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アルパカさんのパーペチュアル先物取引

おはようございます。🐤

今日はアルパカさんのこの記事の紹介です。

「Perpetual Futures Exchange」をDeeplに入力すると「無期限先物取引所」という訳がでてきました。まず「先物取引とは?」という方のためにはじめに基礎的な知識を仕入れることから始めます。

そのあとで、このニュースを翻訳を中心に紹介していこうと思います。

先物取引とは

先物取引って何? なんだか怖い、という方は数時間前の僕と同じです。よければこの機会に一緒に学んでいきましょう。

まず「先物」というのは「現物」という言葉の反対にあります。「現物」の方はイメージがつきやすいと思います。株式やビットコインを取引所で購入や売却する、これが現物取引です。

それに対して「先物」というのは、未来のある時点で「現物」を「今取り決めた数量、価格で売買」する約束をすることです。

「なんでそんなややこしいことすんのよ、今買えばいいじゃない」と思われることでしょう。僕もそう思います。でもこれにはわけがあって、価格変動リスクを回避(ヘッジ)できるというメリットがあるのです。

【例1:お米の先物取引】
江戸時代の日本では、お米がとれる前に、蔵屋敷が「お米券」を発行してあらかじめ一定の価格で米問屋さんに売っていました。収穫されたら、お米をお米券と交換します。こうすることでお米の不作による価格高騰や豊作による価格下落の影響をうけることなく、価格は安定し、農家の人や飲食店の運営が安定するのです。

【例2:ビットコインの先物取引】
ビットコインの現在価格が1 BTC=$17,000だとして、今現物で1 BTC持っているとします。3か月後に$17,000で1 BTCを売る約束をしました。これで、保有をしながら、3か月後には確実に$17,000が得られます。

こんなふうに、先物取引のもともとの思想的には「価格変動リスクを回避」できるというものだったのです。

しかし今では(というか昔から)、当初合意価格より現在価格が高ければ買い手の勝ち、売り手の負け、しかもレバレッジもかけられるというような投資商品になっています。こういう先物取引の性質をわかったうえで、アルパカさんの新サービスの説明に進みましょう。

新サービスの説明

アルパカさんのパーペチュアル(無期限)先物取引というのは、かんたんに言うと、決済期限なしにレバレッジをきかせたトークンのロング/ショートのポジションを持てる投資商品です。

先物なのに無期限? と思いますけど、これは最近の流行りのようです。

決済期限がなく、ずっとポジションをもっていられる代わりに、その間はずっと手数料を支払う必要があります。

利点はいくつかあります。

  • 流動性をひとつに集約できる

  • 高いレバレッジを実現できる

  • スリッページなし

アルパカのパーペチュアル先物取引には大きく2つの利用者が見込まれます。流動性提供者とトレーダーです。

トレーダー

①BTCB、ETH、BNBのロング・ショート

アルパカのパーペチュアル先物取引は、スタート時は「BTCB、ETH、BNB」の3つの資産を扱います。

取引にはオーダーブック形式(板取引)ではなく、(AMMでもなく)「プール流動性システム」を使用します。これは3つの資産を預け入れるプールを用意し、それらをスリッページやプライスインパクトなしに、オラクル価格で取引ができるようにします。

②オープン/クローズ手数料が安い

一般的な先物取引所では、ポジションオープン/クローズ時に取引手数料とスリッページが発生します。

大きなポジションをもつユーザーは、アルパカのスリッページのない設計の恩恵を受けることになるでしょう。また、取引量に応じた手数料の割引も検討しているとのことです。

③中央集権リスクがない

アルパカのサービスでは、CEXとは違ってすべての資産の動きがスマートコントラクト上で明らかになります。だからユーザーは安心して取引をすることができます。

④高レバレッジ

アルパカのサービスでは最大x50倍のレバレッジを予定しています。

⑤注文タイプ

アルパカのサービスでは、成行、指値、SL(損切り)、TP(利確注文)に対応します。

⑥プライスインパクトのないスワップ

プライスインパクトは、流動性の大きさに対して大量の(例えば0.1%以上の)トークンを交換する時に価格に与える影響のことです。⇒プライスインパクトについて詳しくはこちら

