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【Netflix発】アメリカのニューストーク番組が色々新しくて楽しい(毎週日曜日配信中「ハサン・ミンハジ:愛国者として物申す」)

どうも。Netflixばっかり観てるOLのキャサリンというものです。久しぶりのnoteです。半年振りくらいでしょうか。年始に、せっかく映画や海外ドラマ観まくってるから今年こそ感想を残すぞー!!と、イキってたらもう年末に差し掛かってます。正直引きます。

たいして感想を書かなかった自分ではなく時の流れの残酷さに。タイムイズタイム。

せっかく久しぶりに心と体力の余裕ができたので、さてさて今年観た作品の総括でもしていこうかねと、noteにまた戻ってきたわけです。

単に暇なだけってことです。

これ書いた後にいつまたnoteに戻ってくるかはわかりませんけども、このnoteをきっかけに、世界のどこかにいらっしゃるNetflix民のどなたかのNetflixライフが少しでも豊かになれば、


まだまだAIのオススメよりも人間の介在価値があるってもんよと、生きる希望が増すので本望です。

特に今日お話する作品なんかは、あまりNetflixのAIも日本人向けには積極的にオススメしないと思いますので(たぶん)、ほそぼそと布教して次シーズン製作に繋がったらいいなとも思っとります。だから

最後まで読まなくて良いので、さっさとNetflix開いて観てもらっていいですか?(笑)

この番組です。さあ、Netflixのマイリストに入れてください。
 


「ハサン・ミンハジ:愛国者として物申す」
(原題:Patriot Act With Hasan Minhaji)

ほら、

Add him to your watchlist=彼をあなたのウォッチリストに入れなさいって書いてるし、さぁ入れてくだい!さぁさぁ!シュシュッ!と入れてちゃってくださーい!

Netflixには色々番組がありますよね。ウォッチリスト(マイリスト)に入れても、生きてる間に観終えることは不可能なくらいたくさんあり過ぎです。そもそも、その場のノリでヒョイヒョイッ!ってマイリストに放り込んじゃうから、そもそもマイリスト=わたしの一覧なのに、何が入ってるのか全然わかりません。そんなワタシに最近Netflixは

さり気なく私のマイリストへのチョイスを褒めつつ、ちゃんと観ろよと促してくるようになりました。

マイリストなんだから気に入ってる作品を入れたんだろうけど、お前忘れてそうだから、ほらよ!的なやつです。

そんな、気の利くNetflixさんで、恐らく大半の方は、映画か海外ドラマを観てるのではないかと思います。私もそうでした。でもこれが、今年に入って結構変わりまして。

最近、特にこの1年ぐらいで、Netflixさんは映画とドラマ以外のコンテンツにも力を入れはじめました。リアリティ番組(「テラス・ハウス」や「クィア・アイ」等)や、バラエティ番組(「パーフェクト・スイーツ」等)、そして今回紹介するレイトショー番組(言わゆるトークショーで「デヴィッド・レターマン:今日のゲストは大スター」等)、コンテンツの幅をどんどん広げてます。

特に先程上げた「クィア・アイ」(これもいつかnote書きたい)なんかは、今年のエミー賞を受賞したりなんかして、「ドラマのNetflix」から一皮剥けて、「面白いコンテンツがあるNetflix」になった感満載でした。

ちなみに私は1番右のファッション担当タンさんが好きです。タン師匠と呼んでます。

足元が石田純一です。

そんな、オシャレ番長タン師匠のお給料もガツッと払ってるだろうNetflixは番組予算に年間1.4兆円(国家予算並み?)もかけていて、映画やドラマだけではなく、多くの人に選ばれるための番組制作をガンガン攻めてます。ファンとしてはありがたい、の一言。正直月額払ってる料金は安すぎではと思うほど、良質なコンテンツがたくさんあるNetflix。

ただ、そんなNetflixオリジナル作品の中でも、イマイチなジャンルっていうのがありまして。それが

レイトショー番組なんです。

つまり、トーク番組です。徹子の部屋的な。個人的な見解なんですけども、色々番組あれどシーズンが長く続いた試しがなく、打ち切りに次ぐ打ち切り。そんな中で、オバマ大統領やジョージ・クルーニーなんかも出たりして、唯一メガコンテンツとなりそうだった「デヴィッド・レターマン:今日のゲストは大スター」も、最初から期間限定シリーズだったのか、新作のアナウンスは今現在もなく…。

