“聴こえて”くるラッパーは稀有な存在だと思う。本当にありがとう。

CURVEの曲を中心に構成したセットリストは、正直あまり激しく踊るような爆上げソングはない。それよりも、自然に体が揺れたり、心が躍ったり、血液が騒いだり、脳みそがグラングランするような、そんなライブを作りたかった。
緊張と緩和をうまく見せられたかは分からないし、全然満足はしていないけれど、ツアーで育ててきた苗が、少しずつ顔を出し、つけた蕾が膨らみ始めてきたような感覚があった。それは初日は良くないとかそういう話ではなく、初日があったからここにいるという感覚。点が繋がりだした感覚。旅の途中。まだまだいける。

Photo by Eny

特に今回は“丁寧に”というのを意識した。
伝え方次第で、変化する繊細な言葉たちを、出来るだけ丁寧に伝える。集中力と体力をいかに保てるか。でもアドレナリンが出過ぎて理性をたまに失う瞬間があるのもまたライブの魅力。壊れそうな時はバンドが支えてくれるし、狂いそうな時は一緒に狂ってくれる。頼もしいバンドだ。

井上惇志
与える愛が大きすぎてたまにその海に溺れそうになるあっちゃん。命を使い果たすようにピアノを弾くその姿に、その人間くささに、その可愛さにたくさんの人が惹かれてるんだろうなと思う。あっちゃんのLush Lifeのイントロで、一気にCURVEの世界へと没入させてくれた。
タイヘイ
揺らぎを生み出してくれた。振り子のように感情を揺さぶるドラムがタイヘイの魅力だと思う。
集中や安定の反対にある、爆発や感情の部分を絶妙に使い分けていて、つくづくニクい。
信頼ってバンド内では不可欠だけれど、散らばりそうになる点をぎゅっと抱きしめてくれるのはいつもタイヘイだ。
KenT
もう出会って17年ですね、けんちゃん。この日の「綻び」のソロ、めちゃくちゃグッと来た。
深い深い海の底なのに、ジリジリと燃える炎のようなソロだった。こんなに長い付き合いなのに新たな一面を見れた気がして嬉しくなった。
Keity
KeityのBassはいつもシンガーソングライターのようだと思う。感覚を音に素直に落とし込むセンスが抜群だし、歌っているし泣いている。独特の温度があって、湿度がある。どこにも当てはまらないんだけど、心地よくて、ずっと浸ってられる。
朝田拓馬
拓ちゃんのギターは要。こんなに繊細で綺麗で、でも狂気じみた変態さも兼ね備えてるってもう意味がわからない。メンバーから崇拝されるのも納得w ギターが本当に似合う。彼にしか出せない音があって、存在感をしっかり保ちながら引きや間を抜群なタイミングで入れてくるから、もうお手上げです。
山田丈造
丈造の音には色気があって、それだけでなく温かみがある。色気ってその人が歩んできた人生や考え方、生き方だと思うのだけれど、彼にしか醸し出せないミステリアスさがある。丈造が出す音のディテールに耳を澄ませば、音楽が立体的で多面的であることを教えてくれる。

大阪公演は自分の誕生日でもあったので、たくさんの方にお祝いしていただきました。本当にありがとうございました。

アンコールは久しくライブでも歌ってなかった“Shine”という曲をやりました。
自分の周りにいるイケてる人たちが、自分を輝かせてくれて、そんな自分がまたその周りを輝かせていくこと。お互いの持つ光に気づけば、自分のことを好きになれるかも。
そんな曲です。大阪でやれてよかった。

あぁもうあとファイナルだけか。どこか少し寂しい気持ちになった。

Photo by Eny


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