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【第3回】この実話ものは学びが深い!『パリ、夜は眠らない』(Netflix)

どうも、映画と海外テレビシリーズばかり観ているただの会社員キャサリンです。ここ最近サボってましたがnoteの更新再開しようとアプリ開いたらフォロワーさんが1000人を超えてました・・・!とくに更新してないのになんでかな・・・と思ったら、note新規登録の方に「人気のクリエーターをフォローしましょう」みたいいな感じで表示されてるっぽいです・・・。恐縮です。引き続き、映画と海外テレビシリーズについて好き勝手書いていくつもりなので、お時間あるときに覗きに来て頂ければなー!と思います。


さてさて、今回は最近私が猛烈にハマっているドラマと、それをきっかけに観たドキュメンタリーについてご紹介します。今年も引き続き年間40シーズン分くらい観るペースで海外テレビシリーズを観ているジャンキーな私ですが、これはもう全部観終わってないけど年間ベストに絶対入るよね!というドラマに出会いまして。

現在FOXチャンネルとHuluで配信中、今年のエミー賞にも確実に絡んでくるだろうドラマ「POSE」です(Huluでの第一話配信は6月3日までなのでお急ぎください・・・!)。1987年ニューヨークのボールカルチャーを舞台に、夢を追う若者と彼ら彼女たちの不確かで苦悩する人生を描いています。私がいつもアメリカのテレビシリーズで思うのは、その作品の背景を観客が知ってようが知らなかろうが、どんどんストーリーを進めるところ。インターネットですぐ調べれるこのご時世、クリエーターが観客の知識レベルに寄り添うのではなく、観客がもっとその世界を知りたくて食らいついてしまう、そんな作品が多いように思います。なので「ボール」ってそもそも何なんだろう?っていうことはそこまで深く語られません。「ボール」は彼ら、彼女たちの生きるうえで欠かせないコミュニティとして、当たり前のようにそこに存在し、歴史を刻んでいく。ファッションショーのようで、それだけの意味ではない、何か熱く、凛とした何かがあるんだろうなと、このドラマをみて感じました。それが一体何なのかとても知りたいなと思ってたところ、フォロワーさんから教えていただいたのがこちら。

『パリ、夜は眠らない』(Netflixで観れます)

自分が自分でいられる場所
POSEのクリエーター、ライアン・マーフィーもファンだそうで。POSEと同じ1987年のボールカルチャーとそこで輝くゲイやトランスジェンダーの姿に密着したドキュメンタリー。なぜボールを愛し、なぜボールに集うのか。そこには、自分の在りたい姿を表明することで社会から拒絶されてきた彼ら・彼女たちの新たな家族という居場所があるからでもあるようです。ボールでは、煌びやかなファッションを披露するというよりも「テーマに沿ってどれだけ誰かになりきるか」っていうことを競います。テーマも様々。周到に準備して高得点を獲得し名誉を得るために、自分を磨き、努力する彼ら・彼女たち。

”This is not a game for me or fun. This is something that I wannna live.”
「ただのお楽しみやゲームじゃない。ボールは私が生きたい何か」

週末にクラブで飲んで踊り狂っていろんな嫌なことを忘れようとするような、ただただ現実逃避のためにボールに参加するのではなく、自分の存在を確かめるため、現実を自分のものにするため、多くの若者が心から真剣に取り組む姿。恥ずかしながら、POSEを観ていても、このドキュメンタリーを観ていてもどこかでいつも「この人はゲイ・・・?トランス・・・?」とか思いながら観てしまっていました。でも、大事なのは私が彼ら・彼女らをどう定義するかではなくて、彼ら・彼女らの在りたい姿を受け入れることではないかと感じました。自分の在りたい姿を突き詰めて表現していくというのは、時に勇気が必要で時に挫折も付き物。それでも、自分の置かれた社会的立場というどうしようもなく大きな障壁がある中でも、ありたい自分を追求する強さと、不確かさを受け入れる、しなやかさのようなものを兼ね備えているボールの出場者は、私の心の憧れになりつつあります。

FamilyというつながりとMotherそしてFatherという支柱
ボールはハウスという家族Family単位で出場します。MotherもしくはFatherというハウスを代表する存在がいて、MotherとFatherはchildren(ハウスのメンバー)を精神面だけでなく生活面でも支え行くのもボールカルチャーの1つの側面です。MotherやFatherは、childrenたちの本当の親のように接します。実際の家族からはゲイやトランスであるがゆえに勘当され、家族としての絆を持つことができなくなってしまったchildrenたち。そんな彼ら・彼女らの新しい支えとして存在するハウス。きっと、当時世の中には「家族って大事」みたいな価値観もものすごく溢れてたんじゃないかなと思いますが、そんな中で自身のセクシャリティだけでなく、家族を持てなかったというコンプレックスになるような「過去を、大きな心で包むハウスという存在は、どれだけ彼ら・彼女たちの支えだったのかと思うと、計り知れないなと。

後日談も凄い
かなりびっくりしたのは、マドンナのヴォーグはこのボールカルチャーから生まれたものってことで。そこつながるんだ・・・!とびっくり。

ドキュメンタリー観た後に(こちらもフォロワーさんに教えていただいた)、こちらに書いてある後日談も読むとかなりシビレます。

本当に色々知らなかったな~と感動と、驚きの連続なボールカルチャー。自分がありたい姿を演じるということは、その本人のセクシャリティが何であれ、社会で生きていく上でのある種手段であるとも感じました。私は私で演じている姿があって。Fake it until make it(できるようになるまで偽れ)なんて言葉もありますが、自分のなりたい姿になれるまで演じ続けるって、決してボールカルチャーだけの話じゃないと思いました。演じたい姿を演じて、周りからの反応を受け、また磨いていく、自己研鑽のその先にたどり着けるアイデンティティって、とても不確かだけれど、でもとても崇高なものな気もします。わからないけど、その先へ行きたいから、行く。そんな強さを私も持ち続けたいなと思いました。POSEもこのドキュメンタリーもセットでお勧めです。ぜひ。


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