これまで、

ゲストが豪華だった「チェルシー」とか、NetflixファンにはたまらないNetflixイジリが楽しい「ジョエル・マクヘイル・ショー」とか、新進気鋭の毒舌コメディアン、ミシェル・ウルフの初冠番組とか、あったんだけどとことん続かず…。確かに、アメリカ国内ではウケるのかもしれないけれど、グローバルにウケるにはちょっと内容が国内向け過ぎたのかもしれない。笑いもやや尖っててたので、好き嫌いが極端に分かれそう感は否めない。

とはいえ、そもそも、日本でアメリカのレイトショー番組が日本語字幕付きで、しかもアメリカ本国とタイムラグなく観れるのはホントに画期的なわけです。今までは、各レイトショー番組の公式アカウントがYouTubeに動画を少しアップしてくれるので、それを英語がわからないなりに観て楽しむしかできなかったんです。なので、そう考えると世界同時配信してくれる、しかも字幕つけてくれるNetflixさんは神なわけです。オーゴッド!

なので、日本の片隅でほそぼそとアメリカのレイトショー番組をYouTubeで楽しんでたワタシとしては、Netflixでレイトショー番組が全編見れるということがホントに嬉しくて嬉しくて。だからこそ、打ち切りはめちゃくちゃ辛い。新しくNetflixレイトショー番組が始まっても、それがどんなに好きなコメディアンが司会してたとしても

どうせすぐに行っちゃうんでしょ…と完全に拗らせ女子みたいな反応しかできなくなってしまっています。

正直期待薄でしたよ。今回紹介する番組も。ハサン・ミンハジは彼の自伝的Netflixオリジナルのスタンドアップコメディ「ハサン・ミンハジ:ホームカミング・キング」で大好きになって(ホント面白いからみんな観て)、

それ以来彼が、今回のNetflixレイトショー番組のために卒業するまで出演してた「ザ・デイリー・ショー」もYouTubeで動画を観まくったり、Podcast聞きまくったりなんかしてたほど好きです。ちなみに真ん中の坊主頭のナイスガイこと、トレバー・ノアもめちゃくちゃ面白いです。(別の機会にまた語ります)

たぶん、ハサンの親以上に心配したのではないかと思うくらいに、ハサンの初Netflix冠番組にはハラハラしてました(誰や)。

しかしまぁこれが!今回半年振りにnoteに書き留めたくなるほどに!面白いし楽しいし新しい!

正直、レイトショー番組と呼んでいいかわからないくらいに、ちょっと新しい。

◆新しいその1:YouTubeでほぼ全編観れる

これ、今だけかもしれないですけど相当画期的です。Netflixオリジナル番組は基本Netflix加入者しか見れません。なのに、なのに!!現時点でNetflixで配信してる3回分がYouTubeで!無料で!観れます。Netflix初では?日本語字幕はつかないですけども、そうはいってもかなり新しい取り組み。しかも、すでにチャンネル登録者数は約54,000!!

◆新しいその2:座らない

立ってます。ずっと立って動き回ってますハサン。縦横無尽に動き回ってますハサン。身振り手振りも大きいハサン。動き回りながら政治について語ります。ちなみに、本来のレイトショー番組はこういう感じ。

まだ座ってた頃のハサンです。身振り手振り大きめハサン。

実際に番組を観てもらうとわかるんですけど、立ってずっと喋ってるのはまさにスタンドアップコメディ方式。でも、コメディ要素はそれよりやや少なめ。ちゃーーんと、ニュース解説してくれます。さすが、コメディアンなので例え話のジョークがこれまた面白い。しかも、ジョークの決め所でカメラが寄る演出もあったりと、ちょっとこれまでのレイトショー番組とは一線を画した作り。とても、カジュアルでニュース初心者に優しい作りになってる。

◆新しいその3:プレゼンっぽい

ハサン自身も番組の冒頭で

「マイケル・ベイが監督したパワーポイントのプレゼンみたい」

って言っちゃうほどに大胆なスクリーンにスタイリッシュなフォントとデザイン。ワクワク感があります。affermative actionとは積極的優遇措置って日本語では言うんですけども、難しそうな話題でも、このオシャレ感だとちょっと気になっちゃうんですよね。しかも、ハサンのトークは友達にジョーク混じりに話すノリ(とはいえジョークはさすがプロ、天下一品!)なので、難しそうなニュースでもとっつきやすい。

彼の話術にこのオシャレスライドを使うのは、何もこれが初めてではなく。ハサンは

こんな感じで自分のスタンドアップコメディの舞台でも大画面に文字や絵を映してより話に入り込みやすくします。しかも、専門のプロダクションデザイナーまで付いてるとか。カメラもグイグイ寄るし、演出も凝ってる。

もはや、ここまで来るとレイトショー番組というより、TEDトークのようなスピーチを観てるかのようです。

◆新しいその4:ゲストが出てこない!

