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短歌連作 電車に乗り遅れました


太陽が高くなったね廃線の日にも枇杷の実まだ熟さない

本の背に指掛け選ぶ君を見る 選ばれるのを待つこころもち

この先にあるのだろうか僕たちのあくび隠さぬ健やかな日々

君が去る日のシミュレーション繰り返す繰り返す「無理先に消えたい」

残れとも来いとも言わず行くのだね 見送ることが僕の結論

最終が行った鉄路の音を聞く耳の赤錆そのままにして


田中ましろさんが企画されている夏の短歌のおまつり「歌人のふんどし」の、2018年に参加させていただいた際の連作です。

この「歌人のふんどし」というのは、参加希望者が一人ひとつずつ連作のお題を出し、それをシャッフルして当たったお題で必ず連作を作る、というものです。自分の出したお題は自分には当たらないので、中にはかなり無茶だな……と思われる題も散見されます。私はふらみらりさんが出された「電車に乗り遅れました」というお題をいただきました。無茶題じゃなくてよかった。

鉄道の廃線が決まった過疎の町に住む恋人たち、という設定で詠んでいます。廃線になるような路線は電化されているのか……というのはまあ温かい目で見てください。

今年の夏もまた「ふんどし」企画は始まっています。去年とは全く違うタイプのお題を貰ったのでドキドキしています。

久しぶりに店の焼鳥が食べたいです!!サポートしてください!