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無題

人間が勝手に心震わせているだけだとしても、やはりこの世界は美しいと言い続けたい。

見るに耐えない、聞くに耐えない報せがあふれる毎日に、「人間でいるのが嫌になるわぁ」と息子。

わかる。
ほんとね。

それでも、こんな雨上がりの晴れ渡った秋の朝に、やっぱり人間でよかったと思っちゃうよね。

世界を「美しい」と「表現する」のは人間だけ。

その一瞬の美しさに出会うために、作って、整えて、壊して、失くして。
そしてまた作って、とやっているのも、健気じゃないの。

願わくば、人間がいることで世界がより美しくなってほしい。
ここに居させてほしい。
循環の中に居たい。

おこがましくも、そう言い続けたい。


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