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DeFi入門 (1) DeFiとは

はじめに

おはようございます。🐤

2020年頃から本格的に始まったばかりのDeFi(「ディファイ」と読みます)について、今日から8日間でみなさんと一緒に学んでいきたいと思います。

なんでDeFiのお話をするかというと、僕が大好きだから、僕が話したいからです。なんで大好きかというところが8日間のどこかで伝わればいいなと思っています。

さて、DeFiが爆発的に広がった第一波といえるのは、2020年の夏「DeFiサマー」だと言われています。(DeFi様ではありません)
これ、たった1年前のことです。

今がDeFiの歴史的にはどういう状況なのか、例えばインターネットにあてはめて考えると、感覚的には1993年に「Mosaic」インターネットブラウザが発表された翌年の1994年くらいにあたると思います。

まだ「Windows95」の発売前くらいの状況です。だって、DeFiやNFT関連で電気屋さんに行列できてないですよね。社会現象マダーですよね。

だから、まだ全然遅くない。これを読んでいる人は十分早い、ちょっと早すぎるくらいかもしれません。

DeFiとは

DeFi(Decentralized Finance)とは、ひとことで言えば、銀行や証券会社などの既存金融に頼らないで、仮想通貨(暗号資産)を使って資産運用ができるしくみです。

もっとわかりやすく言うと、僕たちのような一般人が銀行のように誰かにお金を貸して金利を得たり、両替サービスの手数料収入を得ることを可能にするしくみです。

銀行ってズルくない?

突然ですが、ちょっと時間をいただいて考えてみて欲しいんです。

僕たちは銀行に「預金」として年利0.001%くらいでお金を貸しています。10万円を1年間預けると1円の利子がもらえる計算です。(うち0.2円は税金にとられます…)

銀行は僕たちから借りたお金を、カードローンなどで年利14.6%で人に貸したり、企業に年利10%で貸したりしてその差額を利益としています。

いやいや、シンプルにズルくないですか。

いや、ズルくないんですよ、銀行もいろいろたいへんなんです。借金を踏み倒されないようにとか、ユーザーから資金を集めるためのATMや建物に設備投資をしたり人件費を支払ったり、お金を借りてもらえるようにCMをするなどたいへんな努力をしているのです。それはわかっているんです。

それでも! 羨ましく感じてしまいますよね。
僕も誰かにお金を貸すから年利10%ほしい!!🤤

でも、そんなことは誰もしません、理由はおそらくつぎの2つです。

  • 返してもらえないかも…

  • 法律にひっかかるから⇒chuui2.pdf (fsa.go.jp)

  • 楽して儲けるのはいけないことだから

あ、3つになっちゃった、でもDeFiはこれらをクリアできます。一つ一つ説明していきましょう。大丈夫ですか? うざくないですか?

1 返してもらえないかも…

大丈夫です、友だちに貸したお金とは違って、DeFiで貸したお金は絶対に返ってくるようにプログラムすることが可能です。(プログラムに悪意やバグがあったら別です…)

簡単にいうと、お金を借りたい人はまずお金を預けます。その預け入れたお金を担保にお金を借りることができます。

仮に、借金が膨らんだりして返せないことがわかると、その担保がとられて自動的に清算されます。だから取りっぱぐれがありません。

貸すお金があるのに借りる理由

「でも、借りるためには貸さないといけないの?」
「貸すお金があるなら借りる必要ないじゃん?」

と思われませんでしたか? 僕はそう思いました。
が、やがてその理由がわかりました。答えは「借りた方が儲かるから」でした。

どういうことか、次で説明していきます。

(1) 貸すのはビットコインやETHなどのガチホ資産、借りるのは投資用の資産というパターン

ビットコインやETHなどの暗号資産の価格は上昇すると考える投資家たちは、購入してガチホ(長期的に保有すること)しているのですが、中にはこれをただ保有しているだけではもったいないと考える人がいます。

そんな人は暗号資産をレンディングサービスに貸し出します。日本の暗号資産取引所にもそんなサービスがあって、金利1%から3%くらいで定期預金みたいに貸し付けることができます。

https://bitbank.cc/docs/lending/

普通ならここまでなのですが、DeFiでは貸し付けを担保に資金を借りることができます。例えばUSDCとUSDTというトークンを借りると、変動金利ですが今なら実質2%~3%程度で借りることができます。

https://app.aave.com/#/borrow

そしてその借りたお金を、DeFiの取引所に資金供給して運用すると、約9%の利益が得られます。

https://quickswap.exchange/#/quick

「3%で借りて、9%で貸すことができるって? おかしいよ」
「それだったらみんなやってるはずじゃない、詐欺に決まってるよ」

という声が聞こえてきます、ごもっともです。でも、これでもマシになったほうで、1年前はもっとおかしかったんですよ。どういうことか次で説明していきます。

(2) 借りて利益が得られたパターン

次の図を見てください、これは僕がDeFiを始めて間もなくのころ、2021年3月時点のとあるDeFiのレンディングサービスの画面です。

https://app.venus.io/dashboard (2021年3月)

