シンカ論:⑲「なにフェミ」って呼んでます?

 フェミニズム(英: feminism)とは、女性解放思想、およびこの思想に基づく社会運動の総称であり[1]、政治制度、文化慣習、社会動向などのもとに生じる性別による格差を明るみにし、性差別に影響されず万人が平等な権利を行使できる社会の実現を目的とする思想・運動である[2][3]。女権拡張主義、男女同権主義などと訳されることもある[1]。

 Wikipedia「フェミニズム」の項の冒頭である。また三省堂『大辞林 第三版』によるとこうある。

フェミニズム [3] 【feminism】
男女同権と性差別のない社会をめざし、女性の社会的・政治的・経済的地位の向上と性差別の払拭(ふつしよく)を主張する論。一九世紀から二〇世紀初頭の欧米諸国を中心とする女性参政権運動の盛り上がりを第一波、1960年代以後のウーマン-リブに代表される動きを第二波と区別することが多い。

 女性解放、女権拡張、性差別の払拭、男女同権、万人の平等な権利……。
 Wikipediaに限らず多くの辞書では、フェミニズムの理想が簡潔に、しかしながら高らかに謳われている。もちろん、辞書レベルでフェミニズム運動の理想と実態のギャップについて触れることは少ない。というより全ての主義主張についてそんなことをしたら、紙の辞書は携帯が不可能になってしまうだろう。

 ところが現在、フェミニストを名乗る女性たちの言動は、どうもこれらの定義に謳われる理想とは、整合性に乏しいようである。

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