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【おひとりさま士業】士業はなぜ「起業」といわず「開業」というのか

社会人になって20+数年。
思えばずーっと、誰かに何かをアドバイスすることを業としてきました。

1.営業も、士業も、課題解決のアドバイザリー

20代は営業職に就いていたのですが、
営業って、お客様に「モノを売る」というより、
「課題を解決する」のが適切な表現だと思っています。

お客様が個人であっても会社であっても、
今または将来的に抱える課題を一緒に見つけ、
それを解決するためのアドバイスをする。
その解決策の中に
自分の提供できるモノやサービスがあればそれを提案するし、
なければ無理に買ってくれなくていい。

そんなことをずっとしていたら、
お客様の課題の中には、専門家でないと
解決できないものが含まれていることに気づきました。
たとえば、税務とか労務とかビザの問題とか。

それらに対応できるようになれればと思い、
資格を取ったのが士業としてのスタート。
(社会保険労務士と行政書士の資格を取りました)

2.課題解決は事業?

それから10数年。
仕事は充実しているはずなのに何か足りないような、
重要なことをまだ経験していない焦燥感のような、
もっと何かしたい欲求のような、
不思議な感覚が心の中に生まれ、徐々に大きくなってきました。

これが何なのか言語化できなかったけど、
今ようやく分かった気がします。

これまで人へアドバイスして生きてきた自分は、
外部の立場からでなく
「当事者ど真ん中の立場でビジネスをやってみたい」のだと。

これまでも士業の仕事をするなかで、
事業立て直しなどの依頼で事業会社の内部に入り、
経営に近い役割を担うことがありました。
倒産寸前の会社を立て直さないといけないという逼迫した状況の中、
専門だの専門外だの言ってられないわけで、
キャッシュフローを見直したり金策に奔走したり
取引先との関係を1から構築し直したり。

それは顧問士業として専門特化したアドバイスを行うのとは
全く異なる活動だったけど、
良い意味で興奮している自分がいました。

また、友人の立ち上げた事業会社に
取締役として入って経営を間近で見たり、
共同代表取締役の肩書をもらうこともありました。

どれもとても貴重な経験をさせてもらったけど、
それでも自分で立ち上げた事業を育てるという感覚とはちょっと違う。

3.士業はなぜ「起業」と言わず「開業」と言うのか

士業って、専門家であるがゆえに
外部アドバイザリー業務に終始することが多い職業かと思います。

だから、士業が独立するときは「開業」と言って、
「起業」とはあまり言わないのかなぁ?
一般にいう「ゼロイチで事業を立ち上げる」という感覚とは
ちょっと違う空気感。

最近、スタートアップ経営者や投資家さん、
VCさんとの接点が増えてきて、さらに感じます。

「自分も事業がしたい」と。

いや、士業も事業であるには変わりないんだけど、
独占業務という城壁があるからか、
ほかの事業とはどこか違う空気感があるような気がするんです。

特におひとりさま士業だと
個人事業として自分個人に紐づく業務が多いので、
事業と自分個人が密接すぎて「事業経営」感が薄いのかと。

お客様の課題を解決する方法が
士業の業務の中に100%収まるなんてことはないし、
社労士としてでないと解決できないこと(独占業務)は
引き続き個人事業で担うとして、
それ以外をまるっと事業会社として受任できるようにしたい。

そうやって、ゼロから事業を立ち上げ育てる経験が
言語化できなかった自分の欲求なのだと気づきました。

・・・ということで、やっぱ会社つくろw

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