画面は「Borrowing」つまり借り入れです。借りているのに+の利子がついているのがわかります。

これには理由がありまして、内訳を示すと、借入金利は-2%程度なんですが、サービスの利用報酬として+8%程度の独自トークン(金券みたいなもの)がもらえるのです。それで差し引き+6%となっています。

この頃はDeFiの世界は異常でした。どんなプロジェクトもどんなトークンも発行されたら買われて価格がぐんぐん上がっていました。(トオイメ…) その高値の独自トークンを配布するからすごく高い利回りになったのです。

加えて、預け入れをしても当然金利と利用報酬がもらえるので、もうわけがわからないウハウハ状態になっていました。

しかしまあ、このようなお祭り状態は独自トークンバブルが終わったら終わります。さすがに今は「借りるだけで儲かる」ということは(あまり)ありません。

というわけで、話がだいぶそれましたが、怪しい詐欺プロジェクトでない限り、貸したお金は必ず返ってくる技術的な保証があるという説明でした。

2 法律にひっかかるから…

さて2つ目の理由ですが、日本には「貸金業法」という法律があって、個人間融資を禁止しています。

「え…だめなの? よく飲み会でお金なくて友だちに借りるんだけど」

それは大丈夫です。ここでいう個人間融資とは「業として」「継続的に」「不特定多数に」行うお金の貸し付けと、その勧誘が禁止されているだけです。

そしてDeFiは個人間融資ではありません。資産運用のために自動貸し借りプログラムに自分の資金を提供することは、銀行や証券会社に資金を入れることと感覚的には同じです。

一方、DeFiで資金を運用することが法律で認められているかというと、認められていませんし、ダメだというわけでもありません。まだ何も決まっていないというのが本当のところです。

上のリンクはDeFiではなく外国の金融サービスに適用される法規制の例ですが、ここには「登録を受けない外国証券業者であっても、…(中略)…「勧誘」及び「勧誘に類する行為」をすることなく国内居住者から注文を受ける場合は、国内居住者との取引をすることができます。」とあります。

要するに「自分から突っ込んでいく分にはいいけど、どうなっても知らんで~」ということです。海外の暗号資産取引所(バイナンスなど)を利用することがこれにあたり、DeFiもこれに準じると考えられています。

逆にいうと、「規制しようとしてもできない」という側面もあります。これは暗号資産の強いところでもあり、止めようとしても人類には止められない(サイバーダイン社の人工知能のような)怖いところでもあります。

3 楽して儲けるのはいけないことだから

半分冗談で考えたこの項目…いらなかったかも。
いけないことかどうかはともかく、楽して儲かることはありません。

DeFiの世界は工事現場みたいなものです、何の知識もない一般人が無防備に入っていったら穴に落ちたり溶接の火に焼かれたり頭上から鉄骨が落ちてきたりします。(どんな工事現場や…)

だから、しっかりと現場の注意事項を把握し、ヘルメットと安全帯をしっかりと着用して入場することです。そうすることで安全に工事現場の中に落ちているお金を拾うことができるのです。(どんな工事現場や…)

また、人間は楽をするために一所懸命考えるという、本能的な一面もありますよね。

お金の流通にはすごい手間と費用がかかっています。

偽造されないように印刷する技術とか、できたお金をコントロールしながら流通させる費用(行政)、銀行の設備費と人件費(金融)、そして悪用されないように見張る費用(警察)。

DeFiではこれらの人件費や設備投資の大部分がコストカットできます。つまり、自動販売機や全自動洗濯機のように、人間が楽するための技術といえます。

その分野の仕事がなくなってしまうという側面もあるので局所的・短期的には善し悪しかもしれませんが、長い歴史の観点から考えると、DeFiは人類の大きな進歩であることは間違いがないことだと僕は考えています。

第1日目のまとめ

というわけで今日のまとめです。

今日はDeFiの世界のおおまかなことをお話しました。DeFiの世界では、僕たちのような個人が銀行のような立場で人にお金を貸したり、資産運用をすることができます。

それを可能にしたのは暗号資産というプログラム可能な新しいお金です。ETHというのは今までのお金とか電子マネーと似ているようで全然違う、すごい可能性を持っているのです。

では、明日はビットコインやETHを代表とする「暗号資産」についてもう少し詳しく説明していきます。

どうでしょう、大丈夫でしょうか、もしかしてとっくに知ってるわいということばかりだったかもしれません…うざい口調になっていませんでしたか?

もしよければ明日も見ていただけるとうれしいです。

それではまた、DeFi~(@^^)/~~~


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