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街道×ゲストハウスのポテンシャルについて

昨日の投稿で、"ゲストハウスとまちづくりのジレンマ"について書いた。
「まちづくりが目的ではない」と書いたわけだが、関心がないわけでも、おざなりにしているわけでもなく、バランスの話であり、まちづくりに関する本も好きで読んでいる。

先日読んだのが、株式会社グランドレベル代表の田中元子さん著の「マイパブリックとグランドレベル」である。

株式会社グランドレベルは、「1階づくりはまちづくり」をモットーに掲げ、建物の1階(グランドレベル)のポテンシャルに注目した事業を展開している。最近有名な、コインランドリーと喫茶を組み合わせた喫茶ランドリーなども彼女たちの取り組みである。
(note 「喫茶ランドリー」はどうしてヤバい?市民の能動性を引き上げ、受け入れる。グランドレベルの壮大な実験がはじまりました。

世の中には、まちをつくり、地域をつくるための、さまざまな手法がありますが、私たちの特徴は、多くのポテンシャルを秘めているパブリックとプライベートの交差点であるグランドレベル(1階)と、潜在的にひとびと(個人)が持つ能動性を引き出すことに注力します。
(グランドレベルHPより抜粋。http://glevel.jp/approach.html
日本は、グランドレベル(1階)のポテンシャルをないがしろにしてきました。もっと人が佇める、たくさんの会話が生まれるグランドレベルをつくることができれば、さまざまな効果が期待できます。

まず、人々のまちでの滞在時間が増え、行動範囲は広がっていきます。同時に、まち全体に対する経済効果も高まっていきます。日常的にひとがまちにいる光景は、次々にさまざまな社会的メリットへとつながっていきます。軒先から、あらゆる施設の建築、都市づくりのルールまで、その伸びしろは、果てしなく広がっています。
(グランドレベルHPより抜粋。http://glevel.jp/approach.html

 
私たちのゲストハウスがある上野尻集落は、新潟と会津若松を結ぶ旧越後街道沿いに位置している。昔は宿場町として栄えたが、車社会となり、全国の街道が廃れていく流れの中で、この集落も少子高齢化が進む過疎地域となってしまっている。

そんな中、この「グランドレベルとマイパブリック」を読んで、街道はグランドレベルを体現していたエリアなのだと感じた。
たくさんのお店やお宿があり、地域や旅人に開かれたスペースがたくさんあったのだと思う。私たちはこの本を読んで、そんな景色を少しでも取り戻してみたいと思うようになった。ましてや、ゲストハウスは宿場町の中核をなす機能だったはずだ。様々な物品や情報が行き交い町の活性化に寄与する。自分たちのゲストハウスもそんな役割になればいいなと切に願う。

どうすれば集落を歩いている人が増えるだろうか。
五感で人の営みや自然を体感するためにはどんな工夫ができるか。
新しい目線で集落を見ることができるようになったことは大きな収穫であり、旧街道の集落にはポテンシャルしか感じない今日この頃である。


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