すっかり秋めいて朝晩は冷える。
私も家族も長袖のものに衣替えをした。

次男だけは未だに半袖・半ズボン。頑なにこの服装を変えない。
暑さに敏感だが、寒さに鈍いのか、家では一年中ノースリーブシャツとトランクスで過ごしている。
「お家の外に出るときは、必ずズボンを穿いてね！」と口を酸っぱくして言い聞かせているので、いつも玄関でズボンを穿いてから外に出る。
見ている方が寒いので、早く長袖長ズボンにシフトしてくれないかとうるさいほどに言い聞かせているが、今のところ次男にその気はないらしい。

先日、私の衣類を入れ替えした。
ほとんどの半袖ものはオフシーズンのものをしまう箪笥の引き出しに入れたが、一枚だけ半袖のＴシャツを普段用の引き出しにしまおうとしたら、次男に「それは違うでしょ」と取り上げられた。
まあ、もう１枚半袖のＴシャツが洗濯中だから、それが乾いたらよせておくか…と思っていた。

夜、翌日着る服を用意しようとしたら、次男が用意してくれていた。
次男はよくこの手のお節介を焼く。
用意してくれた服を確認したら、半袖のＴシャツが置いてあった。
引き出しにしまおうとしたら、次男が現れた。
ムギー！ムグー！
どうやら私に半袖を着させたいらしい。
「寒いから長袖にするよ」と言っても、半袖Ｔシャツを押し付けてくる。
次男に従うふりをして、この場はなんとか切り抜けた。

夜中になって、次男が寝たのを確認してから着るものを長袖に取り換えた。
そして布団に入って数十分後…
次男が私の用意した服を確認していた。
取り換えた長袖をしまって半袖を出してきている。

「こら！勝手にかーちゃんの服を触らないの！」
「ムギー！」
夜中の12時過ぎに、次男とバトル。
半袖Ｔシャツを間に挟んで押し問答。

私は根負けしたふりをして半袖Ｔシャツをそのまま出しておいた。

翌朝。
私が起きたときは次男はまだ寝ていた。
半袖Ｔシャツと一緒に長袖Ｔシャツを取り出し…
重ね着した。
これで文句は出るまい。

起きてきた次男が私を見て、「よし、ボクが用意した服を着ているな」と納得していたのかは、知らない。