とある映画のレビューを読んでいて、思った。
自分の中にある求めて止まない、渇望し続けているもの。
たぶん、大なり小なり、誰しも、何かしらあるのではないか。わたしにはある。その渇望からの衝動や情動が、素晴らしい芸術や技術の功績として現れる場合もあると思う。
でも、それが念となり、生身の一人の人間にのみ向かうと、執着になる。
そしてだいたいロクなことがない。
生きている人間はあやふやで可変な存在だから、執着すると自分が揺るがされる。自分の人生の操縦桿を失う。
揺るがされることで生きている実感を得ている人の話だったから、なんだか映画を観てもいないのに、ざわざわして辛くなってしまった。その感じには心当たりがあるのだ。
それは愛というよりも...。
…それ観るなら、源氏物語とかシェイクスピアのほうがいいな。
人間以外の「物」をじっくり好きになることって大事かもなぁ。
猫とか、切手とか、多肉植物とか、器とか、競技かるたとか。