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配線、大変。

リノベーションでの電気屋のメイン作業は配線です。
がしかし、新築のようにガンガン配線していく事ができない状況が多々あります。
例えば、この写真をご覧ください。

古いマンションに多いのですが、木の下地が格子状に入っているので、下地をかわすためにボードに穴を開け、下地の木に穴を開けたり欠いたりして電線を通していくんです。
ストレスかかります。

別のケースでは、GL工法でGLボンドを使ったボードの場合です。
次の写真をご覧ください。

右側のコンセントが、新たに増設されるものです。
左の既存コンセントから電源を持ってきます。
この場合、一気に丸のこで電線のルートであるボードをカットして配線するのが早いと思います。物凄いボードの噴煙が発生しますが‥‥

可能であれば、わずか数センチでも壁をふかして隙間を設けて下されば、自由にストレスなく配線できるのですが‥‥

以前古民家のリノベーションをさせて頂いた時、設計担当の方が、非常に秀逸な電気設計図面を書かれたのを記憶しています。コンセントやスイッチを移動もしくは新設するにしても、既存の配線器具の位置を十分把握した上での、実際的な配置、デザインになっていました。電気屋も八方塞がりと思える状況でも、知恵を絞りつつ解決策を見出しますが、設計士がちゃんと配線の逃げ道を考慮して下さっていると、本当にスムーズにストレスなく仕事ができます。そうなると、工期が短縮されるだけでなく、余裕が生まれるのでより質の高い施工へと繋がるわけです。

悪い例もあげましょう。ある工務店の現場の話ですが、仕上げの段階になった時に現場に行ったら、3LDKのマンションに、設備屋、内装屋、大工、ガス屋、左官屋、そして我ら電気屋と物凄い人数の職人がいました。一般的にお祭りと呼んでいますが、毎回この工務店はお祭り状態が定常化していました。はっきり申し上げて真面目に工程を考えていません。各職人に失礼です。

こうなると、施工箇所が被ったりして超非効率な作業、ある場合は仕事になりません。結果的にはクリーニングに間に合ったとしても、工事の質はとても低くなります。

あなたがもし家を建てているもしくはリノベーションを依頼している施主だったら、工程表通りに作業が進んでいく事を期待すると思います。当然です。
でも様々な事情で遅れてしまう事もあります。
その時にどう反応するでしょうか?

怒って工期を守るように現場担当者を怒鳴りつけたりはしないでしょう。
そうしてしまうと、率直に言って質の低い工事になってしまうリスクが多々あります。
なので、寛大に、寛容に、広い心を持って、逆に職人さんに差し入れを持っていって労いの言葉をかけて挙げられる、そんな柔軟な気持ちがあれば、それだけで質の高い工事になり、本当の意味でウィンウィンになると思います。
お試しあれ。笑

おしまい

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