普通、レイトショー番組はゲストが出ます。だいたい。旬なゲストとのトークも見どころの一つ。毎回違うゲストとのトークを楽しみに見てる人も多いはず。

ところが、ハサンの番組は

ハサンしか出てきません。どんなにゲストのトークが観たかったとしても、ハサンだけしかいません。ハサンの喋り倒し独壇場で30分弱駆け抜けます。

これが、シンプルで良い。あれこれ話題飛ばずに、ほぼ一つのトピックについて語り倒します。しかも論点がずれずに厚生が凝ってるので飽きない。

◆新しいその5:製作側が自分事になってる

ハサンのこの番組のこだわりとして、自分が何かしら関わってることに対して取り上げていくというのがあるそうで。先程の積極的優遇措置ではアメリカ国内のアジア系の置かれる立場について率直に意見を述べてます。そういう政治系の話ばかりかなと思いきや、最新話のAmazon回では、自分自身がAmazon中毒だという点からAmazonの戦略に迫ったりもします。いずれも彼が何かしらの形で関わってるからこそネタにしてるのだそうです。

自分ごとだからこそ、念入りに調べてるし、単に「こういう世の中は悪い!だめだ!」というだけじゃなく、なぜ悪いのか、そして改善するにはどうしたらいいのか、ジョークを交え意見を言う様子はかっこよくもある。彼の意見に同意はしなくても、勇気を持って発することで、議論の機会を広げようとしてるようにも思えてくる。

◆新しいその6:マイノリティにも言うときはズバッと

マイノリティとしての声を上げることは、ハサン自身もインド系アメリカ人として生きる上で、ある種責務なわけですが、同じマイノリティにも声を上げます(笑)

先程から何回か出てくる積極的優遇措置の話についても、大学入試時にアジア系は不当に差別されアジア系ってだけで入学できないようにされてると裁判を起こしたっていう社会問題が出てきまして。それについて、

「おかしくてしょうがないよ(笑)あえてアジア系と一括にするけれども、アジア系はこれまでの人生で散々コケにされてきた。チ○コが小さいとか運転が下手とかカレーやキムチの臭いがするとか。すべて黙って受け入れてきたじゃないか。それなのに、いざハーバードに入れないとなると途端に"訴えてやる!クソ野郎!"って(笑)」

単純に積極的優遇措置について述べるだけじゃなくて、自身のコミュニティに対してもサクッとメスを入れる姿が清々しいし潔い。自虐のようであり、自戒のようでもある彼のジョークは、一方的ではなく双方向に「あぁ…なるほどそっか(笑)」って思わせる猶予がある感じで。

押し付けではなく、考える余裕を与えてくれるハサンのこの番組。面白おかしくニュースを語りつつも、トピックの芯は決してフザケてないのが知性を感じるし、並々ならぬ意欲も感じます。

日本だと池上彰先生とか林先生の番組的な感じに似てるかもしれませんが、往々にして先生から視聴者が学ぶというスタイル。でも、このハサンの番組は、司会者と一緒の目線で考えてみる、って感じのスタイル。答えが明確に出過ぎないからこそ、楽しめるのかもと思ったり。トランプ政権になり、より政治に関心が高まりつつも、Netflixユーザーの中心であるミレニアル世代の投票率は26%くらいと聞いたこことがあります。

SNSという武器を持って最大限社会に訴える力とスキルを持ちながら投票には行っていないミレニアル世代。ハサンも(そして私も)ミレニアル世代として、「自分で考えて行動する」という岐路に立たされてるのかもしれません。だからこそ、テレビから教わるのではなく、テレビをきっかけに考えて行動する、そういう力が必要だからこそ、ハサンはこういう番組を作っのかな〜って思ったりもしてます。

政治や経済は遠くの話ではなく、辛気臭くなくて、もっとカジュアルでオシャレで面白いものであるっていう印象を育てるには十分なNetflixオリジナル番組の意欲作だとも思います。

毎週日曜日の配信が楽しみ!日本でもこういう番組ができるといいな。

そうそう。

ちなみに、ハサンもタン師匠にオシャレ指南してもらってます。

しかも、タン師匠オススメのバレンシアガのジャケットに対してハサンが、「トラが(笑)」的なこと言って小馬鹿にしたのを、スッと「これはバレンシアガでね…」と解説するタン師匠は大変にジェントルメンであります。素敵。ということで、

みんな、クィア・アイ観てね!(違う)

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