知的に重度の発達遅滞のある自閉症の次男は、自傷他害がひどくなったため現在服薬調整をしながら医療保護入院中だ。

7月末の一時帰宅以来、3か月半ぶりに次男の一時帰宅が決まった。
その時の様子をスマホのGoogleドキュメントにメモしていたので、ご覧いただきたい。

・自宅に着いて車を降りるなり、庭の花をむしりに行った

・帰ってすぐ服を脱ぎ、カレンダーを12月に変えてしまう

・自宅に入ると「お家モード」のスイッチが入るようだ

・テレビでYouTubeを開き「お正月」の動画を繰り返し見る
飽きるとBSの通販番組

・アイス1個、冷凍ピザ1枚食べる

・バランスボールで2~3回弾んで遊ぶ

・2階の部屋に行ってテレビをつけ、ベッドパッドやシーツを外していた

・お気に入りの番組「キユーピー3分クッキング」を真剣に見る

・居間のこたつに置いてあった新聞や広告を全部破る

・ストックしてあったお茶やジュースを次々飲み干す
　(颯、サイダー、アクエリアス、オロナミンC)

・昼食時、ご飯にふりかけをまぶしておにぎりを作るよう要求するが、作ってあげてもなかなか手を付けない→1時間後に食べ始めた

・テレビを見ている横に母親が座ると、それが気に入らないのか母親の腕に頭突き(あまり痛くない)

・廊下を横っ飛びで走り回る(ベローシファカみたい)

・シール遊び→ノート3ページに好きなようにシールを貼った
ひらがなの形のシールは、お手本で書いた名前の下に、同じ形のシールを貼らせたが、似た形の文字を間違えて貼っていた(惜しい！)

・2階の部屋の椅子（学習机用）があることが気に入らず、椅子だけ下に持って行こうとし、母親に止められた→母親が椅子を1階に移動した

・夕食の準備をする母親が気になって、何度も台所に様子を見にくる
キュウリとカニカマのサラダをボウルごと居間に持っていき、1人で食べようと思ったようだが、昼間食べすぎてお腹がすかないのか全く手を付けない→家族がみんな夕食を終えた頃に食べ始めて完食

・父親が買ってきたカッパ巻きをひとり占めしようと皿を居間に持っていき、一切れずつゆっくり食べる

・YouTubeの「お正月」は、ピアノ伴奏やピアノ演奏のものを選んでいるようだ(ピアノの音色が好き？)

・「寝る時間だよ」とどんなに寝室に行くよう促しても、居間から出ようとしない
眠くなったら寝られるように毛布とタオルケットを居間に用意した

・大騒ぎはしなかったものの、一晩中起きてテレビやYouTubeを見ていたようだ

・夜中にインスタントコーヒーの瓶がカラになっていたが、飲んだのではなく中身を生ゴミ用バケツに捨てていた

・朝食はなかなか食べ始めなかったが、時間をおいて納豆ご飯、味噌汁、焼鮭、きゅうりの漬物といぶりがっこを食べた

・鍋に残った味噌汁を、鍋から直接お椀に入れようとして溢れさせる→全部飲んだ

・朝食を食べている祖父にしきりに世話を焼き、食べ終わったそばから食器を下げてきた

・歯磨き·洗顔は促すとやるが、入浴は嫌がるのでタオルで全身拭いた

・「今日は病院に帰ります」と何回か言ったが、反応は薄かった

ここまで入力したメモを病院に提出するためにプリントアウトして病院に帰る支度を始めた。

病院に帰る時間になり、「おでかけするよ。着替えて」と声をかけたが、次男は着替えを嫌がった。
家の中では下着姿の次男、どこかに出かけるには最低でもズボンを穿かせなくてはいけない。
が、足先からズボンの裾をくぐらせようとしても「イヤ！」と足を引っ込め、ズボンを穿いてくれない。
病院で待ち合わせることになっていた福祉相談員さんに連絡して助けを乞う。
相談員さんが来てくれることになり、2階のベッドにもぐりこんだ次男をくすぐったり手遊びしたり褒めたりで誘い出そうとするものの状況は変わらず…
病院に連絡してどうすればいいか指示を仰ぐと、「午後2時を目途に、どうしても自宅から出ようとしないときは、外泊延長にするのでお母さんだけ病院に追加の薬をもらいに来てください」と言われた。

相談員さんには一旦帰ってもらって、昼食を食べた後に仕切り直し。
「さあ、おでかけするよ。車に乗って」と声をかけると今度はすんなりと服を着て車に乗った。

次男がシートベルトを締めたのを確認してドアをロックし、「これから、ドライブして病院に行きます」と宣言した。
まっすぐに病院には行かず、少し遠回りしてドライブ気分…といきたかったが、雨降りで気分は下降気味。

病院の駐車場に着いて、「さあ、行くよ」とドアを開けると「イカナイ」とドアを閉められた。
これはまあ、想定内。
行く行かないのやり取りをしている間に2時になり、携帯に病院から電話がかかってきた。
「今、病院の駐車場で押し問答してます」「じゃあ、何人か看護師を向かわせます」

あとは、前回の一時帰宅終わりのように男性看護師さんに挟まれるように車から降り、病棟に向かっていった。
（前回の一時帰宅の様子はこちら）

今回の一時帰宅では、眠らなかったこと以外は特に問題はないように思えた。
家に帰るとどうしても「おうちモード」になってしまうし、病室にはないもので溢れていて次男にとっては刺激的・魅力的だと思うし。

この後何度か一時帰宅をさせてみて、自傷や他害の症状が出なければ退院になるだろう。
そしたら学校にも行かせられる。

希望の光は見えたものの、次男と一緒にいた2日間は私も緊張していたのか過剰に力が入っていたのか、夜にはすっかり疲れてしまい翌朝大幅に寝坊した。

…次男を迎え入れるためには、体力を付けなければいけないらしい…