アルパカのサービスでは、AMM形式でも板取引でもなく、オラクル価格での取引であることから、プライスインパクトのないスワップを実現します。そして現物のDEXとしても機能するということなので、パンケーキの代わりにアルパカのパーペチュアル取引を使うという場面があるのかもしれません。

特に、流動性の偏りがある場合に、それを補正する方向にインセンティブを設計するということなので、トレーダーが取引で利益を得られることもありそうです。

⑦ファンディングレート

FTX JP、OKX(旧OKEx)のパーペチュアル取引と同じように、アルパカのサービスでも「ファンディングレート」という手数料システムを考えています。

ロングとショートの乖離が見られた時に、その差を埋めるためにショートがロングに、あるいはロングがショートにインセンティブを与えるというものです。つまり、ユーザーは適切なポジションをたてることで利益を得られるということです。

流動性提供者

流動性提供者は次のようなところから利益を得ます。

  • ポジションオープン/クローズ手数料

  • 借入手数料

  • 交換手数料

  • 流動性プール預け入れ/引き出し手数料

  • カウンターエクスポージャーの利益

  • フラッシュローン手数料

さらに、次のような主要な機能を提供します。

①フロントラン対策

イーサリアム上で日常行われている取引は搾取されていることがあるのを知っていますか?

僕の取引では見たことがないのですが、大きな取引をDEXでする人(あるいはCEXでも)のトランザクションの前後を狙って自分に有利なトランザクションを挟んで利益を得る人(bot)がいるのです。いくつかのトランザクションをまとめてブロックとして処理するブロックチェーンのしくみ上、避けにくいズルで、もちろん大きな取引をする人はわずかですが確実に損をします。

そんなズルのことを「フロントラン」といいます。(前後に挟むものは「サンドイッチボット」と言ったりもします)ちょっとだけそのズルの説明をしてみます、3行くらいで短く。

  • 大きな買いがあれば、そのトークンの価格は上がります

  • なので、その前に自分が買う

  • そして、トークン価格が高くなった直後に売る

めちゃめちゃケチくさいですが、ほぼノーリスクで確実に利益が得られます。これを何度も繰り返すことで、大きな利益を得ている人がいます。その人が利益を得ている分、損しているユーザーがいるということです。アルパカさんはこれに対する対策をしています。

このフロントラン攻撃は、公開オラクルを使って実行されるというアルパカさんの見立てから、自社の内部フィードで各取引の先に価格を更新し、フロントランを防ぐのだそうです。

②アルパカのレンディングプールからの収益

流動性プール内の未使用資産の一部は、アルパカのレンディングに流用して利益を得ます。また、レバレッジファーミングの貸しつけに利用できる資産を増やします。

③偏りの防止

ロングとショートの乖離が見られた時に、その差を埋めるためにショートがロングに、あるいはロングがショートにインセンティブを与えるというものです。

紹介プログラム

このサービスを展開する前には、紹介プログラムを実施するようです。

ALPACAホルダーへの還元

このプロトコル収益はxALPACAホルダーへ還元される予定です。

スケジュール

10月から開発を進めていて、スマートコントラクトの開発はほぼ完了し、フロントエンドの開発を11月上旬からすでに開始しています。

2023年第1四半期初頭のローンチを目標としています。

まとめ

うーん難しかった。わかりましたか?

これまで一部のCEX(中央集権型の取引所、FTXとかOKXとか)で採用されていた「パーペチュアル先物取引」をオンチェーンでやってみようという試みです。

パーペチュアル先物取引の利点は

  • 先物ユーザー:ハイレバ先物取引ができる、ファンディングレートで利益が得られる

  • スワップユーザー:プライスインパクトがないトークン交換ができる

  • 流動性提供者:さまざまな報酬が得られる

来年1月…うーん、2月頭かな? それくらいに開始予定ということなので楽しみです。

デメリットは複雑さかな? 新しいコントラクトだと思うので事故なくやってほしいですね…。安全第一。でも挑戦はすばらしいです!

めだか師匠によると、パーペチュアルなExchangeの先輩はたくさんあるそうです。

投資のプロとか、すごくテクニカルな投資が好きな人は興味があるかな? しかし、そんな方たちはきっと原文を読むと思うので、僕のこのつたないブログがどこまで役にたっているのか。

誰かの何かの役にたてたら嬉しいです。

それではまた、DeFi~(@^^)/~~~

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